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第121話 情報はとっても大事なんですよ


 焼肉を一杯食べた後、僕達は久しぶりにスズカさんの店に飲みに行く事にした。


 焼肉屋さんから距離も近かったので、歩いて向かう事にしたけど、相変わらずアヤメさん達への注目度が凄い。


 道行く人が、老若男女問わず全員振り返って見ているようだ。


 以前はアヤメさん達をナンパしにくる勇者もいたけど、あれから更に綺麗に成ったアヤメさん達のオーラのせいか、近づいてくる者はいなかった。


 注目を集めながら、しばらく歩いているとスズカさんのお店に着いたので早速店に訪れてみる。



「くぅ~ やっぱり超高級クラブの方へ入って行ったぞ」


「くそ~ せめて上の階なら行けたのによ・・・」


「そりゃそうだろうな、あんな美人見た事ねえもん」


「あれで耳が長かったら、エルフって言われても信じるぜ」


「な~ 30分だけ行って見ねえか?」


「バカ野郎、あそこは座るだけで100万円って言われてるんだぞ」


「ふぁ~ とんでもねえな、誰が行くんだよそんなとこに」


「お金持ちさんだよ、バカ野郎!」


       ◇     ◇     ◇


 僕達が店に入ると、スズカさんと5人の女性が出迎えてくれた。



「いらっしゃいヨウ君。来てくれてありがと♪」


「久しぶりに近くに来たから寄っちゃいました。新人さんが入ったんですね」


「そうなの、シノママが東京からスカウトしてくれたんだよね、有名店のNO2だったんだよ」


「へええ~ それは凄い人をスカウトされたんですね、どうりで綺麗な方だと思いました」


「ありがとうございます、私はセリアと言います。でも、ママやお連れの女性達の美しさには驚くばかりです」


「んふふ、ありがと♪」


「さっ、VIPルームへどうぞ」


「特別扱いですね?」


「とーぜんですよ? ヨウ君ですから」


「あはは、ありがとう」



 僕達はVIPルームに案内され、豪華なソファーに座って寛がせて貰う、おしぼりを貰って手を拭き終わると、お酒を取りに行ってくれたようだ。



「皆さん聞いて下さい、先程も言った通り三日月様には言動・行動・仕草に至るまで失礼のないように、細心の注意を払ってくださいね。


もし、三日月様の機嫌を害するような事があれば、死んでも返せない様な賠償金が掛かると思ってくれても結構ですよ。


私は上のアイナ姉さん達を呼びますから、皆さんくれぐれもお願いね」


「あ、あのママ、あの信じられない程、綺麗な女性達と可愛らしい男性は、いったいどういった方達なんですか?」


「あの方達は冒険者で私の友人なんです。あの方達に関する事はこの店に来た事も含めて口外禁止ですよ? 忠告しときますけど、口外したら私は一切庇えなかったりしますから注意してね」


