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第114話 ダンジョン産の種は驚きに満ちてますね


 僕達はせっかくシオさんの所へ行くのに、シオさんが喜びそうな食材を持ってない事に気付き、色々と新たな食材を探しながらダンジョン攻略をすることにした。


 クエストボードで大体、何が採れるのか調べておいたので、目星を付けながら探していくと<千里眼>と<発見>スキルのお陰で、サクサクと採集して行く事が出来た。


 また、この<発見>スキルのお陰で、幾つかの宝箱を見つける事が出来た。


 宝箱は隠し部屋や大木の洞、砂の中等、よほど運が強くなければ分からない所へ隠してあった。



「おっ! また見つけましたよー」


「「「「「おお~ パチパチパチ!!!」」」」」


「宝箱探しも中々、面白いわね?」


「そそ、ワクワクしちゃうね~ 上級ダンジョンだから良い物だとは思うけど、特級ポーションとか金貨が多いわね」


「フフ~ 金って今凄く高いんですよ? 私も金銭感覚が麻痺してるけど」


「そうだよね、普通ならもっと喜んでるよね」


「フフ、先月の給料が1000億円でしたから仕方ないかと」


「それでも楽しいんだから、逆に不思議なのかも?」


「お金持ちになっても冒険者なんですから、宝箱でワクワクするのは当然ですよ?」


「あはは、そうね」


「あ~ 私達もスッカリ冒険者になったって訳ね」


「そうですね、どうです楽しいですか冒険者は?」


「えっとね・・・」


「「「「「凄く楽しいわ♪」」」」」


「あはは、それは良かった」


「それと、今回のは当たりですよ『鑑定の水晶』でした!」


「「「「「おお~ パチパチパチ!!!」」」」」


「それって、初めて<鑑定>スキルオーブの鑑定に使ったやつよね? 何かややこしいけど」


「あはは、そうでしたね」


「あ~ 1回だけ鑑定出来る魔道具ね」


「1回だけでも高く売れそうだよね?」


「現在は値下がり気味ですが、それでも3億円が相場ですね」


「へええ~ 中々良い値段ですね、結構<鑑定>スキルオーブをオークションに出してますけど値下がりしませんものね」


「はい、まだまだ<鑑定>スキルを所持していない国がありますから」


「大量に出して上げたいけど、高額で買った国に悪いですからね」


「確かにそれはあるわね、月1ペースぐらいが丁度良いかもね」


「じゃ、心配していた食材も、そこそこ取れましたし、サクっと進んじゃいましょうか」


「そーね」



 地下30階のボスも2回目になるとコツも分かっているので、結晶体が出ると同時に破壊していき簡単に倒す事が出来た。


 当然のように遺跡の鍵もドロップしたので<発見>スキルオーブも、シッカリと回収して、シオさんの店に向かう事にした。


 ちなみに<発見>スキルは僕が重ね掛けすることになり、探知範囲がかなり増えたので、次はもっと楽に宝箱が回収出来るだろう。


 <錬金術>スキルも無事発見したけど、此方の方は習得は保留する事にした。


 シオさんの店に着くと、入口には本日貸し切りの札が掛かっており、僕達のために貸し切りにしてくれた事が分かる。


 シオさんに感謝しながら、入口からお邪魔する事にした。



「こんにちわ~」


「いらっしゃいー、待ってたわ♪」


「シオが待ってたのは食材じゃないの?」


「あはは、そんなに露骨に言わないでよー、ちゃんと美味しく作るからさ」


「そこは心配してないけどね。そーそー、月光種どうなったの?」


「ええ、綺麗な花が咲いたわよ、鑑定してないんだけどね~」


「どうして、鑑定しないのよ?」


「それを聞くかな? とんでもない内容だったらどうするのよ?」


「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」


「なるほどね」


「ちょっと、どうして僕を見るんですか? 今回は僕フラグ立ててないですよ?」


「あはは、先に案内するわ」



 僕達はシオさんの案内の下、月光種の成長を見に行くと、そこにはとても綺麗な花が咲いており良い匂いが漂ってくる。



「へええ~ 本当に綺麗な花ね、見た事ないけど」


