第125話 久しぶりの帰省は驚きに満ちてます
「うわ~ やっぱり私達も、冒険者になるんですね」
「はい、えっと知らない人も居るんで簡単に説明したいんですが、安全面から考えても、皆さんにちょっとステータスを上げて貰おうかと思ってます。
最初の内は魔物と戦うのは怖いかもしれませんが、僕達が皆さんを守りますから安心して下さいね。
って、訳で皆さんの武器や防具を、ミナミさんとフミさんでお願い出来ますか?」
「おう、任せてくれ」
「ウフフ、任されましたわ」
「あの、私は魔物と戦うなんて、出来そうにないんですけど?」
「ヒメちゃんには、私が魔法を教えて上げるから大丈夫だよ」
「ひえっ! 魔法ですか?」
「そそ、ゆっくりと教えて上げるね」
「ありがとうございます。そっか、私魔法まで使えるようになるんだ♪ ちょっと嬉しいですね」
「分かるな~ 私もそうだったよ」
「あ~ 私も武器、何にしよっかな~」
「そこは、服を脱いでからミナミさんと相談ですね」
「えっ! ベッドで相談するんですか?」
「バ、バカ野郎、筋肉の付き方で武器を決めるんだよ」
「あはは、冗談ですよ。じゃ、ついでにお風呂に行きますか?」
「そうね、職人さんパーティに先に入って貰っちゃおうか」
「ヨウ君一人だと寂しそうだから、私達と入ろうね~」
「ア、アヤメさん~」
「んふふ、照れないの♪」
アヤメさんの言葉は半分冗談かと思ったら、職人さん達がお風呂から上がった後、本当に僕と一緒にお風呂に入ってくれた。
皆とお風呂に入るのは初めてじゃないけど、目のやり場に非常に困る。
バスタオルを巻いているので、ハッキリとは見えないんだけど照れるものは照る。
なんやかんやと言いながら至福の時間を過ごした。
お風呂から上がると、職人さん達の武器もミナミさんが大体決めてくれていたので、明日から製作に掛かってくれるそうだ。
武器や防具が揃い次第、ダンジョンに行ってステータス上げをすることになった。
「よし、じゃあ俺は、明日から忙しくなりそうだし、そろそろ帰るかな」
「え~ ミナミさん泊まって行かないんですか?」
「ん? 何だ、寂しいのか?」
「メチャクチャ寂しいです」
「バカ野郎! お前には大勢の美人達がいるだろ?」
「んふふ、何照れてんのよ? このまま帰す訳ないでしょ」
「うふふ、諦めが肝心だよ?」
「ククッ! 今日は、僕とも仲良くしようか、ミナミ♪」
「わっ! こ、こら抱き着くな、ぐっ! なんで、そんな細い腕で俺が振り解けねえんだよ?」
「三日月君、先に行っとくね~」
「はい」
「はい、じゃねーって! こ、こらぁ~」
ミナミさんは問答無用で僕の部屋に連れて行かれちゃった。
どうやら、僕だけじゃなく、皆も照れまくるミナミさんが可愛いようだ。
「にひひ、ヒメちゃんも参加してく?」
「えっ? わわっ! 私には早いかも・・・」
「ヒメちゃん、彼氏とか居なかったのかな?」
「い、居ませんよ~ そんな暇無かったですし」
「んふふ、経験が無くても大丈夫だよ? 私達も皆ヨウ君が初めてなんだからさ」
「でもまあ、初めてならヨウ君と二人っきりの方が良いかな~」
「皆さんも、そうなんですか?」
「そうよ? ヨウ君はそんな事、気にしたりしないけどね。ヒメちゃんもヨウ君のハーレムメンバーに成りたくなったら何時でも言ってね、言っとくけどこんなチャンスもう無いよ」
「うふふ、ヒメちゃんがハーレムに入ってくれたら、ヨウ君も喜ぶと思うわ」
「わ、私なんて・・・」
姫奈さんは僕の方をチラチラと見ながら、恥ずかしそうに俯いていたので僕からも声を掛けることにした。
「そんな事言われても戸惑っちゃいますよね? 僕も最近までハーレムに抵抗があったんですけど、皆が幸せなら良いかなと思う様になってきました。
決して強制なんかじゃありませんからね? もし、ハーレムに入ってくれるなら僕も嬉しいですけど」
「私なんかで、喜んでくれるなら・・・
正直に言うと三日月さん素敵だし、こんな私にも優しくしてくれるし、彼女に慣れたら最高に幸せだろうなって思ってました。
でも、三日月さんの周りには凄く綺麗な女性達がいますから。
