第107話 現代の錬金術師は研究者さんです
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「フフ、丁度良いですね。大阪に連れて帰って環境改善して貰いましょう。以前、私が使っていた下階の部屋を研究施設として使って貰えば良いですし」
「そうと決まれば、荷物も運んじゃいましょうか。レンタルしてる機材とかあるのかな?」
「今からなの? 機材は全部、私物だけど大型の機材もあるから直ぐには無理よ」
「フフ~ 大丈夫ですよ。5分もあれば十分ですから」
それから、手分けして研究に必要な機材関係を全部<虚空庫>に収納していった。
「んはー! <虚空庫>スキル・・・嘘でしょ? まさか全員取得してるなんて。空っぽになっちゃった! たった2~3分で信じられない事するわね?」
「他に持って行く物ってあるのかしら?」
「車も持ってないし何も無いんだけど、本当に今から行くの?」
「んふふ、善は急げって言うでしょ?」
「まいったわ凄い行動力ね、ところで新幹線? 車で行くのかな?」
「ん~ それなんですが、目隠しして貰っても良いですか?」
「あはは、なるほどね♪ じゃあ、目隠しを兼ねて寝袋に入ってて貰うってのはどう?」
「にひひ、それが一番速そうね」
今から車で大阪へ帰ると、夜中になってしまうので、手っ取り早く空を飛んで帰る事にした。
セツナさんには申し訳ないけど、寝袋に頭からスッポリ入って貰い、僕が抱っこして飛ぶ事にした。
まあ、<風属性魔法>でシールドを張るし音も遮断出来るので、バレずに帰れると思う。
「ねえ、私なんで袋詰めにされてるのか分からないんだけど? ひょっとして車のトランクとかに入れられちゃうのかな?」
「あはは、まさか、そんな事しませんよ。少しだけ僕が抱っこして移動しますから我慢して下さいね」
「わっ! んふー、お姫様抱っこされちゃった♪ 何も見えないけど」
「んふふ、直ぐに出して上げるから、動いちゃ駄目よ」
「何か、分からないけどジッとしてますよ」
僕達は<気配遮断>と<隠蔽>を駆使して姿を消し、セツナさんの研究室があったビルの窓から大空へ飛び立った。
出来るだけ重力を感じない様に、ゆっくりと加速し大阪へ向けて飛び立つ。
飛行中は僕としか会話出来ないので、他愛のない会話をしながらドンドン加速していき、約30分ぐらい経つ頃には大阪にある自宅のマンションに辿り着いた。
かなり、ゆっくりと飛行したから時間が掛かったけど、本気で飛んだら東京まで10分ぐらいで行けるかもしれない。
東京には10日程しか居なかったけど、この部屋はどこか懐かしく感じシックリと来る。
部屋に入り、リビングでセツナさんを寝袋から出して上げた。
「窮屈な思いをさせて、すみませんでした」
セツナさんは寝袋から外へ出ると、キョロキョロと周りを見渡し、不思議そうな表情をしている。
「此処って何処なの? 大阪へ行くんじゃないの?」
「まあ、説明は後にしましょうか。理解するのに時間が掛かるでしょうし」
「そうね、セツナさんには早く、ちゃんとした食事を取って貰ってから、お風呂で徹底的に磨きたいわ」
「待って、ちゃんと自分で洗うから!」
「フフ、駄目です♪ 先ずは食事からシッカリ食べて貰いますよ」
今日の夕食は<虚空界>にストックしてる料理を次々と出していき、セツナさんに食べて貰う事にした。
もちろん、美容効果のあるケルピーのロースト肉も、たっぷりと食べて貰った。
「お、美味しい!」
「んふふ、ちゃんとした料理は美味しいでしょ? それに、これは私の友達の自信作だしね」
「でも、これ牛肉じゃないわよね? 馬肉に近いのかな」
「へええ~ 自堕落な生活してるのに味覚は鋭いのね」
「ナハハ、味覚も鋭敏じゃないと研究に支障が出るからね~」
「次はデザートだよ♪」
「ぬあっ! これってプラチナマスクメロンじゃない。こんな高級デザートまで見つけたなんて、本当に凄い実力を持ってるのね」
「これを採る為に頑張って探したからね~♪ さあ、どうぞ」
「凄く甘い香りが漂ってくるわ、透き通るような黄緑色がとても綺麗だし、食べるのが勿体ないね」
