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第12話 王様気分になっちゃった


「そう言えば、聞いておきたい事があったんですけど」


「んっ? どんな事かな?」


「僕いつもサバイバルナイフをメインに使ってるんですけど、そろそろ研ぎに出した方が良いのかなと」


「ん~、良かったら私が見てみようか?」


「ありがとうございます。持ってきますね」



 僕は<虚空界>に入れてるサバイバルナイフを、部屋から取って来るふりをして取り出しアヤメさんに渡した。



「へええ~、良いナイフね。最初から持ってたみたいだけど高かったでしょ?」


「そうだと思います。家族からの餞別で貰った物なんで」


「なるほど、それなら大事に使わないとね。でも、刃こぼれも無いみたいだし、まだ大丈夫だと思うわよ」


「それなら良かったです」


「後は最低限のポーション類は持ってるんですけど、そろそろ上級ポーションも揃えておこうかと思うんです。どこか良い店知りませんか?」


「ん~、それならギルドの近くにある人気の道具屋さんが良いと思うわ、リラさんはどう思う?」


「はい、私もあそこなら問題無いかと思われます」


「色々と買い揃えるなら、スマホも冒険者用の物に買い代える事をお勧め致します」


「えっ? そうなんですか?」


「あ~、そうね。リラさんの言う通りだわ。


ダンジョンの中から外へ電話やメールは出来ないけど、最低限のダンジョンマップデータとか魔物データが見れるようになるの。


その分高いんだけど、今のヨウ君なら問題無く買えるでしょ」


「うわ~、そんな良い物があったんですね、買っておきます」


「では、私の方で3人分用意しておきますね」


「えっ? 私とナギサのですか?」


「はい、ヨウ様の専任でしたら必要かと存じます」


「なるほどね。経費で落ちそうだし、お願いしちゃおうかな」


「うわ~、専任の役得ですね~」


「料金の方は御心配なく、私の必要経費から支払っておきますので」


「流石リラさんね頼りになるわ」


「わ~、ありがとうございます」


「ポーション類も私が御用意出来ますが、御自分で見られますか?」


「うん、一度どんなのか見てみたいから自分で行って見ます。ありがとう」


「畏まりました」


「そういえば、もう一つ聞きたい事が。Sランクのギルドカードが目立って使いにくいんだけど、何かランクがバレない良い方法がないでしょうか?」


「ええっ? 嘘でしょ? ヨウ君ってSランクなの?」


「そういえばナギサには、まだ言ってなかったわね。極秘事項なんだから言っちゃ駄目よ」


「分かってるわよ。でもSランクって・・・」


「それでしたら冒険者用スマホにギルドカードを登録出来ますので、スマホから認証して貰えば問題ないかと思われます」


「うわ~、色々便利ですね。助かります」


「そうよね、Sランクなんて日本に一人しか居なかったもんね、そりゃ目立つわ」


「後は専任担当者であるアヤメ様とナギサ様は、此方にある端末を使っていただければ、此処での素材買取りもスムーズ行えるので御利用下さい」


「うわ~、流石に色々揃ってるわね」


「助かります。ひょっとして、私明日からギルドへ行かなくても、お給料貰えたりします?」


「そうね、ヨウ君から連絡があったら直ぐに此処へ来て買取りしてたら問題無いと思うわ」


「・・・やっぱり専任の待遇って凄いね~」


「まあ、それだけヨウ君が凄いって事よ」


「いえいえ、そんな、とんでもない」


「防具の方は、まだレンタルを使ってるみたいだけど買わないの?」


「はい、少し考えたんですけど、まだ僕には分不相応かなと思いまして」


「お金持ちになったのにヨウ君って偉いのね~。でも、中級ダンジョンに行くならお勧め出来ないわ」


「そうよ、ちゃんと防御力を上げておかないと危ないからね」


「分かりました。中級に行く時は買う様にします」


「リラさんからは他に何かありますか?」


「はい、まだ部屋の説明が終わってないのですが、説明がてら皆さんで御使用になられますか?」


「えっ? 使用とはどういう意味ですか?」


「はい、バルコニーにはプールとジャグジーが御座いますので、御利用されてはどうかと」


「「「えええ~~~~~」」」


「じょ、冗談みたいな話ですが、本当なんですよね?」


「あはは、でも流石に水着もないし・・・」


「水着でしたら皆さんの分も御用意してあります」


「「「えっ? 一体何時の間に・・・」」」


「此処に来られたときに失礼ですが、目測で測らせて頂きましたので御用意しておきました」


「・・・リラさんが最高って言われてるの分かる様な気がします」


「コンシェルジュさんって凄いんだ・・・」


「何言ってるのよ、リラさんが凄いのよ」


「フフ、ありがとうございます。では此方へどうぞ」


「「えっ? ほんとに?」」


「良いのヨウ君?」


「はい、僕は待ってますので」


「何言ってるのよ水着なんだから当然ヨウ君もよ。リラさんがヨウ君の分を用意してない訳ないでしょ?」


「はい、勿論御用意してあります」


「ふえっ? 皆さんが良いなら・・・」


「もちろんリラさんもね」


「ヨウ様が宜しければ、ご一緒致しますが?」


「もちろん良いです。では、皆で行きましょうか」



 何か凄い話の流れになっちゃったけど、マンションのプールってどうなってるんだろう?


 少し楽しみでもあるから言われた通り、水着に着替えて見に行って見よう。


 僕は別室から水着に着替えた。


 少し小さ目だったけど問題ない。


 リラさんに教えて貰った通りバルコニーに向かった。


 ・・・・・嘘でしょ?


 バルコニーへ出ると直径30メートルはあるような円形状のプールに、夜景を見ながら入れるような大きなジャグジーが設置されていた。


 デザインも素晴らしく、テーブルや椅子が美しく設置されており別世界に来たようだった。


 なんて広さだ・・・とてもマンションとは思えないよ。


 僕はしばらく茫然としていると、僕が入って来た所と違う場所から女性陣が入って来て僕と同じように驚いている。


 女性陣を見ると全員ビキニの水着だったので、プール以上に驚いてしまった。


 あわわわわ! す、凄いな・・・服の上からでも分かってたけど、皆見事なプロポーションだ!


