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第144話 道場破りには道場破りで返してやりますよ


 <デスロール本部>


「彼奴等、女のくせに思ったより強かったな~」


「だまれっ! 雑魚が」


「彼奴等が強いんじゃなくて、お前が弱いんだよ?」


「まったく、お前が銃なんて撃ちやがるから、早々に引き上げることになったんだろうが?」


「カスが、もう死ねよ、お前?」


「悪かったって、しょーがねえだろ? 負ける訳には行かねえんだからよ」


「どっから段取りしたのか知らねえが、そんなダンジョンの魔物には使えねえ銃なんて持ってるのは、お前ぐらいだぜ?」


「ヒャハハ、魔物には使えなくても、人相手ならには便利だろ?」


「クソ野郎! もっとあの女達で遊びたかったのに、お前のせいで台無しだ」


「それに銃まで使ったら、警察も来るだろうが?」


「リーダーも、このクソ野郎に何か言ってやれよ」


「・・・俺が思っていたより彼奴等は弱かったからな、もうどうでも良いわ。やはり、女で強いってのは無理があるか、少し信じてたんだがな・・・」


「相変わらずリーダーは女より強者かよ、魔物相手なら一杯いるだろ?」


「そうだな、魔物で我慢するか~」


「変なテンションで出て行ったと思ったら、リーダーまで女あさりですか?」


「いいや、強者探しってとこだな」


「リーダーはそうでも、他の馬鹿達は違うんですから、気を付けて下さいよ?」


「うるせー女だな?」


「だまれ馬鹿共! 他所のクランにちょっかい掛けてたら、そのうち痛い目を見るよ? それに銃まで使っただなんて本物の馬鹿ね?」


「魔法にしか興味ねえ、お前には分からねえよ」



 たまには、他の冒険者と遊ぼうかと思ったが、対した奴は居ねえもんだよな。


 冒険者にも飽きて来たし、どっかに良い遊び相手がいねえかな・・・


 俺はそんな事を茫然と考えていたら、下に居た者が慌てて部屋に入って来た。



「すみません、リーダー?」


「あん? 慌ててどうしたんだ?」


「すみません。今、模擬戦をしにメイデンガーデンの女達が来てるんですが、他の者が断ったら殴り飛ばされてるんですよ」


「あ~ 彼奴等が速攻で仕返しにでも来やがったかな?」


「ヒャハハ、あれだけ叩きのめしてやったのに、凝りねえ奴らだな♪」


「良いじゃねえか? バカのお陰で楽しめなかったけど、向こうから来てくれたのかよ」


「あはは、大歓迎だよな、迎えに行こうぜ」


「はぁ~ どうでも良いから、お前ら行ってこいよ」


「リーダーは行かねえってよ、行って見ようぜ」


「ちょっと待ちなさい、私も行くわ」


「なんだかんだ言って、お前も虐めたいんじゃねえか?」


「馬鹿がやり過ぎないように見に行くだけよ。一緒にしないで」


「けっ! はいはい」


       ◇     ◇     ◇


 <時は少し遡り、ヨウ視点>


「うわ~ うじゃうじゃ居ますね?」


「フフ、盛大にゴミ掃除と行きましょうか」


「お、おい、何勝手に入って来てんだよ。お前メイデンガーデンの者だよな?」


「お~ メチャクチャ美人揃いじゃねえか」


「ところで、別嬪さん達は、一体何しに来たんだ?」


「んふふ、ちょっと模擬戦しに来ただけよ? リーダーの所まで案内しなさい」


「おいおい、なに偉そうに言ってんだよ?」



 入口に数人いた男がアヤメさんに腕を伸ばしたので、とりあえず殴り飛ばす事にした。



「ドガッ!」


「ぐはっ!」


「てめえ、何しやがるんだよ?」


「どうやら、奥に人が集まってるみたいですね」


「じゃ、とりあえず、そこへ行って見ましょうか」