「くぅぅ、美味しい~~~♪」
「うわ~ これ本当に美味しいですね、人気があるのも分かります」
「これは、果物好きのナギサには最高の御褒美ね」
「良いね。僕も幸せ♪」
「フフ、是非、お客様用にストックしておきたいですね」
「リラ姉~ 自分で食べなきゃ勿体ないよ~」
「あはは、お土産用以外は売らずに取っておきますから大丈夫ですよ」
「えっ? 売らないの? これ1つ100万円以上で売れる筈なんだけど」
「「「「「「えっ?」」」」」」
「知らずに食べてたの? 大阪で売ったらもっと高額で売れるかもよ」
「美味しいだけあって、メチャクチャ高いんだ。まあ、それでも食べちゃうけど」
「あはは、自分達で採って来たから無料ですもんね♪」
「ああ~ お腹一杯よ。こんなに食べたの久しぶりかも。それにしても、この部屋って凄いね? こんな部屋借りるのってメチャクチャ高いんじゃないの?」
「ん~ どうせバレちゃうから言っちゃいますけど、ここは僕達の部屋なんですよ」
「へっ? 大阪に住んでるんじゃないの? 引っ越しの準備までしたじゃない」
「大阪に住んでますよ」
「ちょっと、何言ってるのか分かんないんだけど?」
「あはは、だから此処が大阪にあるヨウ君の部屋なのよ」
セツナさんはスマホを取り出してマップを開き、現在位置を確認しているようだ。
「う、嘘でしょ? 本当に大阪じゃない! 私が寝袋に入ってたのって30分も経ってなかったわよ、戦闘機にでも乗って空を飛んで来たって言うの?」
「ん、惜しいね、大体正解だよ」
「ま、まさか。いえ、そうとしか考えられない・・・大阪に現れた飛行生物って貴方達だったのね」
「「「「「「おお~ パチパチパチ!!!」」」」」」
「パチパチって、あ~ 頭が混乱してきたわ」
「じゃ、落ち着くためにも一緒にお風呂行こっか」
「えっ? ちょ、ちょっとーーー」
セツナさんは5人の女性達にお風呂へ連行されていった。
流石に僕も行く訳にはいかないので、大人しく待つことにした。
何時もより長めのお風呂タイムが終わったのか、皆がお風呂から出て来たようだ。
セツナさんを見ると、予想通り凄く綺麗になっていた。
前髪まで長いスーパーロングだったので顔が隠れていたけど、今は軽くウエーブが掛かった艶のある美しい髪が左右に別れ、小さくて美しい顔が露出している。
化粧もしているのか、大きな眼の輪郭がハッキリとしており、赤い口紅を引いた唇が妖艶な大人の色気を醸し出している。
「うわ~ 綺麗になりましたね。自分で見た感想はどうです?」
「鏡を二度見しちゃったよ。どんな魔法を掛けたんだよー?」
「さっき食べて貰ったローストですよ、ケルピーって魔物からドロップするお肉なんですけど美容効果があるんですよ、もちろん未確認素材です!」
「一体どれぐらいの未確認素材を持ってるのか・・・嬉しいけど恐ろしいわ」
「あはは、沢山あるので後で全部見せますね。でも、先に専属になってくれた特典を説明します」
「ふえっ? こんなに綺麗にして貰ったのが特典じゃないのかい?」
「にひひ、驚くのはこれからだったりして」
「あー、混乱から頭痛に変わって来たよー」
僕は専属になってくれた特典として、職人さん達に習得して貰っているスキルを次々に出していき、説明しながらドンドンとセツナさんにも習得して貰った。
最後にピークベリーと言う不老になる果物を、ちゃんと説明してから食べて貰う頃には、完全に理解不能になったのか虚ろな表情になっていた。
「やっぱり、悪魔との契約だったんじゃないか?」
「ブッ!? 言っときますけど、僕は日本人ですからね?」
「私には神か悪魔にしか思えないよ? 本当に魂まで取られそう」
「んふふ、魂なんて取らないけど、処女は盗られちゃうかもね♪」
「ナハハ、ネタとして言ったんだけど、私で良ければ喜んで上げちゃうね。
研究ばかりしてたから彼氏を作る時間も無かったしさ。
もちろん、誰でも良い訳じゃないけどね♪
でも、こんなに綺麗な女性達に囲まれてるんだ。
私の様な売れ残りに興味なんて無いだろ?」
「そんな事ないですよ、セツナさんは綺麗だし魅力的な女性です。
僕に好意を持ってくれたら凄く嬉しいですよ?
