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第127話 <亜空界>のお披露目ですね

評価やブックマークを付けて下さった方、ありがとうございます。

誤字報告も、ありがとうございました。


「「「「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」」」」


「じゃーん! 初公開! <亜空界>に創造した露天風呂です!!!」


「どうです? 中々良いでしょ♪」


「・・・あれっ? 久しぶりに驚いちゃいました?」


「じゃ~ん、って・・・そ、そりゃ驚かない訳ないでしょ~」


「うわ~ これどうなってるの?」


「フフ、なるほど。これは、私も思い付きませんでした」


「凄いです・・・なんて、雄大な景色♪」


「凄いね<亜空庫>って、こんな使い道があったんだね」



 そう、僕は<虚空界>と違って生物も入れる<亜空界>に、露天風呂を創造してみた。


 <亜空界>は疑似空間なので僕の想像通りの世界を作ることが出来る事を知り、イメージを固めて何回か練習して、お披露目する機会を待っていた。


 今回のイメージとしては高い山の絶壁に、凄く大きな横穴を創造して、その中に露天風呂を創って見た。


 その大きな横穴から見える景色は山や森、湖まで見える絶景にした。



「な、ななな、なんだ此処は?」


「まあまあまあ、素敵な所ね♪」


「お、お母さん、そんな問題じゃないよぉ~」


「じゃ、僕は後で父さんと入るから、先に入ってて出口のゲート作っとくね」


「え、ええ」


「行くよ、父さん」


「あ、ああ」



 僕は父さんを連れてゲートを潜り、実家の応接間に戻ることにした。



 <アヤメ視点>


「・・・ヨウ君って、凄いことが出来る様になっちゃったのね」


「んふふ、ヨウ君には私達も、何時も驚かされっぱなしなんですよ?」


「お兄ちゃん、もう凄すぎるよぉ~ ヒカリ驚き過ぎて固まっちゃったよぉ~」


「ククッ! 相変わらず凄いよね♪ さっ、ヒカリ君入ろうか?」


「はーい♪」


「んふふ、ちゃんと洋服を置く場所まであるわ。ヨウ君ったら凝り性なんだから」


「うわ~ お姉さん達スタイル抜群だよぉ~ 皆胸も大きいしウエスト細~い」


「ありがと♪ ヒカリちゃんもスタイル良いじゃない?」


「えへへ、そっかな? でも、ヒカリも胸がもっと大きくなるのかな~」


「ウフフ、ヒカリはお母さん似だから、きっと大きくなりますよ?」


「それにしても、お義母さんって、驚く程若いですよね?」


「ナギサちゃんみたいな若い子に言われても、お世辞にしか聞こえませんよ?」


「いや、本当に若いですよ~ 美魔女ってレベルじゃないような・・・」


「ピークベリーなんて食べて無いよね? ヨウ君の童顔って筋金入りの遺伝だったのね」


「ウフフ、きっとさっき頂いた『ビューティーポーション』のせいじゃないかしら? お肌がツヤツヤになって嬉しいわ♪」


「それにしても、若くて綺麗ですよ、お義母様」


「ウフフ、皆さんお口が御上手なんだから♪ それよりも、お風呂を楽しみましょ、とっても綺麗な景色ですよ」


「確かに、凄く雄大な景色ですね、ヨウ様凄いです」


「これって三日月君のイメージなんだよね? こんな才能もあったなんて僕驚いちゃったよ」


「ホント、ヨウ君には何時も驚かされるわ」


「お兄ちゃんが褒められると、何か嬉しいかも♪」


「ダンジョンで魔物と戦ってるヨウ君は、とっても恰好良いんだよ?」


「そうね、普段あんなに可愛いのに凛々しくなっちゃうのよね」


「ヨウ様に欠点があるのか、分からないぐらいです」


「うわぁ~ リラ姉ベタ褒めだね~ 私も分からないけど」


「僕も分かんないや、惚れちゃったら全部好きになるのかな?」


「ウフフ、ヨウ君ったら、とっても好かれてるのね、母さん嬉しいわ♪」


「うわ~ お兄ちゃんモテモテだよぉ~♪」


「ところで、お義母様、一つお聞きしても宜しいでしょうか?」


「あら? 私の事も御存知なのかしら」


「はい、もちろんです。約20年前、三日月翳里と言えば『仙人』と呼ばれ、世界を震撼させた格闘家ですから」


「「「「ええっ!」」」」


「ウソでしょ?」


「ウフフ、少し誇張されすぎですよ?」


「いえ、それは無いと思います、一度も触れられる事すら許さず無敵を誇った格闘家だと記憶しておりますので」


「触れられたことも無く? す、凄い格闘家だったんじゃないですか」


「ウフフ、三日月の女に一番必要な事は強さですから♪ つまり貴女達もヨウ君を良人にするなら強くなって貰いますよ?」


「私達はヨウ君に鍛えられてますから、結構強いんですよ?」


「ウフフ、強さに自信が御有りなのね。なら、少しだけ試して見ましょうか?」


「えっ?」×アヤメ達


「アヤメさん」


「はい」


「私に触れる事が出来ますか?」


「・・・腰までお風呂に入ってるから素早く動けないのに、触れるだけで良いんですか?」


「はい、もちろん良いですよ♪」



 お義母さんはニコニコと笑いながら手を前に組み普通に立っている。


 ん~ 幾ら何でも普通に手を出しただけで、触れる事が出来ると思うんだけど・・・


 でも、まあ肩にでも触らせて貰おっかな、今の私のスピードなら視認する事は難しい筈だから、ちょっと驚かせちゃお♪



「では、行きますよ?」


「はい、何時でもどうぞ♪」


「えい!」



 ざっぱぁ~ん!



