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第9話 美人と飲むお酒は格別です


「お待たせ~ヨウ君。さあ、行きましょうか」


「はい」


「今日は高ーいお寿司って言いたい所だけど、個室が良いから私が良く行く居酒屋さんで良いかな?」


「はい、いつもアヤメさんに店を教えて貰ってるから、今度僕も良い店調べときますね」


「んふふ、楽しみにしてるわ♪」


「あの~? 今日はすみませんでした。あんなに大変になると思わなくて」


「ほんとーに驚いたわよ、ヨウ君ったら行き成りあんな条件出すんだもの、生きた心地しなかったわ」


「でもまあ、まだハッキリと聞いてないけど、お給料が倍以上になるみたいだからメリットも大きいのよ? だから、お礼言っとくわね、ありがとうヨウ君」


「いえ、そんなお礼なんて良いですよ。すみませんでした」


「うふふ、まあ私の事よりも、ヨウ君凄い部屋を貰ってたわよね、引っ越しは明日?」


「なんかトントン拍子で話が決まっちゃって、そう言う事になりました。


今住んでる部屋も狭いし殆ど寝るだけでしたけど、凄く気に入ってたんですけどね~」


「んふふ、ヨウ君って殆どダンジョンに居るもんね、本当に好きなんだから」


「えへへ! ずっと夢見てましたから、今は楽しくて、楽しくて」


「さっ、着いたわよ。続きは食事しながらにしましょうか」


「はい」



 アヤメさんが連れて来てくれた店は居酒屋って言ってたけど、地上20階にある個室から夜景が見えるようなメチャクチャ良い店だった。



「・・・都会の居酒屋さんって凄いんですね」


「んふふ、驚いた? 此処は特別なのよ、会員にならないと入れないの♪」


「さっ、先ずは乾杯しましょうか」


「あっ!? でも、僕お酒飲めないですよ未成年ですし」


「何言ってるのよ知らないの? 法令改正されて冒険者は18才からお酒も飲めるようになったのよ?」


「ほえ? そうなんですか」


「そそ、冒険者がお酒飲めないのは、おかしいって15歳から飲めるようにするべきだって意見が多くて。でも、結局18才からになったのよ、タバコは20才のままだけどね」


「そう言う事なら少し飲んで見ようかな」


「んふふ、初めてのお酒ならビールにしとこっか?」


「はい」


「少しもお酒飲んだ事ないの?」


「一滴も飲んだ事ないです」



 あ~♪ もう、顔をプルプル振っちゃって♪


 何て可愛い生き物なのかしら♪ 改めて見ると可愛い顔してるのよね~


 持って帰りたいぐらいだわ。


 あっ!? イケないイケない。こんな事考えてるからナギサに年下好きって言われるのよね。



「あっ 来たみたいですよ、じゃ乾杯しましょうか」


「良いわね。う~ん、キンキンに冷えてて美味しそ~」


「じゃ、鑑定に乾杯!」


「あはは、乾杯~」


「ぷはっ! ほろ苦いけど喉が渇いてたから美味しいです」


「んふふ、そうでしょ~♪ あれっ? そう言えばヨウ君、装備はどうしたの?」


「ギクッ・・・・・」


「どうしたのよ、そんなに汗かいちゃって?」


「・・・アヤメさんには<鑑定>で、どうせバレるから白状しちゃいますけど、内緒でお願いしますね」


「へっ?」



 僕はアヤメさんの目の前で<虚空界>からサバイバルナイフを取り出し、また収納した。



「えっ? そ、それってまさか<虚空庫>スキル?」


「ピンポンピンポン! 大正解!」


「えええっ? 正解って、ヨウ君まさか<虚空庫>のスキルオーブも手に入れてたの?」


「はい、正直に言うとドロップしたので自分で覚えちゃいました♪」


「・・・ハァ~~、今日はもう驚き疲れたわ。ヨウ君って本当に強運の持ち主なのね? もう神か悪魔かってレベルよ」


「えへへ! なんかドロップ運だけは良いみたいですね」


「えへへって軽いんだから、<虚空庫>もすっごく高く売れるわよ?」


「僕もそれは分かってたんですが、どうしても欲しかったから使っちゃいました」


「まあ、そうよね。冒険者には垂涎のスキルだもんね、それは分かるわ」


「ヨウ君って不思議な人ね?」


「そうですか? 唯の田舎者ですよ?」


「フフ、後ね、いくら私が<鑑定>スキルを覚えたって言っても、ヨウ君の個人情報であるステータスを勝手に見たりしないんだからね?」