「勝手に決めるな。お前達、いくら美人だからって許して貰えると思うなよ?」


「煩いハエだな~」


「ドカッ!」


「ぐえっ!」



 僕達の目の前に立ち塞がった男を、ナギサさんが蹴りを放ち吹っ飛ばすと、そのまま歩いて奥へ向かう事にした。


 まだ周りに人が居るが、遠巻きに見ているだけで、止めに入る者は居ないようだ。


 進んで行くと大きな部屋にでた、どうやらクランの練習場のようだ。


 結構な人数が訓練や模擬戦をしている。


 男だけかと思ったら、女性も少数だが居るようだった。



「リンさん、この中に襲撃して来た奴は居るかな?」


「いいえ、居ないようです」


「そっか。じゃ、少し説明でもして上げようかな~」


【ここに居る人達、良く聞きなさい! メイデンガーデンの女性達、つまり私達の友達に此処のリーダー達が道場破りだとか訳の分からない事言って暴れたらしいの。


そして、自分が負けそうになったら、銃まで使って此処に居るリンさんが肩を撃たれたわ。


庇いに入ったレンカさんまで、ボコボコに殴ってくれたそうなの。


だから、私達がお礼しに来たって訳、今から私達が強制的に貴方達相手に模擬戦をするけど、恨むならリーダーを恨みなさい。分かった?】


「・・・まあ、ウチのリーダー達なら、やりそうな事だけどよ。それにしても、お前達舐め過ぎじゃねえか?」


「俺達が大人しく殴られるとでも思ってんのか?」


「女だからって、甘えすぎなんじゃねえか?」


「此処に何人居ると思ってんだよ? 女と子供だけで、どうにかなると思ってんなら大間違いだぞ?」


「あはは、貴方達って馬鹿ばかりなの? 事情も知らないで殴られるのも可愛そうだと思って説明してあげたけど、どうやら遠慮は要ら無さそうね?」


「んふふ、私達に勝てると思ってるんだ? 可愛いじゃない♪」


「せっかく、実力が分かりやすいように魔力まで解放して上げてるのに、何にも気付かないで馬鹿だよね」


「フフ、弱い犬ほど良く吠えますから」


「フフ~ もう謝っても遅いって言っても、分かんないんだろうな~」


「えっと、僕からも言っときますけど。何人か女性も居るようですが手加減してくれるなんて思わないで下さいね?」


「・・・貴方達、どれだけ自信があるのか知らないけど、ウチのリーダー達に勝てる訳ないわ」


「それに、これだけの人数相手する気? ねえ正気なの?」


「ウフフ、まあ良いじゃない、せっかく来てくれたんだから私からやって上げるわ。その綺麗な顔を潰して上げるから掛かって来なさい♪」


「あ~ 勘違いさせちゃったかな? 貴方達全員で掛かって来なさい! 雑魚相手に時間が勿体ないからさ」


「ふ、ふざけるな~」



 余程、腹が立ったのか一人の女性がアヤメさんに殴り掛かったが、もちろんそんな攻撃がアヤメさんに通じる訳も無い。


 キッチリとアゴを撃ち抜かれ、糸が切れた人形のように崩れ落ちた。



「なっ! 嘘だろ、おい」


「相手を舐めてるからだよ? 少人数で此処へ乗り込んで来るんだ、多少出来る奴だったとしても、おかしかないだろ?」


「あらあら、まだ分かってないみたいよ。アヤメ?」


「うふふ、最初だから手加減して上げたけど、次から誰だか分からなぐらい殴って上げるわ」


「そいつを倒したぐらいで良い気になってんじゃねえよ、俺が実力の違いってやつを分からせてやる」


「あはは、大口叩くと、後で恥ずかしい思いをするわよ?」


「うるせえよ、おらっ! 躱してみやがれ」


「パンッ! パパパパパパパパパンッ!」


「どさっ」



 大口を叩いていた青年も、アヤメさんの左ジャブの連打を真面に食らい、あっさりと倒れていく。


 全弾、顔面にヒットしていたので言葉通り、後で顔が腫れ捲るのは間違いないだろう。