「そんな笑顔で、怖い事を言わないで下さいよ」


「うふふ、だって手遅れになったらいけないでしょ? それと一番良いお酒用意しといてね♪」


「この店の一番良いお酒って・・・は、はい、分かりました」



 僕達は、とりあえずシャンパンを飲む事にして、皆で乾杯をして飲んでいると、アイナさん達も来てくれたようだ。



「お久しぶりです、三日月様」


「お久しぶりですね皆さん、お店も繁盛しているみたいで良かったです」


「ウフフ、全部、三日月様のお陰ですよ」


「んふふ、このビルのママさん全員来てくれたんだ、大サービスね?」


「もちろんですよ♪ アヤメさん達また綺麗になりましたね? お会いする度に驚かされるんですけど」


「そんなに、変わったかな?」


「以前から綺麗だったのに、また一段と美しくなってます。何かあったんですか?」


「何かあったと言えば、あったんだけど、大変だったのよ?」


「大変でも、羨ましいですね」


「そうだ、良い物あるんですよ」



 丁度、今はスズカさんとアイナさん達しか居なかったので、セツナさんが作ってくれた物をお披露目する事にした。



「ヨウ君、良い物って?」


「はい、以前スズカさん達に食べて貰った綺麗になる食事があったじゃないですか? あれと同じ効果があるポーションを作って貰ったんですよ」


「うわ~ それって女性なら垂涎物になるんじゃないですか?」


「2種類あるんですけど、1つは販売用として効果は70パーセントで1週間程しか持たない物です。


もう1つは売り物には出来ない、効果100パーセントのポーションですね。


名前は『ビューティーポーション』って言うんですけど。


効果100パーセントのポーション飲んで見ます? スズカさん達は料理で食べてるから、あんまり効果は無いかもしれませんが」


「「「「「「飲みます!」」」」」」


「あっ! すみません是非、飲ませて下さい」


「あはは、じゃ1本ずつどうぞ」


「「「「「「キャーーーー♪」」」」」」


「んふふ、その嬉しさ分かるわ」


「女の子なら、嬉しいよね~」



 スズカさん達は、嬉しそうにビューティーポーションを受け取ると、コクコクと飲んで行く。


 すると、飲んだ瞬間から効果が表れ、スズカさん達の美しさが一際上がったようだ。


 流石にセツナさんが作った物だけあって、効果が高いのかもしれない。



「うわー、うわー、ありがとうございます♪」×スズカ達


「ヨウ君には会うたびに、驚かされますね」


「アヤメさん達も、これを飲んだんですね」


「私達は飲んでないわよ」


「えっ? これを飲まずに、それだけ綺麗だなんて」


「アヤメさん達は特別ですから気にしなくても良いですよ。でもスズカさん達も、とっても綺麗ですから」


「うふふ、ありがとヨウ君♪」


「んふふ、スズカちゃんもダンジョン行こうね、もっと綺麗に成れるから」


「ええっ? 私がダンジョンにですか?」


「そか、スズカさんには、まだ言って無かったけど、今度職人さんパーティを組む計画を立ててるんですよ」


「そこに、スズカさんも入って貰おうと思ってます」


「私も冒険者になるんですか?」


「簡単に言えばそうですね。職人さん達も、ちょっと強くなって貰わないと都合が悪くなってきちゃって。


今度、専属の職人さんが一人増えて5人になったんで、6人目としてスズカさんも是非参加して下さい」


「ふぁ~ ヨウ君が誘ってくれるなら、もちろん参加しちゃうけど、私が冒険者なんて出来るかな?」


「フフ、大丈夫ですよ、私達が全力でお守りしますから」


「そっか、それなら安心だね♪」


「それと販売用の『ビューティーポーション』も皆に渡しておきますね、まだ販売には時間が掛かるけど、モニター用だと思ってください」


「ありがとう、ヨウ君。お店の女性に上げちゃっても良いかな?」


