第126話 両親に理解がありすぎて困っちゃいますね
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「父さん、母さん。今すぐじゃないけど、僕は将来ここにいる5人の女性と結婚したいと思います。
もちろん、日本で5人と結婚出来ないのは知ってるんだけど、僕は生涯5人と暮らしたいんです」
しばらくの間、その場に沈黙が続いてしまったが、アヤメさん達には僕の意思が伝わったのか感涙してくれているようだった。
もちろん5人だけじゃないんだけど、とりあえず両親の報告はアヤメさん達だけにした。
「そうか、おめでとう。ヨウが選んだ女性達だ、もちろん私達も歓迎するよ、なあ母さん」
「ええ、もちろんですよ♪ 娘が5人も増えちゃうのね母さん嬉しいわ」
「あ、あの、反対しないのかな?」
「ん? どうしてだ?」
「いや、だって常識的に考えて普通じゃないだろ?」
「なあヨウ、常識ってなんだ? お前や彼女達が幸せになるのに常識なんてものが必要なのか?」
「・・・そんなこと無いけど」
「良く聞いておけよヨウ、人はな幸せになるためだけに生きているんだ、幸せになるためだったら何したって良いんだぞ?」
「何でもって事はないだろ? 犯罪とかあるし」
「いいや、犯罪を犯しても良いさ。でもな、犯罪を犯して人が幸せになれると思うか?」
「・・・・・・・・」
「人間は上手い事出来ているんだ。犯罪を犯せば罪悪感が心に残るし、他の人が決してそれを許そうとはしない。
父さんが断言しても良い、犯罪を犯して人は幸せに何て絶対に慣れはしない。
だが、父さんは、全ての犯罪が悪いとは思わないけどな」
「そうなの?」
「法律が絶対に正しいってわけじゃないってことさ。
お前は自分や彼女達が幸せになるには、どうしたら良いかだけ考えたら良いんだ。
実際に国が違えば、一夫多妻なんて珍しくないじゃないか?
でも、家族が増えるんなら、頑張って稼がないと養っていけないぞ?」
「ああ、分かったよ父さん。僕冒険者を頑張って皆を養えるぐらい稼ぐから」
「もちろん、父さんと母さんも応援するからな、困った事があれば言ってこいよ」
「ありがとう。父さん」
「お嬢さん達も親御さんが反対するかもしれないが、君達が本当に幸せならきっと分かってくれると思うし、私達も協力しよう」
「「「「「ありがとうございます」」」」」
「父さん、母さん。リラさんとノノさんには両親が居ないんだよ、だから今日から二人の両親になって欲しいんだ」
「当たり前だ。二人だけじゃなく皆も、私の娘になると思っているよ」
「大変だったのねリラさんノノさん、今日から私も母親だと思って下さいね」
「ありがとうございます。まさか、私達に両親が出来るとは思いませんでした。これから宜しくお願いします」
「私も、とても嬉しいです。これから宜しくお願いします」
父さんは二人の頭に手を乗せて優しく撫でていた。
リラさんとノノさんは、少し吃驚していたが幸せそうな顔をしていた。
母さんも、二人を優しく抱き締めてくれた。
「日本では籍を入れる事は出来ないが、いつか結婚式はするんだろ?」
「うん、その時がくればきっとするよ」
「お前は結構のんびりしてるからな、こりゃ長生きしないといけないな」
「あはは、父さんと母さんは長生きしそうだけど?」
「こらこら、見た目で判断するんじゃない」
「あはははは♪」×全員
「それにしてもヨウ君、しばらく見ない内に逞しくなっちゃって♪」
「そうかな? ありがとう。母さん」
「ウフフ、そのお陰でこんな美人の女性を5人も堕とせたのかしら? ヨウ君が連れて来る女性は年上とは思ってたけどね♪」
「お兄ちゃんって、胸の大きな年上の女性が好みだもんね~」
「こらっ! アヤメさん達の前で言うなよな」
「ねーねー? お姉さん達も年下好みだったのかな?」
「ん~ 私はそうでもなかったけど、アヤメは完全に年下好きだったわね」
「ナ、ナギサ~ 御両親の前で言わないでよね」
「フフ、年下好きじゃ無くても、ヨウ様には惹かれたかと思われますよ」
「私は初めて好きになったのが三日月君でしたから、年下好みだったのでしょうか」
「うわ~ 初めて会った時のツドイさんみたいな喋り方ですね?」
「か、揶揄わないで下さい。私の喋り方は特殊なのは理解してますから」
「私は普段のツドイさんの喋り方の方が好きだな~ 僕っ娘可愛いですぅ~♪」
「ウフフ、私達の前でも、普段通りの喋り方で良いですよ。ツドイさん」
「はい、ありがとうございます。お義母さん」
「しかし、ヨウあれだな、羨ま・・・」
「コホンッ・・・何か言いましたか、パパ?」
「い、いや何でもないさ・・・ああ、そうだ。見た所、怪我もしてなさそうで安心したよ。
女性5人とパーティを組んでいるから無理はしてないと思うが、稼ぎの方は大丈夫なのか?
