第135話 また綺麗な女性達が一杯増えちゃいました
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僕達は中級ダンジョンをクリアして外に出ると、まだ昼過ぎだったので今度は人気のある中級ダンジョンに向かう事にした。
此処も久しぶりに来るので、少し懐かしさを感じてしまう。
中へ入ると当然の様に注目を浴びてしまう。
アヤメさん達が綺麗過ぎるから仕方ないんだけど、僕を囲う様に歩いているから僕も目立ってしまう訳だ。
「あ、あのすみません良かったら、パーティ名を教えてくれませんか?」
「私達はクレセントって言うのよ、どうして?」
「すみません、あんまりにも綺麗な人達だったからパーティ名だけでも知りたくて、探索頑張って下さい。ありがとうございました」
「ありがと。貴女も頑張ってね」
「はい♪」
その内、アヤメさん達のファンが出来るんじゃないかと思う程、皆の視線を集めながらダンジョンに入る。
「やっぱり、皆綺麗だから人気者ですね~ 僕も一緒に居て気分が良かったりします」
「んふふ、ヨウ君に褒められると嬉しいわね」
「にひひ、その人気者を独り占めしてる気分は、どうなのかな?」
「えっと、控えめに言って最高ですね」
「そんなに褒められたら、僕サービスしちゃうよ?」
ツドイさんは、そう言うと僕の後ろから抱き着いてくれた。
身長差があるから首筋にツドイさんの胸が当たっており、非常に柔らかくて良い感触だ。
「気持ち良いかな?」
「わわっ! 気持ち良いです」
「こらこら、ツドイいくら中級でも、ダンジョンなのよ?」
「そだね、じゃ、帰ってからして上げる」
「はい、楽しみにしておきます」
「ツドイは何時もヨウ君を喜ばすのが上手だよね~」
「スキンシップは大事なんだよ?」
「「「「はい、ツドイ先生!」」」」
「「「「「「あははは♪」」」」」」
ダンジョン探索中なのに僕達は談笑しながら進んで行き、スキルオーブやSPオーブ、魔法スクロールを大量に入手していく。
此処もあっと言う間に、地下20階のボス部屋に到着した。
ボス部屋の中へ入るとハイオーガキングと言うレアボスだったけど、ツドイさんが一撃で倒してしまったので一瞬だった。
「・・・何か虐めにしか見えなかったわ」
「アヤメ君、言い方・・・」
「んふふ、私達も強くなったって事ね」
「フフ、その言葉は、ヨウ様に一撃を入れれるようになるまで取っておきましょうか」
「あ~ そんな時が来るのかしら・・・」
「フフ~ そんなことより、黒宝箱から良い物出てますよ?」
「へええ~ えっと紅原石?」
「確かノーマルボスって、紅宝石だったわよね?」
「そそ、私達が付けてるネックレスの宝石だもんね」
「僕、なんか凄い事になるような気がするよ。あっ・・・今の取り消し」
「フフ、手遅れかと思いますよ」
「はい、ツドイがフラグ立てた~」
「あ~ 私も言っちゃいそうで危なかったわ」
「フフ~ 凄い事になったらツドイのせいよね」
「・・・僕、やっちゃった?」
「あはは、そうみたいです。楽しみにしときましょうか」
中級ダンジョンを2つもクリアしたのに、帰るには少しだけ早い時間だったので、ギルドの売店でソフトクリームでも食べる事にした。
早速、僕が買いに行こうとしたら皆に大人しく待ってるように言われたので、飲食スペースでチョコンと座って待つことにした。
暇なので辺りをキョロキョロ見ていると、やはり中級ダンジョンがあるギルドなので、初心者装備を卒業したような冒険者が多く見られるようだ。
色んな人達がいるな~ っと思い、見ているとバッチリと知っている顔と目が合ってしまった。
「貴方、どうして中級ダンジョンに来てるのかしら?」
「ええ~~~」
そう、目が合ったのは以前ギルドで合った、僕をメチャクチャ弱い初心者冒険者だと勝手に決めつけているお嬢様冒険者だ。
以前会った時は、別れ際に今度鍛えて上げるとか言ってたので、今逃げ出したい気持ちで一杯になる。
「早く答えなさいよ? 言っとくけど、貴方に中級ダンジョンなんてマダマダ早いんですからね。
背伸びしたい気持ちは分かるけど、無理したら死んじゃうのが分かってない様ね。
今年の新人冒険者では順調に実力を付けている私でも、中級ダンジョンに来たのは最近なんですから。
それに貴方、ソロみたいですけど冒険者を甘く見過ぎじゃない?」
「えっと・・・あの」
「どこ見てるんですか? あっ! 今噂になっている女性パーティじゃない?