彼女なんて絶対無理だと思って、諦めていたんですけど。
他の職人さん達のように、私もハーレムに入れてくれるなら嬉しいです」
「ありがとう姫奈さん、僕も最初見た時から可愛くて、凄く魅力的だなって思ってました。
我ながら特殊な関係だとは思いますけど、本当に良いんですか?」
「はい、私は凄く嬉しいですけど、他の女性達は良いんでしょうか?」
「あはは、今ヨウ君のハーレムメンバーって20人以上居るんだよ? 何人増えた所で今更でしょ」
「それに、ヨウ君の相手は1人や2人じゃ無理だしね~」
「えっ! それって?」
「直ぐ分かるって♪ じゃヨウ君。私達はミナミさんと遊んどくから、今日はヒメちゃんお願いね」
「はい」
「今日は、シオと遊んじゃおうかな~」
「もう、ナギサったら、ヨウ君の前で言わないでよぉ~」
何気に皆過激な事を言いつつ、僕の部屋へ入って行った。
僕は空き部屋に姫奈さんを招待して、落ち着いて貰える様ワインを勧めた。
「ありがとうございます」
「あの~ 三日月さん」
「はい、僕の事は名前呼びで良いですよ?」
「じゃ、皆さんヨウ君って呼んでるみたいだから、ヨウ君で良いですか?」
「はい、もちろん。僕もヒメちゃんって呼びますね」
「はい」
「何か聞きたい事があるとか?」
「はい、ひょっとして皆さんって、女性同士でもありって言うか・・・」
「あはは、えっとそう言う訳じゃないんですが、女性同士でキスしてるのを見ると僕が喜んじゃうって言うか・・・何言ってるんでしょうね」
「あっ! 分かります~ あんなに美人な女性同士がキスしてたら、興奮しちゃいますよね」
「そうなんですよ、いや~ 嬉しいな分かって貰えて」
「ひょっとして、ヒメちゃんも興味あります?」
「えっと・・・迫られたら拒否は出来ないかも? は、恥ずかしいですね」
「あはは、ヒメちゃん、可愛いからモテモテになっちゃいそうですね。でも、今日は僕だけですよ?」
「はい、私、全然経験無いんですけど宜しくお願いします」
僕は返事もせずにヒメちゃんを抱き寄せ、出来るだけ優しくキスをした。
ヒメちゃんは少し震えていたが落ち着くまで抱き締めていると、落ち着いてきたのか抱き締め返してくれた。
ベッドへ移り甘い時間を過ごしていると、改めて背が低くスリムな体型なのに驚く程見事な双丘なので、そのアンバランスさに興奮してしまう。
夢中になってしまったのか、微睡むような時間を過ごし、何時の間にか眠ってしまったようだ。
朝になり目が覚めると、僕の隣で可愛い寝息を立てている、ヒメちゃんがとても可愛らしかった。
しかし、仰向けになって寝ているのにシーツを押し上げて、しっかりと主張している双丘は見事だなと感心する。
「んっ! わわっ!」
ヒメちゃんは目覚めて直ぐ、僕の顔が近くにあったから驚いたようだった。
「おはよ、ヒメちゃん♪」
「おはようございます、寝顔恥ずかしいですよぉ~」
「あはは、可愛かったよ」
「も、も~ あの・・・私、変じゃ無かったですか? 何か訳が分かんなくなっちゃって」
「うん、全然変じゃ無かったよ」
「良かったぁ~♪ えへへ、私すっごく幸せな気分です」
「僕もです」
僕はヒメちゃんが、あんまりにも可愛いから朝からイチャイチャしてしまい、何時もより少し起きるのが遅くなってしまった。
ヒメちゃんを抱き抱えリビングへ下りると、不思議な事に誰も居なかった。
「あれっ? おかしいな。誰も居ないや、ヒメちゃんちょっと待っててね、皆を見て来るよ」
「はい、抱っこされてるの恥ずかしかったから、見られなくて良かったです」
「あはは、行ってきます♪」
僕は少し心配になりながらも自分の部屋を覗いてみると、そこは桃源郷かと思うような光景が広がっていた。
「あわわ! す、凄いことになっちゃってる・・・」
部屋の中は凄く良い匂いに包まれていた。
目の保養どころじゃない光景と合わさり、頭がクラクラになりそうだった。
けど、もう時間も遅いので、一人一人キスをして起こしていく。
皆は目が覚めるなり、恥ずかしそうにしていたけど、リビングへ下りる頃には照れ笑いするぐらいになっていた。
一体どんな一夜だったのか凄く気になる。