でも、今日は色々と混乱してるでしょうから、ゆっくりと休んで下さい。
僕マッサージしちゃいますね。さっ、ソファーに寝転がって下さい」
「また、驚くような事じゃ?」
「そんなんじゃないわよ、不摂生しすぎで疲れが溜まってるんだからヨウ君に任せなさいって、すっごいんだから」
「分かったよ、もう驚き疲れたしね」
僕はうつ伏せに寝転がったセツナさんに<ヒール>を織り交ぜながら、<看破>スキルを駆使して全身に溜まった疲労を回復するようマッサージをしていく。
「よし、こんなもんかな。どうですかセツナさん?」
「ウフフ、セツナさん寝ちゃったみたいよ」
「よっぽど疲れてたんだね~」
「ありゃ、でも、明日の朝には疲れも完全に取れてると思うんで、客室で寝て貰いますか」
「にひひ、ヨウ君。襲っちゃ駄目よ?」
「そ、そんな事しませんよ、怖い事言うんだからナギサさんは」
「久しぶりに帰って来たし、僕達もゆっくりしよっか」
「あっ! ツドイさんも疲れてます?」
「ん? ああ、僕は元気だから大丈夫だよ」
「なになに~ やっぱりちょっと興奮しちゃったのかな?」
「そんな事ないですけど・・・」
「ヨウ君? 今日はツドイだけなのかしら?」
「ええと・・・皆さんも良いですか?」
「「「「「良いですよ♪」」」」」
僕は久しぶりに帰ってきた部屋で皆と軽くお酒を飲みながら会話を楽しんだ。
その後は淫らな夜になっちゃいました。
最近、女性同士でのキスが流行っちゃって、僕の興奮が止まりません!
翌朝、凄く良い匂いがして目が覚めると、アヤメさんが小鳥の様なキスで起こしてくれていた。
僕は思わずアヤメさんの背中に手を回し、抱き締めてしまう。
「うあっ! もう、吃驚するでしょ」
「あはは、おはようアヤメさん」
「んふふ、おはよヨウ君、そろそろ起きよっか」
「はい」
「周りを見ない方が良いわよ、起きれなくなるかも?」
「アヤメさんだけでも絶景過ぎて、起きたくなくなってるんですけど?」
「もう、見過ぎよ! 皆起こすから毛布被ってなさい!」
「了解です・・・」
「んふふ、そんなに残念そうにしないの、気持ちは分かるけどね~」
それからアヤメさんは皆を起こしてくれ、今は朝食を作ってくれている。
「どうしたの、リラ姉?」
「いえ、何でも無いのですが、いけませんね。朝に弱くなってきたのか目覚めにくくなってしまいました」
「え~っと、それは仕方ないと思うよ。リラ姉」
「そだよ、きっと僕達以外なら昼まで目覚めないかもだしね」
「「「うんうん」」」
「若干、リラんときはヨウ君が激しいような気がするし?」
「そ、そんな」
「ん~ 結果は皆、同じになるんだけどね」
「そう言えば、ツドイってキス上手すぎない?」
「ん? 僕に惚れちゃった?」
「そんな訳ないでしょー。でも、ツドイって男装似合いそうよね?」
「フフ~ 分かる分かる、背が高いしね」
「も~ ヨウ君が居るところで女子トークしないの、ヨウ君が照れてるでしょ?」
「あ、あはは」
アヤメさんが言う通り、少し照れていたらセツナさんも起きて来たようだ。
「おはようございます。セツナさん」
「おはよう、ごめんなさいね。昨日私寝ちゃったんだ?」
「昨日の事って、夢じゃ無かったんだね?」
「んふふ、もっかい鏡見てみる?」
「此処に来るまでに部屋の鏡を何回も見ちゃったわよ。
昨日の信じられない様なスキルや素材って、どれぐらいの価値があるのやら。
これだけして貰ってから言うのも何だけど。
私の研究に、それ程の価値があるとは思えないんだけど?」
「それが、そうでも無いんですよ。えっと、リラさんから説明して貰っても良いかな?」
「畏まりました。まず失礼とは思いますが、セツナさんの事は調べさせていただきました」
「なるほど。まあ、そりゃそうよね」