うわ~ 凄く綺麗・・・あ~ 憧れちゃうな♪
貴方も運が良いですね、あの女性達はきっと凄く高ランクの人達ですよ、めったに会えないんですから。
まさか、中級ダンジョンで会えるなんて幸運だわ。
そういえば、以前偶然にあの女性達を見かけた時も、貴方がいたわね?
貴方ひょっとして、あの女性達をストーカーしてるんじゃないでしょうね?」
「ブッ!? そ、そんな事ないですよ、とんでもない誤解です」
「・・・こんな偶然が二度も続くなんて、怪しいわね。
まあ良いわ、あれだけ美しい女性達なんだもの、追い掛けたくなる気持ちも少しは分かるわ。
でも、だからと言って中級ダンジョンに来るのは早すぎよ?
もう仕方ないわね、えっと・・・明日ね」
「・・・明日って?」
「私は直近なら明日しか空いてないのよ、これでも忙しいんですからね。
明日時間を作って上げるから此処に来なさい。少し見て上げるから。
明日の朝8時に此処に来なさい、分かった?」
「ええっ! そ、そんな一方的なって・・・もう行っちゃったし」
「ぷっ! あはは、メチャクチャ強引だったわね」
「ククッ! どっちかと言えば、僕達が三日月君のストーカーなんだけどね」
「ん~ 親切なおせっかいなんだろうけど、ヨウ様に失礼すぎですね」
「ヨウ様、私から誤解を解いてお断り致しましょうか?」
「ん~ 一応好意で言ってくれてるから、明日ちゃんと説明しようと思います」
「私達も行って良いのかな?」
「もちろんですよ! アヤメさん達が来てくれないと、僕がストーカー扱いされますから」
「あはは、そーいう事ね♪」
ダンジョン探索を終えた僕達は、部屋に帰る事にした。
今日の夕食は中級ダンジョンで新たに入手した、マナバイソンの肉やアルマイトの肉でバーベキューにすることにした。
バーベキュー用の串に野菜や肉を刺していく、野菜は一度素揚げしておくと網で焼いても美味しく焼けるんだよね。
料理の下ごしらえが終わる頃、先にメイドさん達の手術痕を治療しちゃうことにした。
「リラさん、どうせバーベキューはベランダのプールでやるんだし、メイドさんの治療ついでに一緒に食べようか?」
「畏まりました。ですがバーベキューの段取りは私達がやりますので、ヨウ様は座ってお待ちください」
「やっぱり、僕がやったら拙いですか?」
「そこはヨウ君、メイドさんの矜持ってやつじゃない?」
「フフ、アヤメの言う通りですね、では呼んで参ります」
「分かりました、大人しく座って待ってますねー」
リラさんは直ぐにメイドさん達を呼びに行ってくれ、驚く程早くメイドさん達を連れて来てくれた。
まるで、既に待機してたのかと思う程に。
集まってくれたメイドさん達は既に水着を着ているのか全員パーカーを羽織ってベランダにあるプールに集まってくれた。
何故かメイドさん達は驚いた表情をしていると思ったら、バーベキューするからハワイの風景にしていたんだった。
そりゃ、バルコニーに来て、ハワイのビーチだったら驚いても当たり前か♪
「ヨウ様、呼んで参りました」
「ありがとう、リラさん」
僕は椅子から立ち上がり綺麗に整列している、メイドさん達の前に立つ。
「ヨウ様、私達に貴重なリジェネポーションを振る舞って頂き、ありがとうございました」
「ありがとうございました」×メイド全員
「お陰様で以前の姿に戻ることが出来ました」
「気にしなくても良いよ、此処で働いて貰うサービスみたいなものだから。
この後の話はリラさんから聞いてるとは思うけど、もうちょっとサービスしときたいと思います。
手術痕を見せるのは抵抗があるかもしれないけど、綺麗に治したいから我慢して貰えると助かります」
「仰る通り全てリラ様から聞いておりますので、どうか宜しくお願いします」
「宜しくお願いします」×メイド全員
メイドさん達は全員着ていたパーカーを脱いで、白いビキニ姿になってくれた。
全員四肢や体に手術痕があったが、そんなの気に成らないぐらい見事なスタイルをしている。
「ありがとう。じゃ、メイド長の高真紀さんから、こっちへ来て下さい」
「はい、宜しくお願いします」
「うん、どこに手術痕があったのか、分からないぐらいに治しちゃうね」
