第141話 遂にポーション生産が始まりましたね
評価やブックマーク等、応援して下さった全ての方、ありがとうございます。
お陰様で久しぶりにローファンタジー連載中で50位以内に入りました。
「ありがとうございます。詳しい話しは僕の家に招待しますから、そこでしましょうか。
とりあえず、館元さんには株式会社スタッツだった会社の社長さんとして、挨拶に行っておいて下さいね。
内方社長は支店全部に挨拶に行っといて下さい。
各会社から研究・開発・生産・販売等を分けた方が効率的になると思います。
「ちょっと忙しくなるかもしれないので、モニターを兼ねてスタミナポーションを置いていきますね。
何か質問はありますか?」
「すみませんが、話しが大きすぎて理解が追い付かないのだが、資産管理から運用まで、私達で決めても良いのですか?」
「はい、内方社長に全てお任せします♪」
「では、サラリーマンさんとOLさん、少し話しがあるのでタバコでも行きましょうか?」
「ああ、助かる」
「は、はい」
サラリーマンさん達も、僕に言いたい事があるだろうから、少しだけ聞いて上げることにした。
会議室を後にし、エレベーターで屋上へ行くと直ぐに、サラリーマンさんはタバコに火を点けていた。
「フフ、本当にタバコがお好きですね?」
「フゥー、お前達がとんでもない話しをするから、タバコが吸いたくなったんだろ?」
「フフ~ この会社に恩があったんでしょ? ヨウ様が動かなかったらウーツコーポレーションは、今頃無かったかもしれないんですよ?」
「ええっ! やっぱり助けて貰ったんですか?」
「別に助けた訳じゃ無いですよ? サラリーマンさんが会社から抜けれないそうだから、会社ごと手に入れようと思っただけですね。
関係会社20社も、その時の手段で必要だったんですよ。
せっかく手に入れたんだから、使わないと勿体ないでしょ?」
「ブハッ! ゲホッ、ゲホッ、俺だけ引き抜きたいなら、もっと他に手があっただろうが?」
「あ~ 途中で気が付いたんですけど、僕もウーツコーポレーションが好きなんですよね」
「そのために何百億円も使ったのか・・・全く呆れたやつだな」
「それでも、ありがとうございました。お陰で助かりました♪」
「あ~ ありがとな、この恩は働いて返す事にするよ」
「フフ、案外素直なんですね?」
「少なからず感謝してるからな」
「あはは、どう致しまして。そう言う事なら、たっぷりと働いて貰っちゃおうかな~」
「おいおい、手加減してくれよ? 普通のサラリーマンを社長なんてポストに放り込んでくれたんだからよ」
「とりあえず、明日にでも僕の家に招待しますから、ポーションの開発者と話しをして生産方法を決めて貰えますか?」
「・・・地球なんだろうな?」
「ブッ!? 今日はちゃんと素顔見せてるでしょ? 日本人にしか見えない筈ですけど?」
「あはは、本当に面白い人ですね~♪」
「先輩は変な人と、言った方が良いかもです」
「お前に言われたくねえよ」
「フフ、ヨウ様が男性を部屋に呼ぶのは初めてですね?」
「そう言えば、そうなるのかな? えっと、おめでとう?」
「何で、おめでとうになるのか分からないんだが?」
「フフ~ 私が言うのも何ですが、男性ならお金を払ってでも来たいと思いますよ?」
「サラリーマンさんなら100万円で良いですよ?」
「たけえよ! サラリーマンの年収知ってるのか? それに何で呼ばれて金払わなきゃいけないんだよ?」
「あはは、冗談ですよ♪ じゃ、明日夕方頃かな? お二人を迎えに来ますから用意しといて下さいね」
「ああ、分かった」
「分かりました」
サラリーマンさん達と話しも終わったので、僕達はエレベーターで1階へ下りると社長や重役さん達が見送りまでしてくれた。
車で待っていてくれた、ツドイさんにお礼を言って会社を後にした。
「フゥ~ とんでもない事になったな・・・館元君。どういった知り合いなんだね?」
「社長。俺にも良く分からないんですが、何か気に入られたみたいですね」
「先輩が気に入るなんて、類友かもしれませんね~」
「ワハハ、それなら新見君も同じじゃないかね?」
「わわっ! 風評被害ですぅ~」
「一度しばいてやろうか?」
「しかし、念のために言っておくが、見た目は少年のようだが、とんでもない人物だぞ?」
「ええ、分かってますよ社長、怒らせたら容赦なく潰されるでしょうね」