「フフ、もう御理解いただけるとは思うのですが、ヨウ様には秘密が多いので信用に足る人物でないと、とても専属など頼めないのです」
「私は、一応合格したって訳ね」
「はい、最終的にはヨウ様の判断となりますが、私の目から見てもセツナさんは容姿、性格共にヨウ様の好みのタイプですので、お勧めさせていただきました」
「えっ? そうなの?」
「んふふ、ヨウ君って、年上のお姉さんタイプが好きなのよね」
「にひひ、後は胸の大きな女性かな? セツナさんも、かなり立派だもんね~」
「ナハハ、そうだったんだ。邪魔だと思ってたんだけど、初めて胸に感謝しなきゃね」
「うぅ~ 否定はしませんけど、それだけでセツナさんに専属をお願いしたんじゃないですからね? あのスタミナポーションを鑑定しましたけど、見事な出来栄えでした。効果が強すぎるぐらいですよ」
「あ~ そっか、<鑑定>スキルがあるんだったわね、これ凄いスキルだよね? 研究者には垂涎物だわ」
「僕達の専属をしてくれている職人さん達には、全員セツナさんと同じスキルを渡してるんですよ」
「そっか、私の他にも専属の職人さん達がいるのね。そりゃ、あんな凄い素材なら普通の所に出せないわよね」
「そうなんですよ。セツナさんが専属になってくれたお陰で、今まで売る事も出来なくて死蔵してた素材が、ようやく活用出来るようになるんです」
「そして、私は希少素材が手に入ってWINーWINって訳ね」
「あはは、そうですね。僕からも是非、お願いしたい事もありますし」
「それは、聞いておきたいわね」
「はい、実はケルピーの肉みたいな美容効果の高い物をポーションの様に摂取しやすくなったら便利になると思うんですよ。
後は、美容効果の品質を下げると言うか、一般向けに販売出来るようにならないかなと」
「なるほどね~ 確かにこんなの世に出したら、効果が高すぎて市場がパニックになるわ。美容効果を落として数日で効果が無くなるようにすれば、一般にも開放出来るわね」
「へええ~ ヨウ君そんな事考えてたのね、確かにそんな物が出来たら絶対売れると思うわ」
「後は、ピークベリーも同様ですね」
「あの、とんでもない不老効果ね? くぅぅ~ 何て遣り甲斐のある研究かしら♪ 分かったわ任せて。効果を上げるのは難しいけど、効果を下げるなら何とかなると思うわ」
「フフ、ヨウ様。それが、もし完成したら販売先の企業も探しておかなければいけませんね」
「それなんですけど、高級クラブのスズカさん経由で紹介して貰えるんじゃないかと思ってます。東京の高級クラブのママさんにも頼めそうですしね」
「なるほどね、あれの効果ならスズカさん達が宣伝してくれてるみたいなもんだしね」
「三日月君って、商才もありそうだね」
「そんな事ないですけど、良い物は世の中にも還元したいじゃないですか」
「直ぐに取り掛かりたいけど、研究室の機材を出す所ってあるのかな?」
「この部屋の下階に以前、私が使っていた部屋があるのですが、機材を置きやすい様にリフォーム致しますので半日程お待ちください」
「分かったわ。それまでスキルの練習しとこっと」
セツナさんはリフォームが終わるまで部屋にいるそうなので、僕達は東京のお土産を渡す為にギルドへ行く事にした。
お土産用のプラチナマスクメロンは綺麗に箱詰めして用意してある。
僕達は久しぶりの梅田ギルドを訪れ、部長さん達に連絡を入れて貰うと、何時ものVIPルームに通してくれた。
すると、直ぐに瀧見社長、斗沢支部長、岩永部長がVIPルームに来てくれた。
「おかえり三日月君。中々派手にやったみたいだね」
「ただいま帰りました。ちょっと、ゴタゴタしましたが楽しかったですよ」
「あはは、自慢したがりの古戸の奴を助けてやってくれてありがとう」
「いえいえ、少し意地悪だったかもしれませんけど、クズみたいな冒険者が減るのは良い事かなと思ったんですよ」