「はい、でも今飲んで貰った物と違って、効果が70パーセントぐらいだし1週間程で効果が切れちゃうので、説明してから上げて下さいね」


「うん、それでも、メチャクチャ喜んでくれると思うわ」


「販売することになったら、皆さんには優先的に回しますからね」


「ありがとうございます♪」×スズカ達


「私達にまで用意してくれて嬉しいです、ヨウ様が用意してくれたエステも皆喜んでくれてるんですよ」


「それは良かった。でも、アイナさん達は、もう行かなくても良くなったかもですね」


「確かにそうですね、ヨウ様のエステ特典で私達のお店を辞める女性が少ないんですけど、こんな良いポーションを貰ったら、辞める娘が居なくなりそうです」


「そっか、こういうお店って、移り変わりが激しいんだよね?」


「はい、普通はそうなんですけど、私達のお店はお給料も良いし、エステ特典がありますから」


「女の子が移動しないから、固定客も多いんですよ」


「なるほどね、そこまで考えて段取りしたのかな?」


「いえいえ、唯の偶然ですよ」



 それからスズカさん達と楽しくお酒を飲みながら、サービス満点の接待をしてくれた。


 特に今日は、普段は絶対やらないらしいポッキーゲームもしてくれた。


 自分がやるときもドキドキしたけど、ツドイさんが積極的に女性達とキスしちゃうのを見ると興奮して顔が赤くなってしまう。



「わわっ! ツドイさんとキスしちゃった・・・」


「女性同士でキスすると、三日月君が喜ぶんだよ。スズカちゃん♪」


「ブッ!? ツ、ツドイさん~~~ そんなこと、ちょっとあるけど」


「も~ そこはちゃんと否定しなさいよね。ヨウ君」


「仕方ないですよ~」


「ウフフ、楽しいですわ。次は私とアイナさんですね」


「フミさんも、とても綺麗ですから緊張しますね」


「まー、まー、お上手です事♪」



 フミさんはニコニコしながら、ポッキーをハムスターのようにポリポリと食べ進めていき、アイナさんと完全にキスをしていた。


 いつも落ち着いた雰囲気をしている、アイナさんとフミさんが、キスをしている光景に釘付けになってしまう。



「御馳走様ですわ♪」


「にひひ、ヨウ君、すっごい見てたね」


「えっと、控えめに言って眼福でした」


「あはははは♪」×全員



 楽しい時間が過ぎるのも早く、帰る時間も迫って来たので僕は、姫奈さんのお店を宣伝しておくことにした。



「そう言えば皆さんに、良い情報があるんで伝えておきますね」


「私達は席を外しておきましょうか?」


「いえ、アイナさん達も聞いて下さい」


「分かりました」


「実は近日中に、僕達の専属職人になった端渓姫奈さんが、アクセサリーショップを開店するんですよ」


「それは、おめでとうございます。嬉しい情報ですね」


「いやいや、話しは此処からなんですよ、腕の良い職人さんがダンジョン素材で物を作ると何らかの付与効果が付くのは御存知ですか?」


「はい、聞いた事がありますね。付与効果が付いた製品は、とても高額で取引されてるとか」


「そうなんです。実際フミさんが作ってくれた僕達の装備は、とんでもない性能と付与効果が付いてます」


「うわ~ フミさんって凄い人だったんですね」


「うふふ、三日月様に、頂いた素材が良いだけですよ」


「あっ! ひょっとして、姫奈さんが作るアクセサリーも、凄い付与効果が付いてるんだ?」


「スズカさん正解です! 実はステータス上昇系の付与効果が付いてます。


僕の予想では、力やスピードが今までの倍になるような指輪やネックレスが出来ちゃうんじゃないかと思ってます」


「えええ~~~!!!」×スズカさん達


「それって冒険者なら、喉から手が出る程、欲しい物なんじゃ?」


「フフ、SPオーブと違って装飾品なら付け外しが出来ますから、需要は高いと思います」


「なるほどね。ヨウ君の良い情報って言った意味が分かったわ。


たぶん1店舗で売るんなら、そんなに数が無いんだよね?