「どんな効能なのアヤメ?」


「まだ見て無いわよ、って言うかどうして私が見るの? ナギサも<鑑定>持ってるでしょ」


「そこは、何となくアヤメの役でしょ?」


「バカな事言ってないで皆で見るわよ」


「あはは、じゃ皆で見ましょうか」


「はーい、えっと」


「「「「「「・・・・・・・」」」」」」


「なんて言うか・・・ブッ飛んでるんだけど、まだマシかな?」


「私達にとってはね」


「ん~ でも、セツナさんじゃなきゃ無理かも?」


「フフ、逆に言えばセツナさんなら出来そうですね」


「フフ~ 夢が広がりますね~♪」


「<錬金術>スキルも、良いタイミングだったね」



 各々が感想を言っているが、その効能ってのが次の通りだった。


 月光華:月の光を浴びると美しく光り輝き、最も効能が高くなる性質がある。また数々の秘薬の原料となり、代表的な秘薬でエリクサーがある。


 つまり月光華があれば、今まで宝箱から入手していたエリクサーが自作出来る様になるかもしれないし、全く新しい秘薬が作れる可能性がある。


 そこは、セツナさん便りになるのは言うまでもないんだけどね。



「でも、月が出ている時に採取した方が良さそうね」


「そうですね、タイミングを見て僕の<虚空界>に収納しときます」


「ヨウ君の<虚空界>は時間停止だから、それが一番良さそうね」


「それ、私の前で言っちゃって良かったの?」


「んふふ、何言ってるのよ? シオもヨウ君のハーレムに入ったじゃない」


「そ、そりゃそうだけど、サラっと凄い事言うんだもん」


「あはは、大切に育ててくれて、ありがとう。シオさん」


「いえいえ、どういたしまして」


「お礼って訳じゃ無いんだけど、今日採って来た食材渡しますね」


「やたーーー♪ 待ってましたよ~」



 シオさんは、僕達が今日採って来た食材に一喜一憂し、メチャクチャ美味しそうな料理を作ってくれた。


 これって、どう見ても僕達のメリットしかないような気がするんだけど、喜んで貰えたなら良いのかな。



「このタマネギが乗ってるステーキ、メチャクチャ柔らかくて美味しいですね」


「ありがと♪」


「あっ! このスープ、メチャクチャ美味しい」


「うふふ、それって今日、貰ったブロッコリースープだよ」


「へええ~ ブロッコリーって、こんなに美味しかったんだ」


「素材が良いと、味も跳ね上がるんだよね~」



 僕達は1つ1つの料理に感嘆し、シオさんも凄く嬉しそうにしてくれた。



「フ~ 僕もうお腹一杯だよ」


「私も、もう限界だわ」


「フフ、ヨウ様に釣られて、私も食べすぎてしまいましたね」


「ヨウ様まだ、食べてるんだけど、一体どこに入ってるんだろ」


「凄いよね~ 私の倍以上食べてるよ?」


「美味しくて美味しくて、止まんないです♪」


「うふふ、嬉しいわ」



 食事も食べ終わり大満足で休憩していると、この店のリフォームを思い出したので切り出して見る事にした。



「そう言えばシオさん。リフォームの件なんですが、大体決まりました?」


「あ~ 何か凄すぎて、実感湧かないんだけど?」


「フフ、シオさんの希望を取り入れたプランを、幾つか御用意しましたので参考までにどうぞ」



 リラさんが用意してくれたプランを皆で見ていると、どれもこれも素晴らしいキッチンだった。



「キッチンも素晴らしいけど、敷地も広くなってない?」


「はい、既に周りの土地を購入しておりますので、現在より3倍程の広さになっております」


「ですが、広げたのはキッチンと庭ですので、この店の雰囲気はそのままにしてあります」


「えっ? 土地って、私この店舗借りてるんだけど?」


「申し訳ありません。この店舗も土地事購入して、既にシオさん名義にしてあります」


「ふあ~ 私もう家賃払わなくて良いんだ? ヨウ君本当に良いのかな? そんな大金私返せないかも」


「もちろん、お金なんて返さなくても良いですよ、プレゼントですから」


「プレゼントの額じゃないような」


「あはは、諦めなさいシオ」


「良いのかな~」


「ところで、シオさん。人材の方は良いんですか?」


「ん~ それなんだけど。やっぱり、私は一人で好きに作りたいんだよね」