「さっ、これで分かったでしょ? 全員で掛かってらっしゃい。遊んであげるわ」


「僕もやろっと」


「フフ、では私も」


「にひひ、じゃ皆でやろっか」


「もう、しょうがないわね~ これじゃ直ぐに終わっちゃいそうよ」


「くっ、マジかよ・・・」


「おい、得意な武器を持て、こいつら相当つええぞ」


「もう、知らねえぞ、お前ら?」


「ククっ! 武器を持ったぐらいで、強気になって可愛いね?」


「フフ~ 絶望的な程の実力差があるなんて、思わないよね~ ご愁傷様です」


「さあ、掛かって来なさい♪」



 アヤメさんの一言で、その場に居た全員が一斉に遅い掛かって来たが、欠伸が出る程の遅い攻撃に、僕が心配する気にもなれなかった。


 数十人居たデスロールの面々も皆アヤメさん達に倒され、誰か分からない程、顔が腫れ上がっていく。



「ほんと口ほどにもないわね。そうそう、最初の娘だけ無傷なのも不公平よね? おーい、起きなさい」



アヤメさんは一番最初に倒した女性を揺り動かすと、直ぐに目が覚めたようだ。



「・・・なっ?」


「んふふ、もう無傷なのは貴女だけよ? 周りを見たら分かるでしょ、さあ掛かって来なさい」


「お、お前達が、全員を倒したのか?」


「ええ、皆哀れな程弱かったわ、貴方も皆と同じ顔にして上げるね」


「ひっ! す、すみませんでした。謝りますから許して下さい」


「あはは、なに虫の良い事言ってるの? 最初の勢いはどうしたの? 貴女の顔は念入りに潰して上げるわ♪」


「ひぃぃ、ゆ、許して下さい」


「だ~め♪」


「ドカッ!」


「ぶはっ! ひぃ、ひぃぃ、ゆ、許して、お願いよぉ~」



 自分が叩きのめされるとは思わなかったのか、無様な程謝っていた。


 最初から偉そうにしてなければ、こうならなかったのに、呆れて止める気にもなれなかった。


 結局、アヤメさんに叩きのめされ、気絶したのか動かなくなった頃、誰かがまた練習場へ入って来たようだ。



「て、てめえら、何てことしやがる?」


「お代わりが来たようね、リンさん此奴等かしら?」


「はい、彼奴が銃で私を撃って、無抵抗のレンカさんを木刀で叩きのめした奴です」


「やっと出て来たわね、貴方達って模擬戦が好きなんでしょ? 私達が相手して上げるわ。友達に怪我をさせたことを、後悔しなさい」


「こりゃ驚いたな。喜んで来てみりゃ、とんでもない別嬪さん達がいやがるぜ」


「クククッ! しかも、こんな雑魚共を叩きのめしたぐらいで、良い気になってるなんてな♪」


「言ってやるな、可哀そうだろ?」



 同じクランメンバーが血だらけで倒れているのも見ても、まだ自分達の方が強いと勘違いしている者達に飽きれそうになる。


 しかし、良く見ると一人の女性だけ震えて青い顔をしていた。



「ん? どうしたんだよお前、そんなに震えて寒いのか?」


「ば、馬鹿なの? あ、貴方達。どんな化物を招いてしまったのか分からないの?」


「はぁ? 何言ってんだよ大丈夫か? 綺麗なお姉さん達と少年しか居ねえじゃねえか?」


「ほ、本当に分からないの? あの女性達は化物よ、ありえない程の魔力が感じ取れないの?」


「へえ~ カスみたいな奴だけかと思ったら、少しは分かる娘も居るんじゃない♪」


「でも、実力差が分かるだけに可哀そうだね、どうしようもないんだからさ?」


「ま、待って、私は此奴等とは関係ないわ、今も止めようとして来たんだから」


「んふふ、それは遅かったわね? こんな奴等、早く見限って逃げれば助かったのに?」


「そ、そんな・・・」



 女性は恐怖のあまり立ってられなくなったのか、地面に膝を付いて悲壮な表情をしている。



「けっ! 魔力が何だってんだよ? そこのメイデンガーデンの奴等に何も聞かなかったのか?