確実に売り切れるのが分かってるんだから早い者勝ち。


つまり、この情報には凄い価値があるって事ね」


「そそ、僕達はスズカさん達にしか宣伝しないので、皆さんの良い武器(情報)になりそうでしょ?」


「うふふ、確かに私達にとって情報は武器ですから、嬉しい限りです♪」


「開店日や付与効果の詳細、値段等が決まり次第、お伝えしますね」


「でも、値段は凄く高くなりそうですよね?」


「えっと、SPオーブって今どれぐらいの値段なんだろ?」


「ちょっと待ってね。今は・・・1500万円ね。何時の間にか値上がりしてるわね~」


「そうなんだ。って事は、STR+3の指輪なら4500万円ぐらいになるかな」


「うわ~ やっぱり凄く高いんだ」


「それが最低金額になると思われます。STRは人気がありますから6000万円程が妥当になるかと」


「そっか、ステータスによっては値段が変わりそうですね」


「それって付与効果の値段でしょ? 宝石の値段もプラスしたら、もっと高くなるんじゃない?」


「なるほど、値段設定は姫奈さんに作って貰ってから決めましょうか」


「それが良さそうね、まだ、どんな物が出来るか分かんないし?」


「あっ! アヤメまたフラグ立てたわね?」


「今のは違うでしょー」


「あははは♪」×全員



 今日は色んな事があったけど、楽しい1日になったと思う。


 時間も遅くなってきたので、今日はもう帰る事をスズカさんに伝えると、お店ももう閉めるそうなので、スズカさんとフミさんを誘って部屋で飲み直す事にした。


 お風呂へ入ってからソファーで寛いでいると、アヤメさんが隣にチョコンと座って語り掛けてくれる。



「んふふ、ヨウ君。ソフィアさん達が国に帰ったから寂しいんでしょー?」


「・・・そうですね、また何時でも会えるんだけど、やっぱり寂しいかな」


「も~ しょうがないなヨウ君は、私達で慰めてあげようかな」


「僕、今日は甘えちゃいますよ?」


「今日はフミさんとスズカちゃんも居るし、一杯慰めて上げる♪」


「わーい♪」


「あっ! も、もう」



 僕はアヤメさんにキスをして、優しく抱き締めた。


 皆、優しい笑顔で僕を慰めてくれ、一緒に部屋に向かう。


 スズカさんは、とても恥ずかしそうにしていたけど、照れ笑いしながら腕に抱き着いてくれる。


 やはり僕は寂しかったのか、何時もより皆に甘えてしまい、結構激しい夜になったようだ。


 翌朝、目が覚めると、思わず赤面してしまうような光景がベッドに広がっている。


 皆はまだグッスリと寝ている様だ、ちょっと無理させちゃったかなと思い反省する。


 しかし、これだけグッスリ寝ていると、悪戯したくなるのは、人の世の常だよね。


 僕は隣で寝ているスズカさんのシーツをチラッと捲ってみると、身悶えしたくなるような気分になる。


 朝から、オオカミさんになっちゃいそうです。



「ウフフ、おはようございます。三日月様♪」


「うわっ! フ、フミさん。起きてたんですか?」



 僕は悪戯してるのを見られたのかと思い、汗をダラダラ流している。



「はい♪ 流石、三日月様ですね、今から2回戦だったりします?」



 はい、シッカリバレてました・・・



「・・・参りました。内緒でお願いします」


「ウフフ、畏まりました♪」



 僕は照れるのを誤魔化すように、フミさんに朝のキスをして、皆にも目覚ましのキスをしていく。


 皆起きたので何時もの様にリビングで朝食を取り、今日は朝からダンジョンに行って、帰りに姫奈さんのお店を決めることにした。



「んふふ、スズカちゃん、まだ顔が赤いね~♪」


「だ、だって、私にはちょっと、刺激が強すぎですよぉ」


「あれ? 確か夜は・・・」


「キャアアアアアア! ス、ストップですぅ~~~」


「そう言うナギサだって、昨日は・・・」


「わわっ! 待って、分かったから。謝るから言わないで」


「ウフフ、皆さん、何時も凄い体験してらしたのですね♪」



 フミさんの一言で全員照れてしまい、僕も顔が真っ赤になってしまった。


 結局、今日の朝食は照れながら食べることになり、フミさんとスズカさんを送ってからダンジョンに向かった。


 今日も<発見>スキルのお陰で、宝箱を沢山見つけ宝石類も補充していく。


 地下30階のボスがドロップする神秘の腕輪も、人数分集まったので装備している。


 鑑定ではより多くの経験値が取得出来るらしいんだけど、試して見たところレベルが上がる様な事はなく、重ね掛けしたスキルに慣れるのが早くなったような感じがする。


 どうやら神秘の腕輪とは技術の向上が早くなるアイテムのようだ。


 スキルの複数使用や重ね掛けしたスキルを習熟するのは結構大変なので、これは結構、有り難いアイテムだった。


 特に今はスキルに慣れる為に頑張っていたので、タイミングが非常に良く皆喜んでいる。


 サクサクとダンジョン探索も終わらせ、次は姫奈さんのお店を決めに行く事にした。



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