「分かってれば良い。しかし、我社の最大のピンチを救ってくれたのだ、ワシも誠心誠意応えんとな」
「流石社長ですね、全部分かってましたか?」
「そりゃ分かるさ、デカい力に飲み込まれそうになってた所を、とんでもない力で丸飲みにされたんだからな」
「おっとろしいですね?」
「世の中には、我々の予想もつかない力があると言う事だ」
◇ ◇ ◇
僕達は今日の仕事を終えたので部屋へ戻ると、メイドさん達が出迎えてくれた。
「メイドさん達まで株式の手伝いさせちゃって、ごめんね。無事、終わったからありがとう」
「いえ、お役に立てて光栄です」
「んふふ、叩きのめして来たんでしょ? 私も見たかったわ♪」
「あはは、お酒でも飲みながら、今日あった事全部話しますね」
こうしてソファーで寛ぎながら、アヤメさん達に今日の出来事を詳しく説明した。
「なるほどね~ 大体分かったけど。ヨウ君ってウーツコーポレーションを知ってたの?」
「はい、後で分かったんですけど、実は両親から餞別で貰ったミスリルナイフがウーツコーポレーション製なんですよ」
「ああ~ あれがそうだったのね、なるほど納得がいったわ」
「んふふ、ヨウ君らしいわね♪」
「まさか、サラリーマンさんの会社だとは思いませんでしたけどね」
「そんな偶然もあるんだね~」
「あはは、分からないものですね」
「そうそう、ヨウ君。明日は職人さん達のダンジョン探索日だけど覚えてる?」
「はい、明日はケルピー素材も確保しとかないといけないので、中級ダンジョンへ行きましょうか」
「って事は、人気がある方の天王寺中級ダンジョンね、目立ちそうね~♪」
「もう、あんまり目立つのも気にしなくても良いよね?」
「ん~ そうですねツドイさん、もう結構知れ渡っちゃってるし、ドロップだけ隠してたら良いかな~」
「ヨウ君のドロップ率だけは、ぜえ~~ったい誰にも見せれないからね」
「あはは、そうなんですよね」
「ヨウ様、お酒はどれになさいますか?」
「ん~ じゃ、バーボンでお願いします」
「畏まりました」
「カンナさん達メイドさんも、飲みませんか?」
「そんな、私達はメイドですから」
「フフ、遠慮しなくても良いですよ?」
「はい、では少しだけ」
「んふふ、なんにする? 最初はシャンパンなんてどうかな?」
「ありがとうございます、ではシャンパンに致します」
カンナさん達メイドさんは、今は交代で仕事をしてくれているので、夜と言う事もあり5人だったけど、夜景が良く見えるソファーへ座って貰い、お酒を楽しんで貰う事にした。
「僕、注いで上げるよ。はい、どうぞ」
「ありがとうございます」×メイドさん達
「あっ! とても美味しいです」
「フフ、それはヨウ様もお好きなドンペリニヨンなので、覚えておいて下さいね」
「はい、えっ? ドンペリですか?」
「へえ~ 知ってましたか。やっぱり有名なお酒なんですね~」
「はい、どちらかと言うと、高いので有名なお酒だと思います」
「んふふ、値段の事なんて気にしてたら、味が分かんなくなるよ?」
「そそ、楽しく飲みましょ♪」
「あはは、良いですね。じゃ乾杯!」
「乾杯~♪」×全員
何時もの5人に加え、メイドさん達とも楽しく会話しながら、お酒を飲み続けた。
「ウフフ、素晴らしい景色に美味しいお酒、ゆったりとしたソファーに腰掛け、メイド服を着ている私が、人生で一番贅沢な気持ちになっているのは何故でしょう?」
「私なんて無かった筈の腕でワイングラスを傾けています、これは夢か幻なのでしょうか?」
「片足が無かった私に、好条件の仕事が見つかったので、全身全霊で雇って貰える様頑張りましたが、こんな至福の時を迎えることになるなんて誰が想像出来たでしょう?」
「人生は分からないものですね」
「そうですね、とりあえず今は、メイドを楽しみましょうか?」
「ウフフ、はいメイド長♪」
「僕も沢山のメイドさんが見れて幸せですね~」
「男の子って、メイドさんが好きよね?」
「執事さんも好きですよ?」
「フフ、お探ししますか?」
「う~ん・・・やめときます」
「フフ、畏まりました」
「あっ! 分かってて聞いたでしょリラさん?」
「そんな事ありませんよ?」
「本当かな~ 寝る前にもう一度聞きますね」
「えっ? ヨウ様!」
「あはは、リラが焦るの珍しいわね?」
「・・・失言でした」
「あはははは♪」×全員
翌朝、メイドさん達が作ってくれた朝食を食べ、職人さん達が集まるのを待ってから天王寺中級ダンジョンへ向かう事にした。