そいつらは、女子なら日本でも上位に入る冒険者なんだぞ?


そいつらでもボコボコにされてるのに、よくそんなデカい口が叩けるな?」


「ふ、ふざけるな! 銃を使わないと女性にも勝てないクズ野郎が」


「ヒャハハ、どんな手を使っても勝ちは勝ちだろうが? 言い訳してんじゃねえよ。悔しかったら、俺に勝ってみろよ」


「馬鹿野郎、誰がお前にやらすかよ?」


「まあ、良いじゃねえか。此処でやるなら逃げる必要も無いし、相手もちっとは大人しくなるだろ?」


「チッ! わあったよ、言っとくがやり過ぎるなよ?」


「分かってるって、さあ掛かって来いよ♪」


「長い御託だったわね、誰が行く?」


「フフ、私が行きましょう、丁度良い木刀もありますし」


「しかし、本当に美人だし、胸もでけえし、最高だな♪」


「・・・虫けらに褒められても嬉しくありませんね」


「うるせえよ、おらぁ~ 躱してみやがれ!」



 散々偉そうに言っていた男の攻撃は、情けない程遅く欠伸が出そうだった。


 当然の様にリラさんに軽く躱され、木刀を持っていた左手の指を木刀で思い切り叩かれ何本か折れたのか、関節とは逆の方向に曲がっていた。



「バキッ!」


「ぎゃああああああああ、指がああああああああ!」


「全く煩いですね、指が折れただけじゃないですか?」


「速いな・・・おい、今の攻撃見えたかよ?」


「俺も見えなかったぞ? あいつ何をしやがった」


「フフ、次は左手の甲にしましょうか」


「バキッ!」


「ぎゃあああああああ!」


「続いて左肘が良いですね」


「バキッ!」


「ぎゃああああああ、いてえ、いてえーーー、腕があああああああ!」



 リラさんが繰り出す攻撃は木刀と言えど、<硬質化>スキルが掛かっているので、とても硬く重いため男の腕の骨は粉々に砕けているようだ。



「フフ、痛がり屋さんなのですね? 次は左肩にしましょうか」


「ふ、ふざけるなああああああああ! も、もう許さねえ、殺してやる」



 男は銃を取り出しリラさんに銃口を向けている、予想通りとは言え本当に情けない男が居たもんだ。



「彼奴、また出しやがった・・・」


「でも、ちっとヤバくないか? あの女の攻撃全く見えねえんだぞ」


「ああ、何かしてやがるんだろうが、お前も良く見とけ」


「木刀を捨てやがれ」


「理解出来ませんね? 何故、木刀を捨てなければならないのでしょう?」


「お前、この銃が見えねえのかよ? 早く捨てろ本当に撃つぞ」


「フフ、あはは、そんな玩具で脅しを掛けているつもりですか? 撃てば良いじゃありませんか?」


「キレれたぞ・・・死ねやあああああああ!」


「パンッ! パンッパンッパンッ! カチッカチッ」


「ば、馬鹿な・・・何で倒れねえんだよ?」


「フフ、本当にお馬鹿さんですね? だから、そんな玩具が私達に通じる訳がないと言いましたが? 銃弾はお返ししますね」



 リラさんは撃たれた4発の弾丸を全て手の平で掴み取っており、指弾のように銃弾を指で弾き、男の両肩と両足に撃ち込んだようだ。


 撃たれた弾丸は全て体を突き抜けていたので、その威力の程が伺える。


 僕もリンさんと同じ様に、此奴の肩へ銃弾を撃ち込んでやろうと思っていたけど、代わりにリラさんがやってくれたので溜飲が下がる。



「ぎゃああああああああ! うぎゃああああああああああああああああああ!」


「全く煩いですね、少し静かにして貰えませんか?」



 リラさんは痛みで転げ回っている男の顔や頭を木刀で滅多打ちにしている、やがて気絶したのか動かなくなっても、その動きは止まることが無かった。



「ドカッ! ドカッ! ドカッ! バキッ! ドカッ! ドカッ! バキッ!」