「あはは、シオらしいわね。でも、ウェイトレスぐらい雇っても良いんじゃない?」


「ん~ バイト代ぐらいなら払えるかな」


「もう、何言ってるのよ、家賃も無くなったじゃない?」


「あっ! そうだよね、あはは、一人でお店を切り盛りしてると、どうしても節約しちゃうんだよ」


「じゃ、気兼ねなく食材購入とか出来る様に、100億ほど渡しておきますね」


「はい?」



 シオさんはキョロキョロとナギサさん達を見ているけど、皆ニコニコしているので僕に話掛けて来たようだ。



「ちょっと待って・・・幾ら何でも桁がおかしいんだけど?」


「にひひ、だから以前言ったでしょ? ヨウ君って大金持ちなんだよって」


「あのね? 普通の大金持ちは100億円も持ってないからね?」


「まして、人にポンッと上げる金額じゃ・・・えっ? ひょっとして?」


「んふふ、分かりやすく言うと、ヨウ君が1日で稼ぐ金額は100億円どころじゃないわ」


「ふあっ! ひぇ~」


「今更、驚く事じゃ無いでしょ? シオが貰った<虚空庫>だけでも2000億円なんだからね」


「<鑑定>スキルなんて5000億円だよ?」


「そ、それは聞いたけど実感なんて湧かないわよ、メチャクチャ便利だけど現金で見て無いんだもの」


「あはは、じゃテーブルに出しちゃいますね」



 僕はテーブルの上に札束をドンドン出していき、1つのテーブルに乗らなかったから、お客さん用のテーブル全てに積み上げていき、ようやく全て出し終わった。



「うわ~ こうやって見ると凄い量ね」


「そ、そんな簡単に言っちゃって・・・凄い人だと思ってたけど、超凄い人だったのね、でも流石に貰えないわよ」


「そんな事も無いと思うんですけど、これで良い食材があったら購入しといて下さい。僕もその方が嬉しいので」


「にひひ、分かったら早く<虚空庫>に入れときなさい。見られたら物騒なんだから」


「わ、分かったわよ。しっかし、これだけのお金を持ち歩けるんだもんね<虚空庫>って便利過ぎるわ、実際見ても現実感ないけど預かっとくね」


「だから絶対、人前で使っちゃ駄目なんだよ、それにバイトも信頼のおける娘が良いわね」


「あ~ そうよね。色々と内緒にはするけど、その方が良いわね」


「僕達も良い娘がいたら紹介しますね」


「色々とありがとねヨウ君」



 その後、お店のリフォーム計画も大体のプランが決まったので、明日から開始される事になった。


 リラさんに聞いた所、セキュリティーシステムも万全で、登録した人しか入れない様になり、箱庭には上空からも見えない様に特殊ガラスで覆うらしい。


 僕達は特殊ガラスの材料である、ダンジョン産珪砂を大量に持ってるので、費用はかなり安くなるらしい。


 一応姫種と月光種は業者に見られないように、一旦<虚空界>に収納しておく事にし箱庭に行った。


 今日は丁度、満月だったのか月光華が信じられない様な幻想的な光に包まれていた。


 そのあまりの美しさに、皆しばらく茫然と眺めてしまうほどだった。



「綺麗ね」


「昼間も綺麗だったけど、比べ物にならないわ」


「フフ、これが見れただけでも、十分価値がありましたね」


「フフ~ 採集しちゃうのが、勿体ないですね」


「プランターに移し替えて収納しちゃう?」


「あっ! 植木鉢なら一杯あるから使って」


「ありがとうシオさん。じゃ、借りちゃいますね」



 僕達は小さい植木鉢だったので、月光華を1輪ずつ丁寧に移し替え<虚空界>に収納していった。



「そうだ、ちょっとシオ。こっちに来てくれる?」


「どうしたの、ナギサ」


「良いから良いから、ちょっとこっち来て」


「はいはい、分かったわよー」




「どしたの? ヨウ君に言えない様な、頼み事じゃないでしょうね?」


「バカね、シオの事よ」


「えっ! 私の?」


「っそ、簡単に言うけど今日泊まりに来ない?」


「ふえっ? それって・・・そう言う事だよね?」


「シオの割には察しが良いじゃない」


「そりゃ、私もあれから色々考えたんだからね」


「じゃ、覚悟も決まったでしょ?」


「う~ ねえ、ナギサも一緒にって駄目かな?」


「ブッ!? 貴女ね~ 最初の時ぐらい、2人っきりの方が良いでしょう?」