無理して仕送りなんてしなくて良いんだぞ?」
う~ん、本当はメチャクチャ稼いでるんだけど本当の事を言ったら色々とバレちゃうから控えめに言わないと・・・
「無理なんてしてないよ、冒険者になってから結構稼いだから、父さんと母さんに家でも送ろうかと思ってるし」
「「「ええっ?」」」
「おいおい、家とはまた大きく出たじゃないか? 田舎とはいえ家を建てるなら数千万円はするんだぞ?」
「父さん、僕もそれぐらい知ってるよ? この家も古くなってきたし幸い土地も余ってるから、大きな家に建て替えちゃわない?」
「ウフフ、嬉しい事言ってくれるわね♪ 模型とか?」
「あはは、模型なら遠慮なく買って貰おうか」
「なんだ~ 模型なんだ♪ お兄ちゃん、見栄張らなくて良いんだからね?」
「なんで模型って決めつけるんだよ? いや、本当に稼いでるんだよ僕は? ヒカリは知ってるだろ?」
「あっ? ひょっとしてアヤメさん達って、お金持ちだったとか?」
「僕はヒモか?」
アヤメさん達は僕の言う事を全く信じてくれない家族が可笑しいのか、体をプルプルしながら笑うのを我慢している様だ。
「あはは♪ お腹痛い・・・お義父さんヨウ君が言ってる事は本当なんですよ?」
「も、模型って・・・ヒーヒー、お義母さん本物の家ですよ?」
「ぷっくくっ! 相変わらず、僕の腹筋を鍛えてくれるね、ヒカリちゃん♪」
「・・・リラさんノノさん、笑いを堪えすぎて体が震えてますよ? こっち見て下さい」
「笑ってなんて・・・ぷぷっ♪ 無いですよ、ヨウ様」
「し、試練だなんて思っていません。ヨウ様」
「・・・・・・まあ、簡単に信じて貰えるなんて、思ってませんでしたけど」
「あはは♪ ねえヒカリちゃん。私達はヨウ君にお給料貰ってるんだけど、先月のお給料幾らだったと思う?」
「ええ~ お兄ちゃん社長さんみたいなんだぁ~ えっと・・・8万円ぐらいかな?」
「むぅ? ヨウ、仕送りなんてしてる場合じゃないじゃないか?」
「ヨウ君? 幾ら何でももう少し何とかならないのかしら? 都会は物価も高いのよ?」
「「「「「ぷぷぷっ♪♪♪♪♪」」」」」
「・・・いや、だからヒカリの言う事を信じなくても良いだろ? バイトじゃないんだからさ」
「ヒーヒー、もう駄目♪」
「ククッ! これは試練です。我慢、我慢です♪」
「こ、呼吸がくるし♪」
「お、お腹攣っちゃう♪」
「ヒーヒーフー♪」
「ナギサさん、それラマーズ法だからね?」
「あはは、ヒカリちゃん。正解は1000億円よ! 私達はもう一生贅沢しても使いきれないお金をヨウ君から貰ってるんだからね」
「「「はい?」」」
「フフ、詳しい金額は言えませんが、ヨウ様は世界一の大富豪かもしれません。
仕送りの金額も御両親が驚かれるだろうと、一般的な金額を助言させていただきました」
「・・・お兄ちゃん。ヒカリにくれようとした1億円って、本物だったの?」
「なあ、ヒカリ? お前は冗談で1億円用意出来るのか?」
「えええ~~~ 本当に本当なの?」
「本当に、本当だ!」
「・・・俄かには信じられないな」
「ねえ、冒険者ってそんなに儲かるのかしら?」
「ヨウ君は天才冒険者なんですよ、世界中探してもヨウ君ほど稼いでる冒険者は居ないと思います」
「そろそろ信じてくれても良いだろ? だから家でもプレゼントするからさ。リラさん良いですか?」
「はい、イメージしやすいように資料をお持ちしました。どうぞ御覧下さいませ」