「ぷはっ! えっ、ええっ?」


「アヤメ姉さん、声なんて掛けちゃ駄目だよぉ~ 対峙したお母さんは鬼なんだよぉ~」


「「「「「・・・・・・・・」」」」」


「ね、ねえ、今何が起こったの?」


「わ、分かんないわよ? アヤメ自分で引っ繰り返ったんじゃないの?」


「そんな事する訳ないでしょ? 気付いたらお湯の中だったんだもの」


「えっとね~ アヤメさんの右手を取られて、お母さんに投げられたんだよ?」


「ヒ、ヒカリちゃん。私の手が見えたの?」


「うん、とっても速かったから、ヒカリ吃驚しちゃったよぉ~」


「ヒ、ヒカリちゃんも?」


「ウフフ、ヒカリも三日月の女なんですよ?」


「うはぁ~ 三日月家の女性って・・・」


「ヨウ君は男の子なのに久しぶりに会ったら、母さんでも簡単に勝てないぐらい強くなっちゃってるんだもの、驚いちゃったわ♪」


「お、お義母様は、ヨウ様にも勝てるのですか?」


「ウフフ、確かにリラさん達より数倍は強いわね。でも、三日月の女を舐めちゃ駄目よ? 今ならヒカリと同じぐらいかしら?」


「「「「「ええ~~~!」」」」」


「ヤバいよぉ~ ヒカリも頑張らなきゃ、お兄ちゃんに負けちゃいそうだよぉ~」


「ヒカリ? 男の子に負けるなんて母さん許しませんよ?」


「ええ~ でもお兄ちゃん、メチャクチャ強くなってたよぉ~ それはないよぉ~」


「アヤメさん達も同じですよ? 三日月の女になるならヨウ君より強くなって貰いますからね」


「「「「「イイッ!!!!!」」」」」


「ウフフ、そんなに悲壮な顔しなくても、直ぐにとは言いませんよ? さあ、次はリラさん、いらっしゃいな♪」


「は、はい」



 それから、私達は成す術もなく何度も温泉に叩き込まれた。


 もちろん、ステータスは全開! <敏捷強化><腕力強化>や<気配遮断><隠蔽>まで使っても、結果は変わらなかった。



「何故? どうして? 私達の方が力もスピードも上なのに・・・」


「ウフフ、強さとは決して力やスピードで決まるものでは無いのです。私は『間合い』と『タイミング』を大事にしています。


後は皆さん、それだけ気配を消せるのですから、もっと気配を感じる事に力を入れると良いですよ。


気配をもっと細かく、身体だけではなく四肢から指1本に至るまで感じるんです。


どれだけ力が強かろうと、どれだけスピードが速かろうと、動かなければなりません。


ならば、その動きを捉えるのですよ」


「・・・世の中は広いよね、超越者と成った私達を人の身で上回るんだから」


「フフ、流石は『仙人』ですね。いえ、流石ヨウ様の母親と言うべきでしょうか」


「そうだよね~ まさかヨウ様以外で、これだけ驚かされるとは思わなかったよ」


「・・・完敗ね。でも、お義母さん。ヨウ君は、きっとお義母さんより強くなりますよ?」


「んふふ、そして私達もでしょ?」


「まーまーまー♪ ウフフ、それは楽しみですわ♪」


「ヒカリも冒険者に成ろっかなぁ~」


「「「「「えっ?」」」」」


「だって、面白そうなんだもん♪」


「・・・ある意味、ヒカリちゃんが最強に成るかもね?」


「でも、ダンジョンでは、ヨウ君が最強よ」


「「「「「それだけは間違いないわ♪」」」」」


「ウフフ、大した信頼ね♪ さあ、そろそろ上がりましょうか期待してますよ?」


「「「「「はい」」」」」


◇    ◇    ◇    ◇    ◇


 僕が用意した温泉を皆気に入ってくれたのか、温泉から戻って来た皆は少し上せているようだった。


 そして今、入れ替わりで父さんと温泉に浸かっている。



「んはー、生き返るなヨウ」


「あはは、うん、気持ち良いね~」


「しかし、お前のその身体つきと良い、この空間を創ったスキルと良い、ダンジョンってのは、とんでもなさそうだな?」


「そうなんだよね、なんか予想外なんだけど僕には冒険者があってるみたいでさ、大阪に行ってから濃い時間を過ごしてるんだ」


「やはり、人間やりたい事をやるのが一番ってのが分かったよ。楽しそうで何よりだ」


「しかし、5人共別嬪さんだな?」


「あはは、母さんにも負けてないでしょ?」


「バカ言え、母さんは世界一だよ。だがまあ、良い娘さん達じゃないか」


「うん、ありがとね父さん。色々と認めてくれてさ」


「もうお前も大人なんだ、親の意見なんか関係ないだろ?」


「ん~ やっぱり、両親にも認めて欲しいからさ、でも固定観念って言うのかな? だって5人だよ? 当然反対されると思ってたから、ちょっと拍子抜けしちゃったよ」


「皆、納得済みなら何の問題もないさ」


「まあ、天満リラさんには驚いたけどな」


「えっ? リラさん知ってたの?」


「そりゃ知ってるさ、有名人なんだぞ?」


「そっか~ やっぱりリラさんって凄い人なんだな~」


「それと、妹の天満ノノさんもな、お前がエリクサー使ったんだろ?」


「なっ・・・」



 僕は家族であったとしても気軽には言えない、秘中の秘を言われた事に酷く驚いた。



「・・・驚いたな。まさか、父さんにバレるなんて思わなかったよ」


「彼女は両目とも眼球が潰れていた筈だからな、エリクサーでも使わない限り治らないんだ、それぐらい想像がつくさ」


「参ったな・・・父さん。僕がエリクサーを持っていた事は不思議に思わないの?」


「それを言うなら、お前や彼女達のステータスも常人離れしてるだろ? 未確認のスキルも多数あるようだし、そもそも取得数がおかしいじゃないか?