「で、でも、私男性と付き合うどころか、キスしたことも無いのよ?」


「キスぐらい、私と何回もしたでしょ?」


「もう、恥ずかしい事言わないでよ、学生の時じゃない」


「にひひ、またするようになるかもね♪」


「えっ?」


「何でもないわ、とにかく今日泊まりに来て、一生私に感謝することになるから」


「分かったわよ・・・えっと、ありがとねナギサ」


「うふふ、いえいえ♪」



 今日はシオさんも泊りに来てくれるらしい、さっきナギサさんと話をしてたのは、この事だったのかな。


 シオさんが泊まりに来てくれるって事は、やっぱりそう言う事なんだと想像しちゃうと、顔が赤くなりそうだけど平然としとかなきゃ。


 変に鼻の下を伸ばしてちゃ、皆に嫌われちゃいそうだしね。


 最近はスズカさん、セツナさんと立て続けなんだけど、毎晩こんな生活してて良いのかな。幸せ過ぎて怖いぐらいだ。


 そう思いつつ今、お風呂上りのシオさんは顔を真っ赤にして、僕の隣にチョコンと座っている。



「フフ~ シオさん可愛い~♪」


「こら駄目ですよノノ。シオさんも、そんなに緊張しなくても大丈夫ですから」


「う、うん、ありがとうリラさん」


「じゃ、私達は先に寝ちゃうけど、頑張ってねシオ♪」


「待ってナギサ、もうちょっとだけお願い」


「んふふ、ナギサもうちょっと居て上げなさい、私達は先に行くからね」


「も~ 仕方ないな、ちょっとだけよ?」


「うん」



 アヤメさん達は自分の部屋に戻って行き、今はシオさんとナギサさん3人でお酒を飲んでいる。



「ねーねーヨウ君、シオと私は女子高だったんだよね、シオは高校卒業して大学も行かずに料理の道を選んだんだけど、彼氏どころか男性と全く接触しなかったんだよ」


「なるほど、ひょっとして男性は苦手だとか?」


「そこまでじゃ無いんだけど、免疫がないって所かな。だから、ヨウ君がリードして上げてね」


「分かりました。シオさん、僕って怖くないですか?」


「うん、ヨウ君は男性でも凄く可愛いから、喋りやすいって言うか・・・お客さんなら男性でも大丈夫なんだけど」


「だ、だから別にナギサに言われたからじゃなくて、私にはヨウ君しか居ないって言うか、あの、ひゃー、何言ってんだろ私」



 僕はシオさんが、とても可愛くて思わず、そっと唇に触れる程度のキスをしてしまった。



「にひひ、顔真っ赤にしちゃって♪ もう大丈夫でしょ? 後はヨウ君に任せて頑張ってね」


「あぅ~」



 僕は笑顔でシオさんを抱き抱え、自分の部屋へ連れて行き、ベッドに寝かせて上げた。



「あのねヨウ君。聞いて欲しいんだけど」


「はい、良いですよ」


「えっと私学生の頃、ナギサが好きだったんだよね。それで私、そっちの人なのかな~って思ってたんだよ」


「えっ? そっちって、ゆ・・・」


「あぁん! 声に出しちゃ恥ずかしいよ。でも、まあそうなんだけど。


だから、久しぶりにヨウ君と一緒にナギサが、お店に来てくれたのが嬉しくてハシャイじゃった♪


何時の間にか冒険者になってるし、ヨウ君のハーレムに入ってるしで驚いたわ」


「あ~ 僕が誘っちゃったからですね、ハーレムはゴニョゴニョです」


「あはは、ヨウ君やアヤメさん達と、楽しそうに話してるの見てると、凄く羨ましかったんだよね。


私単純だから、凄い食材を持って来てくれたヨウ君を大好きになっちゃったんだよ。あの時は、まさか、こうなるとは思わなかったけどね♪


そんなヨウ君と、ナギサが愛したヨウ君と、こうなるのが不思議な気持ちなんだけど、間違いなく嬉しいんだよね」


「僕も結構単純で、美味しい料理を作ってくれたシオさんの事が、とっても好きになりました」


「それに何て言うか、どうやら僕の好みって年上のお姉さんみたいで、おっきい胸とか見てるとクラクラきちゃうって言うか・・・あはは、何言ってるのか」


「そっかー! うふふ、ヨウ君の好みで良かったわ♪」


「あぅ~ なんか墓穴掘っちゃいましたね」


「そんな事ないよ、とっても嬉しいわ♪ こんな私で良かったら是非、可愛がってね」


「はい、シオさん。メチャクチャ可愛いです♪」



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