予定通り職人さん達が集まってくれ、最後にミナミさんが来てくれたとき、大事な事を思い出した。
「ようやく、打ち直していた武器が出来たぞ♪」
「あっ! そう言えば忘れてました」
「・・・おいおい、大事な武器を忘れるなよな?」
「あはは、最近は魔法で剣を作ったりして戦ってましたから」
「純粋な魔法剣か? それもスゲエけど、まあ見てみろよ。今度のは以前とは別物だぞ?」
ミナミさんは僕達の武器を一人づつ手渡してくれた。
以前にも増して綺麗な装飾が入っており、とても恰好良くなっている。
「「「「「「おお~~」」」」」」
「うわ~ 凄く恰好良いじゃないですか♪」
「そうだろ? でも、見た目だけじゃないぞ? 以前に比べて強度は段違いに向上しているし、切断性能強化、攻撃力上昇も追加されてる」
「弓矢は貫通性能強化、ロングメイスは魔法攻撃力強化、使用魔力軽減が追加された」
「凄いじゃない、そんなに性能が上がっちゃったんだ?」
「あはは、<鍛冶師>スキルは凄いぞ♪」
「ちょっと、羨ましいですわね・・・」
「んふふ その内<裁縫>スキルも見つけるかもだよ。フミさん」
「ウフフ、それは楽しみですわ♪」
「ありがとうミナミさん、大事に使わせて貰うよ」
「俺が礼を言いたいぐらいさ、久々に気持ちの良い仕事だったぞ♪」
「ところで、市場へ流し難い素材から作った武器は、どうなったの?」
「・・・いや~ ちょっと余計、市場へは出せなくなったかもな?」
「やっぱりね~」
「フフ、しばらくはクレセントメンバーだけにしておくのが無難かもしれませんね」
「ん~ 市場へ出すのは、また検討してからにしましょっか」
とりあえず僕達は皆ミナミさんにお礼を言い、新たな武器に満足してから予定していた天王寺中級ダンジョンへ向かった。
ダンジョンへ着くと、僕は手伝えなかったけど<激運>スキルの効果か、SPオーブは面白いようにドロップし、職人さん達もドンドンと強くなっていった。
もう一つの目的だったケルピーの肉も大量に入手出来たので、セツナさんと相談してビューティポーションの製作を検討することにした。
一つ残念と言えば、中級ダンジョンでは魔物が弱すぎて、新たな武器の性能が試せなかった事ぐらいかな。
職人さん達は元々器用なのか魔法の方も、かなり上達しているのに驚いた。
「やっぱり一芸に秀でてる人って凄いんだね~ 凄いスピードで強くなっていくわ」
「ミナミは元々強かったけど、職人でもないスズカちゃんまで強くなるの早いわね~」
「えへへ、アヤメ姉さんに褒められると嬉しいです♪」
「ん~ シオがメキメキ強くなっていくのが、納得出来ないんだけど?」
「なんでよぉ~ 使ってるのは包丁だけど、ヨウ君直伝なんだよ?」
「短剣での戦闘って難しいと思うんだけど、やっぱり慣れてる武器? って強いんだね」
「フミさんも、裁縫職とは思えないぐらい綺麗な戦闘だし」
「ウフフ、レイピアって、突きに特化してるのが良い感じですね♪」
「セツナさんも、魔法矢に慣れてきましたね」
「ナハハ、ナギサみたいにバカげた威力に成らないけどね、我ながら強くなってきたかな?」
「んふふ、セツナ君。精進しなさい♪」
「へいへい」
「やってみると、冒険者って面白いですね、何かワクワクしちゃいます」
「あ~ 私もです~ 昨日なんて楽しみで寝れなかったもの?」
「あはは、ヒメさんとスズカさんも冒険者の楽しみが分かって貰えて嬉しいです。職人さん達は、素材の現地調達に嵌ってるみたいですね~」
「「「「「それそれ~♪」」」」」
「幾ら素材が欲しいからって、単独でダンジョンに来ちゃ駄目よ?」
「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」
「あっ? 皆ちょっと考えてたでしょ? スズカちゃんまで~」
「ナハハ、こんなに面白いぐらい素材がドロップしたら、自分で取りに来たくなっちゃうね~」
「フフ、言っておきますが、ヨウ様の力ですよ?」
「そうですよね、私と同じ年なのにヨウ君って凄いですよね」
「褒めても何にも出ませんよ? スズカさん」
「軽いキスぐらいなら良いんじゃないかな?」
「・・・帰ってからなら?」
「やた♪」
「・・・えっと、ヨウ様。天才♪」
「ヒメちゃん? ダンジョンで催促しないの!」
「・・・ごめんなさい♪」