 みんな見事な双丘をしているから目のやり場に困る~


「もうヨウ君、あんまりジロジロ見ないの」


「は、はい。すみません」


「フフフ、良いじゃないアヤメ。もう結構暗いからハッキリ見えないわよ」


「そうだけど、ビキニの水着なんだからね? その、あの、ゴニョゴニョでしょ?」


「フフ、お二人ともスタイルが良いので、自信を持って良いと思いますが」


「「う~ん、リラさんに言われても・・・」」


「はい? どうされました」


「リラさんの方がスタイル抜群じゃない」


「フフ、そんな事ないですよ。さあ、夜ですからジャグジーは如何ですか?」


「そうね、せっかくだから皆で行きましょうか、ヨウ君もこっちこっち」


「はい」



 僕は目のやり場に困りながらもジャグジーに入ると、今度は夜景に目を奪われた。


 本当に色々と別世界みたいだな。


 何気に女性陣を見てみると、何故か驚きながら僕を見ているのに気付いた。



「どうしたんですか?」


「えっ? いや、ヨウ君もやっぱり冒険者なんだなって思っちゃって」


「ヨウ君って小さいのに凄い体してるのね」


「私も驚きました・・・水着が少し小さ目ですね、私が目測を誤るなんて・・・申し訳ありませんでした。まるで鋼のような素晴らしい筋肉です、二回り程大きく見えますね」



 そっか、コツコツとSPオーブでステータス上げてたから、筋肉が付いたなと思ってたけど、皆が驚くような体になってきてたんだ。



「そうですか? ありがとうございます。あはは、何かちょっと褒められると照れますね」


「何かちょっとヨウ君を誤解してたわ、決して運だけの結果じゃなかったのね、ごめんなさいね」


「えっ? いやいや、僕なんて殆ど運だけなんで」


「謙遜する事ないのに、素敵よヨウ君♪」


「はい、自慢しても良いかと思います。ヨウ様の認識を大幅に修正致しました、実際かなりの実力をお持ちなのでは?」


「あはは、とんでも無いですよ」


「ねーねー? ちょっと触っても良いかな?」


「えっ? はい」


「つんつん! 思ったより柔らかい筋肉ね」


「何言ってるのよナギサ、ヨウ君ちょっと力を入れて見て」


「はい、こうですか?」


「うわ~、すっごく硬くなっちゃった。全然凹まないぐらいよ」


「どれどれ、うわ~、ほんと凄いわね」


「ちょっと擽ったいですー。それに・・・その、あの」


「フフ、それぐらいで。ヨウ様が照れてますよ」


「ありゃ? ヨウ君もこうやって腕に抱き着かれたら意識するのかな?」


「わわわ! ナギサさん。む、胸が当たってます」


「うふふ、当ててるのよ♪」


「こらっ、ナギサそれぐらいにしなさい、ヨウ君だって男の子なのよ」


「はいはい♪ でも、まんざらでも無かったでしょ?」


「えっ? はい勿論です♪」


「うふふ、こ~んな美人なお姉さんに、しかも3人に囲まれちゃってるんだもんね~」


「はい、夢のようです♪」


「も~、ヨウ君も、真面目に答えなくて良いの。さて、そろそろ上がりましょ」


「はいはい」