「お、おい、例えそれが本当だとしても、行き成り決められないぞ?」
「うん、こんなのが欲しいってのがあったら、適当に言ってくれるだけで良いよ。
ちょっとは親孝行もしたいからさ、欲しい物や旅行とかにも行きたかったら言ってね、世界中どこでも行けるようにしとくからさ。
仕事とか辞めて、お金に狂っちゃうのも嫌だから、現金は少な目に渡しとくけど無駄遣いしないようにね。
後は僕がダンジョンで取って来たスキルも、幾つか覚えて貰いたいんだ、ゆっくり説明するからね」
「「「・・・・・・」」」
「・・・なあ母さん。この後テレビカメラとか部屋に入って来るんだよな?」
「ウフフ、そう言うテレビ番組がありましたね♪」
「わーい♪ ヒカリもテレビに映るんだぁ~♪」
「・・・まだ信じてくれないの? アヤメさん達がもうピクピクしてるだろ? 呼吸困難になっちゃうよ?」
それから、僕やアヤメさん達からの説明で、ようやく納得してくれたようだ。
<虚空界>スキルを使った手品モドキや、魔法を披露するとアゴが外れそうなぐらい口を開けて驚いていた。
「すごーい! 凄い、凄い、凄いよぉ~」
「驚き過ぎだぞヒカリ? ヒカリにも幾つか魔法も上げるから絶対に人前で使うんじゃないぞ?」
「分かったよぉ~ ヒカリ絶対に使わないよ、約束するぅ~♪」
「自分の身に危険が迫った時は使って良いからな、ちゃんと練習しとくんだぞ?」
「うん、分かったよ。お兄ちゃん」
「しかし、驚いたな・・・誰にも自慢出来ないのが残念だよ」
「ウフフ、こんなこと人に言ったら大変な事になっちゃいそうだわ♪」
「ありがとなヨウ、だが無理だけはするんじゃないぞ、父さんや母さんはお前の無事が一番の親孝行だと思っているからな」
「うん、絶対に無理なんてしないよ約束する」
「ヨウ君、皆も泊まっていけるんでしょ?」
「うん、一応布団は持ってきたんだけど、ゴロ寝ならいけるかな・・・ちょっと狭くなっちゃうけど、ゴロ寝で大丈夫ですか?」
「もちろん良いわよ、何時もゴロ寝みたいな・・・あっ!」
「・・・・・・・・」×全員
「ちょ、ちょっとアヤメ何言い出すのよ、微妙な空気になっちゃったでしょ?」×小声
「つ、つい言っちゃったのよ、フォローしてよー」×小声
「どうやって。フォローするってのよ」×小声
「さっ、母さん、晩御飯の用意してくるわ」
「あっ! お手伝いします」
「良いのよ、お客さんなんだからゆっくりしてて」
「僕が手伝うよ、行くぞヒカリ。父さんはアヤメさん達をお願いするよ」
「はーい♪」
「・・・父さんも緊張してるんだぞ? って、もう聞いてないか」
「うふふ、ヨウ君の事を色々と教えてくれますか?」
「ああ、もちろんだよ。ヨウは優しいかい?」
「はい、私達には過保護と思えるぐらい優しくしてくれています」
「そうか、でもそれは君達が優しいからだよ、彼奴は良くも悪くも鏡のような性格をしていてね。
人なら誰でも少しはそう言う所があるもんだが、ヨウは特に顕著でね。
人から受けた恩は決して忘れないが、仇も決して忘れない。
特に君達を害するような者が現れたら、ヨウは鬼にも悪魔にもなるだろう。
その表情から察するに、既にある程度は分かっているようだね?」
「はい、でも、私はそれで良いと思います」
「ある意味、冒険者らしい性格かもしれませんね」
「なるほど、どうやら君達も逞しい性格をしているようだね、安心したよ」
「あの一つ、お聞きしても宜しいでしょうか?」