そして、今日も東京の上級ダンジョンへ行き、サラっとクリアした。
このダンジョンのスキルも十分集まってきたので、そろそろ違うダンジョンに移っても良いかもしれない。
今日は帰りに、僕の実家へ着ていく洋服とか買いに行くそうなので、僕も一緒に付いて行く事にした。
もちろん、洋服はフミさん系列のお店を紹介して貰っているので、事前に色々と調べてあるようだ。
お店に着くと、やはり皆、買物が好きなのか嬉しそうに色々と見ている。
皆が嬉しそうにしていると、僕も嬉しいので何時間でも見ていられそうだ♪
「ねえ、見て見て、凄く綺麗な女性達がいるよ、芸能人かな?」
「うわ~ ホントだあ~ すっごく綺麗な人達ね。でも、誰か分からないからモデルさんかな?」
「ん~ 分からないけど、あんなに綺麗な女性って居るんだね~」
「女性達も綺麗だけど、あの荷物持ちをしてる男の子可愛くない?」
「それ思ったぁ~♪ すっごく可愛いよね? 私あんな弟欲しいな~」
「私は彼氏になって欲しいな♪ でも、あの女性達とどんな関係なんだろ?」
「ねーねー、ちょっと聞いてみる?」
「こ、こんな場所で逆ナンしちゃうの?」
「だって、今を逃がしたらもう会えないよ? 聞いて見るだけだから」
「もう、分かったわよ~」
「あ、あの~」
「はい?」
色々と店内を歩いていると、大学生ぐらいの女性3人から声を掛けられた。
「私達、貴方に興味があるんですけど、良かったら連絡先を交換して貰えませんか?」
「えっ! ぼ。僕ですか?」
「「「はい♪」」」
僕は初めて会った女性達に声を掛けられて、少し嬉しさが顔に出ちゃったようだ。
気付いたらアヤメさん達に、冷ややかな視線で見られていた。
「す、すみません。僕、彼女がいるんで」
「それって、あの凄く綺麗な女性達の誰かですか?」
「はい」
本当は全員なんだけど、そこまで詳しく説明する事もないので返事をしておいた。
「そうですか、ん~ 残念。時間を取らせてすみませんでした」
「いえ、ごめんなさいです」
女性達は丁寧にお辞儀をしてくれ、僕達から離れて行った。
「ヨウ君、モテモテね? ちょっと嬉しそうな顔してなかった?」
「そ、そんな事ないですよ、アヤメさん」
「そっかー、ヨウ君逆ナンされちゃうんだ~ 私達もちょっと油断してたわね」
「そうですね、ヨウ様を囲んでガードしておきましょう」
「よく考えたら、女性しか居ないこのエリアは危険ですね」
「僕、三日月君の後ろに付いておくよ」
「あ、あの、本気ですか?」
「「「「「本気よ(だよ・です)!」」」」」
「は、はい」
こうして僕は、まるで要人のように皆からガードされた。
逆にアヤメさん達をナンパしてくる男性からは、僕が威圧をブチかますのを皆から止められることになった。
「も~ 駄目よヨウ君。こんな所で<威圧>スキルなんて使ったら、大変な事になるじゃない」
「すみません、次から打っ殺します」
「あはは、だから殺しちゃ駄目だって? あ~ 可笑しいわ♪」
「だって、今日ナンパ多すぎませんか?」
「何言ってるのよ、それはヨウ君もでしょ?」
「僕達のガード潜り抜けて、声掛けて来るんだから参ったね」
「僕、今日は変ですか?」
「フフ、今日も素敵ですよヨウ様。ヨウ様が女性に好意を寄せられるのは当然だと思われます」
「そうですよ、ヨウ様は凄く恰好良いんですからね」
「だって僕、女性に声を掛けられるなんて初めてですよ?」
「うふふ、もうヨウ君の魅力は隠せなくなったって事じゃない?」
「あはは、またまた~ 甘い物でも奢っちゃいますよ?」
「相変わらず自覚が無いんだから~ まあ良いわ、行きましょ♪」
目的の洋服や靴とかも購入し終わり、いよいよ明日、僕の実家に行く事になった。
母さんやヒカリには電話で、そのことを伝えると御馳走を作って待ってると言って喜んでくれた。
交通手段について相談したところ、電車は大変だし飛んで行っても情緒が無いので、ツドイさんの車で帰省する事になった。
ツドイさんも、最近車を運転する機会が減っていたので、大賛成してくれた。
こうして今、ツドイさんが運転する車で僕の実家へ向かっている。
当然、僕は道順なんて分からないのでツドイさんに任せている。