 ジャグジーから上がると専用のシャワー設備があり、そこでは霧のようなシャワーから色々な角度でシャワーが出るような機能がついていた。


 シャンプーからリンス、ボディーソープまで選択するだけで自由に使えるようになっている。


 本当に色々と便利すぎるな~。色々な所から温風が出て軽く拭くだけで、もう髪も体も乾いちゃった。


 どれだけお金が掛かってるんだろ、恐ろしいマンション貰っちゃったな・・・


 シャワー室から出ると部屋着がおいてあったので、とりあえずそれを着てソファーに座っているとアヤメさん達も出て来たようだ。


 アヤメさん達も女性用の部屋着を身に着けており、とても似合っている。



「お待たせ、ヨウ君」


「しっかし、凄いシャワー室だったわね・・・」


「ホントよね、自宅のシャワーが物足りなくなりそうだわ・・・」


「フフ、この部屋の物は最先端の技術で作られていますから」


「僕もビックリしました、凄いですよね~」


「その部屋着も、とても良く似合ってますよ」


「そう? ありがと。これサイズもピッタリなのよ、リラさんが恐ろしいわ」


「何から何まで凄い人よね、本人はキッチリスーツを着ているけど」


「フフ、私はコンシェルジュですので着替えも用意しております。皆様の着ていた服も既にクリーニングが終わっておりますよ」


「「「・・・・・・・・・・」」」


「ねえ?」


「・・・言わなくても分かるわ」


「もう既に、僕にはリラさんが超人に思えてきました・・・」


「フフ、さあ飲み物を御用意致しますので、どうぞソファーにお掛け下さい」


「ありがとうございます」


「・・・リラさんみたいなお嫁さんが欲しいな~」


「何言ってるのよ、貴方も一応女性でしょ?」


「一応じゃないです~、ちゃんと大人の女性です~」


「でも、リラさんが最高のコンシェルジュって呼ばれてるのも分かるわ、全く持って恐れ入ります」



 リラさんは皆にワインを持ってきてくれたので、乾杯することにした。



「「「「乾杯~♪」」」」


「しかし、凄いとは聞いてたけど想像以上に凄い部屋よね?」


「んふふ セレブな気分になる~♪」


「こんな部屋って本当にあったんですね~」


「なに他人事みたいに言ってるのよ、ヨウ君の部屋なんだよ?」


「あはは、そうなんですけど実感が湧かなくて」


「ヨウ君って可愛い顔してるよね~♪ アヤメが気に入る訳だわ♪」


「もう、ヨウ君の前で何言ってるのよ」


「にひひ、アヤメってピシッとして大人の女って感じなのに、年下好きなんだよ?」


「ナ、ナギサ~」


「そうなんですか?」


「うっ・・・ど、どっちかって言うと、年下の方が良いだけよ?」


「今まで年上の素敵な男性から声を掛けられても皆断っちゃうんだから、ヨウ君頑張ってね♪」


「は、はい♪」


「も、もう、ヨウ君まで何返事してるのよー」


「「「あはははは♪」」」



 そして今日は王様気分のまま過ごし、アヤメさんとナギサさんは車で家まで送って貰ったので、僕も初めて新居で寝る事にした。



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