「リ、リラさん、もう十分です、それ以上やると死んじゃいます」


「フフ、別に死んでも良いのですが、リンさんがそう言うのであれば、これぐらいで許して上げましょうか」



 ようやく、動きを止めたリラさんの持っている木刀は、血だらけになり真っ赤に染まっていた。


 その光景を見た男達は、流石に危機感が湧いて来たのか、顔色が悪くなっていた。



「フフ~ 次は私がやろっかな~ 武器無しで撲殺にしちゃおっと♪」


「フフ、ノノ? 簡単に殺しちゃ駄目ですよ?」


「そっか、撲殺じゃ拙いよね。少しだけ生かしといて上げよっかな」


「・・・お前、何で銃で撃たれても平気なんだよ?」


「見ていて分かりませんでしたか? ちゃんと手で掴みとって本人に返して上げたではありませんか? フフ、銃で撃つより威力が高かったのか、体を突き抜けてしまいましたけど」


「ば、化物かよ・・・」


「フフ~ リラ姉、酷い言われようね? 私がお仕置きして上げちゃうね」


「ヒッ! く、来るな、俺はもう止めだ」


「なに、勝手な事言ってるのかな~ 逃げれると思う?」


「くっ、くそっ!」



 残っていた男達はダッシュで出口へ向けて走り出したが、そこには既にノノさんが待ち構えていた。



「なんだと? どんなスピードしてやがんだ」


「フフ~ どうして逃げるのかな? 女性が好きなんでしょ? 相手して上げるから掛かって来たら? ひょっとしたら、明日から女嫌いになるかもね~♪」


「クソが! おい、3人掛かりでやるぞ」


「「おう」」



 もう一人居る女性は叩きのめされている男を見て、震えているだけで動こうとしなかったので、先に逃げた3人を始末することにした様だ。


 3人掛かりでノノさんに攻撃しているが、悉く躱され男達も段々と悲壮な表情になってきた。



「くそう、当たらねえ・・・」


「どうなってやがるんだよ」


「こいつら、俺達とはレベルが違う・・・何とかして倒さないと、他の奴等もこっちへ来るぞ」


「諦めが悪いね~ そろそろ反撃しちゃうよ?」


「ま、待て! 分かった。俺達の負けだ」


「あはは♪」


「ガツッ!」


「ぐはっ」


「ドカッ! バキッ!」


「げほっ」


「ボキッ!」


「ぎゃあああああああ!!!」


「あれっ、腕が折れちゃったのかな? 案外脆いんだね~ もっとカルシウム取った方が良いよ?」


「ま、待ってくれ。参った降参する、謝るから許してくれ」


「頭の中、お花畑だね~♪」


「ドカッ!」


「ぎゃああああああああああ!!!」


「ちょっと、ペース上げるよ~」



 スピードのギアを上げたノノさんの攻撃は、既に男達には見える筈も無く。


 見る見るうちに男達の顔は腫れ上がり、もう誰が誰だったのか分からなくなってきた。


 既に意識も失い倒れている男達を蹴り飛ばしながら、最初に居た位置までノノさんが戻って来た。



「んっと、こんなもんかな」


「そうね、後は貴女だけね?」


「ヒッ! ゆ、許して下さい。お願いします、許して下さい」


「そんな事言われても駄目よ? 貴女だけ無傷なのって不公平だと思わない?」


「わ、私は本当に止めたんです! お、お願いします、許して下さい。お願いします」


「ん~ 何か可哀そうになってきたけど、自業自得でしょ?」


「そうだ! リンさん達のとこに来た人って、まだ居るんでしょ? 連れて来てよ」


「リ、リーダーだけ部屋に残ってます。連れて来ますから、許して下さい」


「んふふ、逃げちゃ駄目よ?」


 ビクッ! 「に、逃げませんから、絶対逃げませんから~」



 女性は涙を流しながら、リーダーを呼びに行ってくれた。



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