「ああ、もちろんだよリラさん。最初に会った時から何か聞きたそうだったからね、私か母さんの事かな?」
「はい、ヨウ様から三日月の性を聞いた時から気に成っていたのですが、やはり三日月博士なのですね?」
「あはは、いや~ 懐かしい呼ばれ方だね、もう20年以上前の事だよ。流石に最高のコンシェルジュと呼ばれていた女性だね、全く恐れ入るよ」
「やはり、私の事も御存知だったんですね」
「ああ、まさか娘になるとは予想してなかったから驚いたよ」
「リ、リラ。私達にも説明してくれる?」
「はい、私も良く知らないのですが、三日月博士は世界最高の頭脳と呼ばれた研究者だった筈です」
「うわ~ お義父さん、凄い人だったんですね」
「あはは、いやいや、そんなに大した者ではないよ。誤解の無いように先に言っておくが、ヨウは私達の実の息子だし不思議な力があったとしても、私は何もしてないからね?」
「フフ、何もかもお見通しでしたか、流石博士ですね」
「それぐらい予想はつくよ、でも私が言える事は此処までだよ?」
「分かりました、ありがとうございます」
僕は料理が出来たので皆を呼ぶことにした。
今日は人数が多いので、応接間にテーブルを追加することにした。
「うわ~ 幾ら何でも多すぎるような気がするよぉ~」
「ウフフ、ヨウ君に頼まれて多めに作ったのよ、とっても食欲が増えたんだって♪」
「だって、ご飯だけでも50合あるんだよ?」
「ん~ 足りるかな・・・まあ、足りなかったら追加で色々あるから大丈夫か」
「「「えっ?」」」
テーブルには山盛りの唐揚げから肉団子、豚の角煮といった御飯が進む料理が大量にあったけど、食べ進めていくとガンガン減っていく。
「「「・・・・・・」」」
「とても美味しいです、お義母さん♪」
「あ、ありがとう、いっぱい食べてね」
「「「「「はい、頂きます♪」」」」」
「ほらっ! ヒカリも食べないと大きくなれないぞ?」
「う、うん、でもおかしいよぉ~ お兄ちゃんもお姉さん達も、スタイル抜群なのに、どこに入ってるのか分かんないよぉ~」
「ん? アヤメさん達は小食だろ?」
「お兄ちゃんと比べちゃ駄目だよぉ~」
やはり食事の量が足りなかったので、<虚空界>から色々と食事を出す事になった。
皆の食事も終わり、ゆっくりしていると父さんと母さんが、まだ不思議そうな顔をしている。
「冒険者って凄いのね、母さん吃驚しちゃった」
「いやいや、そんなレベルの問題じゃないような」
「おかしいよぉ~ お姉さん達、お腹全然出て無いよぉ~」
「ヒカリ君、僕のお腹突いちゃ駄目だよ、擽ったいよ?」
「こらっ! ヒカリ。迷惑掛けちゃ駄目だぞ」
「はーい、お姉さん達、今日はヒカリと一緒に寝よーね♪」
「そういえば、お風呂どうしましょ?」
「そうだな。少し遠いが銭湯にでも行こうか?」
「あっ! お風呂も用意してきたから良いよ」
「「「えっ?」」」
「ど、どういう事なのヨウ君? 私達にも分かんないんだけど」
「あはは♪ そりゃー、アヤメさん達にも内緒でしたから♪」
「ヨウ様。いつの間に御作りになったのですか?」
「ん~ 作ったって言うか創っちゃいました! 結構自信作なんですよ?」
「創るって、どういうこと?」
「ヨウ君、お風呂の話しをしてるのよね?」
「・・・お風呂ってDIYで作れるのかな?」
「じゃ、お披露目しちゃおうかな♪」
「えっと、行きますよ<亜空界>!!!」
「「「「「「「「えっ!」」」」」」」」
「「「「「「「「えええええええっ!!!!!!!」」」」」」」」