大阪で空を飛び回ってたのもお前と彼女達だろ? 身長や体型がそっくりだもんな、後はロシア人の冒険者もいたか」


「たはっ! 父さんって何者なの?」


「あはは、親に隠し事なんて出来ないって事さ♪」



 僕は昔から知っている父さんが、こんなに凄い人だったなんて露ほども分からなかった事に驚愕し、改めて親の凄さを思い知った。



「まさか、母さんにもバレてる、何て事無いよね?」


「おいおい、父さんにも分かる事が母さんにバレない訳ないだろ? ヒカリも知ってると思うぞ」


「うはっ! 参ったな・・・脱帽するよ」



 お風呂から上がり、お土産として持ってきたお酒を、皆で飲む事にした。



「ヨウ君もお風呂ゆっくりだったけど、久しぶりの親子会話を堪能出来たかしら?」


「はい、でも参りました。エリクサーの事や<高速飛翔>の事がバレてました」


「「「「「ええっ!」」」」」


「ひょっとして、言っちゃったのヨウ君?」


「いえ、完全にバレてました。ノノさんの眼の事も知ってたみたいで<高速飛翔>は、テレビで分かったみたいです」


「フフ、流石『博士』ですね♪」


「ん? リラさん博士って何のことです?」


「ヨウ様は御存知ないかもしれませんが、お義父様は約20年前は『博士』と呼ばれた天才科学者でした。お義母様も『仙人』と呼ばれた天才格闘家だったんですよ?」


「えええええええええええっ!!!!!!!!!!」


「そ、そんな事、僕に言った事ないじゃないか?」


「まあ、言ってないからな」


「どうして、言ってくれなかったのさ?」


「あはは、父さんは昔天才だったんだぞって言うのか? 恥ずかしいじゃないか」


「ちなみに、お義母様と軽いゲームをしたんですが、私達が本気になっても触れる事すら出来ませんでした」


「い、今のアヤメさん達が、触れる事すら出来なかったって・・・嘘でしょ?」


「えへへ♪ ヒカリとお兄ちゃんって、今、実力が一緒ぐらいらしいよぉ~」


「はい? 今お兄ちゃんどれだけ強く・・・それ、母さんが言ったのか?」


「うん、一緒ぐらいだってさ、ヤバいよぉ~ お兄ちゃんに追い付かれちゃった」


「ウフフ、ヨウ君ったら男の子なのに、とっても頑張ったのね、母さん驚いちゃったわ♪」


「・・・きっと、僕の方が何百倍も驚いてるよ? 母さん」


「僕の前では、そんな素振り全然見せなかったよね?」


「ウフフ、強さを求められるのは三日月の女だけですからね、ヨウ君は男の子だから良いんですよ。


三日月家は昔から男児には、何らかの天才が生まれてくるんです。


なので女は、どうしても男児を守る力が必要であり、代々と受け継がれてきたのよ?」


「大阪に行ってから濃い時間を過ごしてきたと思ってたけど、まさか帰省してから人生で一番驚く事になるとは思わなかったよ」


「んふふ、ヨウ君が何時も言ってた強者が、まさか母親だったなんてね♪」