「古戸から謝罪の電話があったよ。これから大阪ギルドに対し全力で協力体制を整えるので三日月君に便宜を図って貰いたいとね」
「へえ~ 中々律儀な人だったんですね」
「それだけ此度の事に感謝しているのだろう」
「分かりました。その謝罪は受け取っておきます」
「それと、今日はお土産を持ってきたんですよ。良かったら皆さんで分けて下さい」
僕はVIPルームのテーブルに、プラチナマスクメロンを30個ほど置いていく。
「これは、また凄いお土産だね」
「流石に社長さんですねご存知でしたか。皆で採って来たんですよ」
「三日月君こそ流石だね、入手困難なため希少品だと聞いていたのだが、こんなにも手に入れるとは驚きだ。恥ずかしながら私もまだ食べた事がないんだよ、これを持って帰ったら家族の喜ぶ顔が目に浮かぶよ」
「それは良かったです。数は足りそうですか?」
「ああ、もちろん。多すぎるぐらいだよ、ありがとう」
「じゃ、僕達はアヤメさん達の同僚である、受付嬢さん達にも渡して帰りますね」
「なるほど。きっと、喜ぶと思うよ」
ついでに瀧見社長さん達に、次のオークション用のスキルを幾つか渡して部屋を後にした。
受付嬢さん達にはアヤメさんとナギサさんがお土産を持って行ってくれるので、久しぶりにギルド内にある喫茶店でコーヒーでも飲んで待つ事にした。
「アヤメにナギサじゃない。しばらく見なかったわね」
「ちょっと、東京に行ってたのよ」
「旅行か~ 良いわね~」
「ん~ 半分仕事かな? それより、お土産持って来たわよ」
「半分仕事なのに買ってきてくれたんだ♪」
「買ってきたんじゃなくて採ってきたんだけどね、控室に置いてあるわ」
「わ~い♪」×受付嬢全員
「えっ? お土産って、このメロンなの?」
「ちょっと良く見なさいよ、これプラチナマスクメロンよ?」
「えええっ!!!」×受付嬢全員
「二人共、これどうしたのよ?」
「だから、採ってきたんだって、一生懸命探したのよ?」
「んふふ、ナギサはフルーツ好きだから、必死だったもんね~」
「皆も嬉しいよね?」
「あ、当たり前じゃない。これってメチャクチャ高いのよ? 分かってるの?」
「ん~ 大阪で売る方が高いって言ってたけど?」
「待って私分かるわ。ええっと・・・状態にもよるけど1つ300万円ぐらいね」
「えええっーーー!!!」×受付嬢全員
「本当に貰っても良いの?」
「大丈夫! 全部採ってきたんだから無料だよ。それに、まだまだ一杯あるからね」
「凄いわ! ありがと~♪」
「うわ~ 早速査定しないと♪」
「こらこら、お土産を売るな!」
「ナギサ? オークションに出した方が高く売れるかな?」
「だから、お土産をオークションに出すな!」
「そんな事、言ってると持って帰るわよ?」
「じょ、冗談に決まってるでしょ、あはは」
「あはは、じゃないわよ目がマジだったわよ、一人一つ持って帰ってね~もちろん、今食べるやつもあるから」
「やった~ 大好きよ二人共♪」×受付嬢全員
「調子良いわね~ んふふ、でも喜んでくれて良かったわ」
「でも、凄いわね。二人共こんなに高い物を採って来れるなんて、ダンジョンの深い所でしょ?」
「まあ、そうなんだけどさ、リーダーが強いから問題なく行けるのよ」
「少しは聞いてるけど二人が専属になった若い冒険者よね? そんなに強者なんだ~ 社長もペコペコだったもんね」
「ん~ 言葉にするのは難しいけどヨウ君は超人ね。でも、とっても優しいんだよ」
「確かに言葉では表せないわね、とても素敵な人よ」
「うわ~ 二人共絶賛じゃない? 取り合いになりそうね?」
「「あはは♪」」
「まあ、普通はそう考えるわよね」
「ヨウ君は、色々と超越してるから説明出来ないわよ」
「ちょっと二人共、何言ってるのか分かんないわ、紹介ぐらいしてくれるんでしょ?」
「んふふ、機会があったらね」