僕は9つも重ね掛けした<回復魔法>をフルに発揮し、徹底的に細かい傷まで治療した。
<回復魔法>の淡い光が消え去る頃、高真紀さんの体からは全ての傷が消えていた。
「こ、こんな事って・・・説明は受けておりましたが、本当に跡形も無く治ってます」
「外見だけじゃなくて、手術の癒着とかも治しといたからね、もう完全な健康体だよ」
「ありがとうございます。ヨウ様、感謝致します」
「いえいえ、じゃ、サクサク治しちゃおっか」
僕は次々とメイドさん達の手術痕を治していくと、歓喜の余り泣き出すメイドさんもいた。
ここまで喜んでくれると僕も治し甲斐があるので、やって良かったなと嬉しくなった。
20人も居たので15分ほど掛かっちゃったけど、我ながら早く治せたと思う。
「よし、これで全員治したかな」
「はい、お疲れ様でした。ヨウ様」
「うん、大丈夫だよ。じゃ、次は強制で悪いんだけど、1人最低1本以上バーベキューを食べて下さいね。
リラさん、ケルピーの肉から配って貰って良いですか」
「フフ、なるほど、畏まりました」
「それでは皆さん。好き嫌いがあるかもしれませんが、必ず1本以上食べて下さい」
「リラ様、お食事まで頂いても宜しいのですか?」
「はい、ヨウ様が言われた通り強制ですよ、1本で足りない方は好きなだけ食べて下さいね」
「はい、頂きます」×メイド全員
メイドさん達は僕が強制と言い過ぎたせいか、恐る恐る口へ運んでいたが、気に入ってくれたのか全員がパクパクと口へ運んでくれた。
「美味しいです、初めて食べるお肉ですが、とても美味しいです」
「フフ、これはケルピーと言う魔物のお肉です、まだ市場には出ておりませんが覚えておいて下さいね」
「やはりダンジョン産でしたか、しかも、未発表と言う事はとても高価なのではないでしょうか?」
「そうですね、市場に出せば非常に高価になると思います」
「そ、そんな物を、何故私達にまで?」
「フフ、後で分かりますよ、此処で働いて貰うなら必要な物ですから。
それよりも、こちらのお肉もどうぞ、アルマイトのお肉です。これは市場にも出てますよ」
「アルマイト? 最高級と言われているアルマイトですか?」
「んふふ、初めてかな? とっても美味しいのよ」
「もちろん初めてです。一般人ではとても買う事なんて出来ませんから」
「あはは、遠慮しなくても良いですよ、僕達で獲ってきたから無料なんです」
「・・・とても強い魔物だと聞いております、流石はSランク冒険者ですね」
「フフ、これからダンジョン産の物を色々食べて貰うとは思いますが、味を覚えるのも仕事の内だと思ってください」
「か、畏まりました」
メイド長である高真紀さんは、メイドさん達に指示を出し、アルマイトのバーベキューを皆で食べている。
感嘆の声が上がり、皆笑顔になっているので見ていても嬉しい。
メイドさん達や僕達も食事が終わる頃、リラさんがメイドさん達を連れて部屋に戻るようだ。
僕は簡単に挨拶を済ませ、明日から宜しくと伝えておいた。
◇ ◇ ◇
<リラ視点>
ヨウ様の許可をいただきメイド達を連れて待機室へ戻ると、今後の説明をしないといけませんね。
フフ、ケルピーの美容効果に驚く事を思えば、少し楽しいですね♪
「全員揃いましたね、では今後の説明を致しますのでソファーへお座り下さい」
「はい」×メイド全員
「どうですか皆さん、リハビリの方は順調でしょうか?」
「はい、私を含め全員がまるで違和感なく動くことが出来て喜んでおります」
「それは良かったです、ヨウ様が言われた通り、そのうちに怪我をしていた箇所も忘れてしまうと思います」
「正直まだ信じられないのですが、Sランク冒険者とは此処まで凄いものなのでしょうか」
「フフ、ヨウ様は特別です。では、少し説明を致しますね」
「はい」
「明日から働いていただく訳ですが、私の想像以上に皆さんが優秀な事に喜んでいます。
ですので、年収800万円の契約でしたが、1000万円に引き上げたいと思います。
高真紀さんには、メイド長として特別手当も用意致します。
昇給は基本的に1年に1度100万円を上乗せしていきます。
10年働いていただければ年収が倍になる計算ですね」