「ん~ ちょっとだけ試しても良いかな、母さん?」


「ウフフ、ええ良いですよ♪」



 僕は<気配遮断><魔力操作><隠蔽>スキルを駆使して、完全に気配を断ち切った。


 この3つのスキルは既に9個を使い重ね掛けしており、アヤメさん達でさえ僕の気配を感じる事は、不可能なまで上げてある。


 この状態で普通に母さんの手に触ろうとしたら、母さんは僕の手を取り握手をしてきた。


 これには僕も全身の毛が逆立つ程驚いた。


 どうやら母さんには、今の僕でも気配を捉えることが出来るようだ。



「ウフフ、見事だったわよヨウ君? やっぱりヒカリが勝つには難しいみたいね」


「ええ~ ヒカリにも何となく見えたよぉ~」


「だから、一緒ぐらいだって言ったでしょ?」


「お兄ちゃん、強く成り過ぎだよぉ~」


「・・・お兄ちゃんの方が驚いてるよ。しかし、ヒカリも今のが見えたのか凄いな」


「えへへ、ヒカリも頑張ったんだよぉ~♪」


「参ったよ。父さんに引き続き、母さんやヒカリにまで驚かされるなんてね」


「それは、お互い様だろう?」


「あはは、そうだね父さん♪」



 色々と驚かされた1日だったけど、僕の部屋の家具類を<虚空界>に収納してスペースを作り、アヤメさん達とヒカリも入れて計7人で雑魚寝する事になった。


 ヒカリが、まるで修学旅行の様に喜んでいる。



「こらこら、ヒカリ騒ぎすぎだぞ?」


「ええ~ だって楽しいんだもん♪」


「ねーねー、ナギサさん?」


「何かな、ヒカリちゃん?」


「もう、お兄ちゃんって、お姉さん達に手を出したの?」


「ブッ!? こ、こらヒカリ!」


「・・・ニャハハ♪ 流石にそれはノーコメントかな~」


「「「「・・・・・」」」」


「ふ~ん、そっか~ お姉さん達が照れちゃってるぅ~ お兄ちゃん、オメデト♪」


「バ、バカ。早く寝ろ」


「えへへ、おやすみ、お兄ちゃん♪」



 ヒカリがとんでもない質問をしたせいで、皆照れてしまい、そのまま眠りに着くことになった。


 悪気は無いんだけど、ヒカリには困ったものである。



「ねえ、パパ?」


「嬉しそうだな、どうした?」


「ウフフ、私さっきヨウ君の気配を見失っちゃった♪ こんな事って初めてよ」


「ウソだろ? だって握手してたじゃないか」


「本当にギリギリだったわ、超スピードで動かれたら触られちゃったかも? ウフフ、ヨウ君男の子なのに、私を簡単に超えちゃうかもね♪」


「・・・彼奴は普通だと思っていたが、何か不思議な力があるようだし、やっぱり三日月の男なんだな」


「あら? 私はきっと凄い男の子になると思ってたわよ?」


「君より強くなるなら、凄すぎだろう?」


「ウフフ、そうね、ヨウ君は強さだけじゃない何かがありそうだし、次に会う時が楽しみだわ♪」



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