都会を離れ、ドンドン景色が田舎に変わっていくので、懐かしい気分になっていく。
大阪に来てから、まだ数ヶ月だけど、もう随分と長く居たような気がする。
まあ、次々と色んな事があり、濃い時間だったからな~
「あ~ 何か緊張してきちゃった」
「あはは、僕の両親はポワっとしてますから大丈夫ですよ?」
「ん~ そこはヨウ君やヒカリちゃんを見てると、何となく分かるんだけどね」
「それにしても、田舎とは聞いてたけど、本当に何も無いわね?」
「そうでしょ? 信号も少ないし、電車はあるけど無人駅ですから」
「でも、こんな場所で生活するのも悪くないわ」
「あはは、ありがとうございます。僕もダンジョンがあったら此処でも良いんですけど」
「フフ、ヨウ様には死活問題ですね♪」
「そう言う事です。あっ、見えて来ましたよ、あれが僕の家です」
家の前に車を停車して貰い、長い時間運転してくれたツドイさんにお礼を言ってから、久しぶりに家の前に立つ。
たった数ヶ月居なかっただけだけど、何も変わってない実家が懐かしく思える。
すると、車の音が聞こえたのか、ヒカリが玄関から出てきたようだ。
「お兄ちゃん!」
ヒカリは僕の胸に飛び込んできて、そのまま抱き着いて来た。
高校生とは言え、そこそこ胸がある方なので柔らかい感触にちょっと困ってしまう。
「こ、こらヒカリ、皆が居るんだぞ?」
「えへへ♪ お帰り、お兄ちゃん」
「ああ、ただいま、ヒカリ」
「お姉さん達も、久しぶりだね。いらっしゃい~」
「「「「「久しぶりだね、ヒカリちゃん♪」」」」」
「あ~ん、皆の私服が恰好良いよぉ~ 素敵な大人の女性だよぉ~ 都会の匂いがするよぉ~」
「うふふ、相変わらず面白いね、ヒカリちゃん」
「皆、以前より吃驚する程綺麗になってるよぉ~ 凄いよぉ~ 田舎にこんな女性いないよぉ~」
「んふふ、お兄ちゃんも、恰好良くなったでしょ?」
「えっ! ええっ? ハジメマシテ?」
「ブッ!? おまえな、さっき思いっ切り抱き着いといて、それはないだろ? お兄ちゃんだよ!」
「お、お母さ~ん、お兄ちゃんがイケメンになっちゃってるぅ~」
「お、おい! 全く・・・ヒカリには敵わないな」
「ヒカリ君、可愛いよね♪」
「ヒカリちゃんに手を出しちゃ駄目よ?」
「あれ? 僕そっちの人になっちゃってる?」
「あはは、まあ、ちょっと狭いかもだけど入って下さい」
「「「「「お邪魔します!」」」」」
家の中に入ると応接間に父さんと母さんが待っていてくれた、久しぶりに見る二人も元気そうで何よりだ。
アヤメさん達にも応接間に入って貰うと、父さんと母さんが驚いたのか目を真ん丸にしている。
あれ? 何故かアヤメさん達も驚いてる? 狭すぎて驚いちゃったのかな?
「久しぶり父さん母さん。紹介するね僕と冒険者パーティを組んでくれているアヤメさん・ナギサさん・リラさん・ノノさん・ツドイさんです」
「「「「「・・・・・・・・」」」」」
「あれ? 皆固まっちゃってどうしたの?」
「ね、ねえ、ヨウ君のお兄さんとお姉さんじゃないの?」
「あっ! そっか。言って無かったですね、僕の両親って凄く童顔だから、昔から兄妹にしか見えないんですよね」
「「「「「・・・・・・・」」」」」
「し、失礼しました。私は三日月君と冒険者パーティを組んで貰っている藤崎綾萌と申します」
「私も同じく宮上渚と申します」
「同じく天満リラ(てんま りら)と申します」
「同じく天満ノノ(てんま のの)と申します」
「同じく神戸集と申します」
アヤメさん達は正座をしながら礼儀正しく挨拶をしてくれた。
こうしてみると、僕とは違い大人の女性なんだなと強く感じる。
「まあまあ、御丁寧にありがとうございます。私はヨウ君の母親である、三日月翳里です」
「私はヨウの父親で、三日月創一です。私達の童顔で初対面の人は大概驚くから、どうかお気にせず」
「私達も驚いたよ、まさかヨウが、こんな美しい女性を5人も連れて来るなんてね」
「ウフフ、そうね、ヨウ君が5人もお嫁さん連れて来るなんて、母さん思わなかったわ♪」
「か、母さん、なんで分かったの?」
「「「えっ?」」」