「まだ働いてもいないのに、宜しいのですか?」
「はい、昨日から皆さんの事を見ておりました。驚く事も多かったと思いますが冷静な対応見事でした。
ヨウ様は非常に若く見えますので、どこか軽く見る方が多いのですが、皆さんにそう言う態度は見られませんでした。
言動はもちろん、僅かな表情でも感情は読み取れるものですが、やはり苦労をしてきた人間は違いますね」
「リラ様には、そこまで分かるのでしょうか?」
「もちろんです、ちなみに先程の昇給の話では17人が喜んで下さいました。残り3人は、あまりお金に執着していないのかもしれませんね」
「・・・・・・」×メイド全員
「フフ、失礼しました。ですが人は何も喋らなくても何かしらの返答をしていると御理解下さい。
皆さん。今日はお風呂で体を磨き上げておいて下さいね、後ほど驚く事になるかもしれませんが、食事の効果だと思ってください。
何故、強制だったのか理解出来ると思います。
お風呂上りには、ヨウ様が良く食べられるフルーツとお酒を用意しておきました。
味を覚えておいて下さいね。
ヨウ様に出される食べ物は、必ず先に食べて下さい。毒見ではありませんよ味のチェックです。
では、明日の朝から宜しくお願いしますね」
「はい」×メイド全員
私は説明が終わったので部屋に戻ることにした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
<カンナ視点>
「・・・唯でさえ高給だったのに、弁護士並みの給料になったわね」
「そこはメイド長のお陰ね、色々教えておいて貰ったから」
「でも、確かに昨日から驚きっぱなしね、どうしてバルコニーにハワイがあるのかしら?」
「ウフフ、本当に手術痕も消えちゃうし、魔法って凄いんだね」
「しかし、リラ様は怖い人ですね~ 全て見透かされそう」
「そうですね、私も改めてリラ様の凄さに驚きました。私達は最初からずっと試されていたのですね」
「では、皆さん、お風呂へ行きましょうか。お風呂上りにフルーツを食べながら、お酒の試飲は如何です?」
「それって仕事の内ですよね?」
「ウフフ、素敵な仕事ですね♪」
「了解です、メイド長♪」×メイド全員
それにしても大きなお風呂ですね・・・これがメイド専用の待機室なんですから驚きです。
個室は何部屋あるのか分からないぐらいですし、屋内プールはメイドに必要なのでしょうか・・・
それにしても、今日は髪の通りが良いですね、サラサラしています。
・・・こ、これがリラ様が言っていた食事の効果なのでしょうか♪
やられました・・・どうやら髪どころの話では無かったようですね。
「ウ、ウソでしょ?」
「な、何なの? 髪は艶々だし、この赤ちゃんみたいな肌はなに?」
「足の爪まで綺麗になってるよ? 今度はどんな魔法なの」
「皆、凄く綺麗になってるよ?」
「貴女も凄く綺麗になってるわよ?」
「・・・リラ様達が、とても美しい訳が分かりましたね」
「おそらく、これがリラ様が言っていた驚く事なのでしょう、私達メイドに一体どれだけのお金を掛けるのか・・・」
「あはは、参ったわ、完全にお手上げね♪ これってたぶん強制って言ってたケルピーの肉の効果なんでしょうね」
「市場に出てないって言ってたけど、これなら高価どころじゃないでしょ?」
「ウフフ、もう既にお金では買えない施しを受けてますし、今更ですよ」
見違えるようになった容姿に驚きながらも、フルーツを切りワインを用意して皆でソファーに座り、頂く事にしました。
「この部屋着も高そうだけど、この見事な夜景にフカフカのソファー」
「美味しそうなフルーツに高級ワインって・・・ウットリするってこう言う事なのかしら♪」
「私達って家政婦なんだよね?」
「ウフフ、高級娼婦って言われても信じるわ」
「高級娼婦でも、こんなセレブな気分は味わえないわよ?」
「あはは、もうそれでも良いけど、相手にされないかもな~」
「ウフフ、そうですね。幾ら綺麗にして貰っても、リラ様達は桁外れの美しさですから」
「では、乾杯といきましょうか」
「良いですね、では」
「ヨウ様に乾杯♪」
「ヨウ様に乾杯♪」×メイド全員