こうして職人さん達もメキメキと強くなっていき、ステータスを上げた効果か美しさにも磨きが掛かっていった。
改めて見ると職人さん達も、凄く綺麗な女性なんだよね、何時までも見ていられそう。
一喜一憂しながらのダンジョン探索も、地下20階のボスを討伐したので、そろそろ帰る事にした。
今日はサラリーマンさんとOLさんが部屋に来るので、職人さん達にも紹介する事にした。
部屋に戻るとツドイさんとリラさんが、サラリーマンさん達を迎えに行ってくれた。
お客様が来ると言う事で、メイドさん達も全員きてくれ夕食の段取りをしてくれている。
しばらく待っていると、どうやらサラリーマンさん達が着いたようだ。
玄関にメイドさん達が全員並び、出迎えの段取りをしてくれている。
きっと驚くだろうなと思い、ニヤニヤしてしまうのは、僕だけじゃないようだ♪
シューズルームの扉が開くと、そこにはサラリーマンさんとOLさんが立っていた。
「いらっしゃいませ、お客様」×メイド全員
メイドさん達は左右に10人ずつ並び、丁寧なお辞儀で出迎えてくれている。
当然のように客である二人は、驚き固まっているのが面白い♪
「フフ、さあ、お進み下さい」
「あ、ああ・・・」
「ひゃああ・・・」
メイドさんの囲みを抜け、リビングを見てまた驚き固まっているようだ、見ていてとっても面白い♪
「ウソだろ? どんだけ金持ちなんだよ・・・」
「うわ~ うわ~ 凄いお部屋です」
「いらっしゃい、お客さん。ソファーへどうぞ」
「・・・ああ、すまないな」
「失礼します」
「うわっ! な、なんだこのソファー?」
「わわっ! 私埋まっちゃいそうです」
「気持ち良いでしょ? 僕達は人を駄目にするソファーって言ってますね」
「地球人なんだよな?」
「・・・まだ言いますか?」
「んふふ、相変わらず面白い男性ね?」
「相変わらず? どうやら、空を飛ぶ趣味があるみたいだな?」
「さあ、どうかしらね♪」
「しかし、どれだけ美女に囲まれて生活してるんだよ?」
「フフ~ 料理人を除いたら、この部屋に入った初めての男性なんですよ?」
「それは光栄だな、お陰で頭がクラクラするよ」
「先輩、ジロジロ見過ぎですよ?」
「お前も良く見ておけ、こんなとんでもない美人達にはもう二度と会えないかもだぞ?」
「・・・言われてみれば、その通りですね。分かりました」
「あはは、貴女も面白いわね、OLさん♪」
「ええっ! 先輩どうしてくれるんですか、私にうつさないで下さいよー」
「何で俺のせいなんだよ?」
「あはは、皆にも紹介しておきますね。館元正利さんと新見酉子さんです。
この度、セツナさんのポーションを製造・販売して貰う予定です」
「アヤメさんから良いですか?」
「ええ、私はヨウ君のパーティ『クレセント』の一人藤崎綾萌よ、宜しくね♪」
次々と自己紹介をして貰い、ようやく全員の紹介が終わった。
「どこかで見たことがあると思ったら、一流の職人さんが居るとはね」
「流石にダンジョン関連の仕事してるだけあって、良く知ってますね?」
「まあ、知らない人もいるんだけどな」
「錬金術師のセツナさんは御存知でしたか?」
「ああ、名前だけは知っていたが、まさか、こんなに綺麗な女性だとは思わなかったよ」
「ナハハ、褒められるのは悪くないね♪」
「じゃ、話しは早いですね、スタミナポーションとビューティポーションはセツナさんが製作したんですよ」
「そうじゃないかと思ったが、噂以上の天才だな?」
「僕もそう思います。セツナさん製作方法がバレない様にサラリーマンさんに製造を頼みたいんですけど、出来そうですか?」
「そんな事で良いなら簡単だよ、私が素材から抽出した成分を超濃厚液体に加工するから、それと幾つかの成分を混ぜて薄めるだけで出来上がりだね」
「なるほど、流石ですね。手持ちの素材で、どれぐらいの量が作れますか?」
「販売用なら、どっちも数千万本作れるぐらいあるかな」
「結構ありますね、それってどれぐらいで作れます?」
「今の私なら直ぐ作れるよ、何なら今日渡そうか?」
「うわ~ 知らない内にかなりレベルアップしてますね?」
「ナハハ、MPがあったら、そんなに難しくないのだよ」
「あっ! そっちでしたか、なるほどね」
「・・・何か凄い話しを簡単にしてないか?」
「あはは、細かい打ち合わせはセツナさんとしてくださいね。では食事にしましょうか」
「分かってたが、とんでもねえよな」