「ありがとうございます、助かります♪どうしたんですか? ジト目が痛いんですけど」


「その言い方は、未だ何か隠してるわね?」


「えっ? ええっと・・・アヤメさんには何時かきっと話します、今は未だ勘弁して貰えませんか?」


「ふ~ん・・・まあ良いわ、話したくない事もあるもんね。ヨウ君って不思議な人ね、この間初めて会ったばかりなのに、もう何回驚かされた事か・・・」


「あはは、僕もアヤメさんには驚きの連続です」


「そうなの? 私なんかしたっけな」


「さ、さあ、食事も注文しましょうか、僕お腹減っちゃいました」


「そうね、ここって焼肉が美味しいのよ食べてみて」


「うわ~、僕焼肉大好きです」


「んふふ、いっぱい注文しとくね」


「そういえば聞き忘れたけど、ヨウ君の専任担当者って誰にしたの?」


「ギクッ! す、すみません」


「えっ?」


「すみません僕、受付嬢の方はアヤメさんしか知らなくて・・・」


「えっ? ってことは私なの? 私がギルド休みの日はどうしてたのよ?」


「ええっと、売りに行きませんでした」


「・・・どうりで大量のスライムボールを売りにきた訳ね、でも私専任出来るのかな?」


「あっ? アヤメさんを望むなら、もう一人補助の人を選ぶように言われました」


「あ~、やっぱりね。私の友達で良かったら紹介するわよ?」


「本当ですか助かります、是非お願いします」


「明日頼んでおくわ、ナギサって言うのよ覚えておいてね」


「はい、分かりました」


「そうなると一度ヨウ君の部屋に行かないといけないわね。明日ナギサと食事に行く予定なんだけど、新しいマンションに寄っても良いかしら?」


「はい、午後から鍵の引き渡しがあるそうなので夜なら大丈夫です、午前中はダンジョンに潜ってると思います」


「も~、本当に好きなのねダンジョンが」


「えへへ! 楽しくて仕方ないです♪」


「じゃ、ナギサと食事に行く前に少しだけお邪魔するわ」


「分かりました、お待ちしてます」


「んふふ、実は一度見てみたかったんだ、ヨウ君が貰った部屋ってギルドじゃ有名なんだよ?」


「そう言えば最上階って言ってましたね」


「そうよ、きっと驚くほど豪華な部屋よ」


「へえ~、僕も楽しみにしときます」


「そういえば、ヨウ君ビールカパカパ飲んでるけど大丈夫なの?」


「えっ? 何がですか?」


「ふ~ん、ヨウ君お酒強いのかもね、普通初めてお酒飲むならもっと酔っちゃうのよ?」


「あ~、そういえば全然平気です。そっか僕お酒強かったんですね」


「まあ、弱いよりは良いわよ。それにお酒強かったら一緒に飲みにいけるしね」


「行きます! と言うか僕もお店調べておきます」


「じゃ、今度から交代でお店決めましょっか?」


「うわ~、本当ですか? 僕嬉しいです♪」


「もう、そんな事で喜んじゃって可愛いんだから♪」


「えへへ! あの~? アヤメさんって彼氏とか居るんですか?」


「痛い所を突くわね・・・居ないわよ?」


「そ、そうですか♪」


「あによ?」


「な、何でも無いですよ?」


「中々良い出会いって無いのよね~・・・どっかに可愛い男の子居ないかな?」


「えっ? ええっ?」


「んふふ、冗談よ♪」


「ア、アヤメさん~」



 それからアヤメさんと色々な話をして楽しい時間を過ごし、そろそろ帰る時間になった。



「ふぅ~、私の方が少し酔っちゃったかな」


「アヤメさんもマンションに住んでるんですよね? 僕下まで送りますね」


「直ぐ近くだから良いわよ?」


「いえ、都会は危ないって言いますから送ります」


「んふふ、送りオオカミさんの方が怖かったりして?」


「そ、そんなつもりはありませんから」


「んふふ、じゃ甘えちゃおうっかな♪」


「はい♪」



 外へ出ると空気が少し冷たくなっており気持ちが良かった。


 アヤメさんの方に目を向けると、ほんのりと頬を赤らめ風に流れる髪がとても似合っていた。


 本当にこんなにも綺麗な大人の女性が存在するんだなと、感心して見惚れてしまう。


 アヤメさんの言う通り直ぐにマンションへ着いてしまい、少し残念な気分になる。



「ここが私の住んでるマンションよ。ありがとね」


「いえいえ、うわ~! 大きなマンションですね」


「ん~、ちょっと良い方かな? ヨウ君も泊ってく?」


「ええっ?」


「んふふ、冗談よ♪ じゃ、また明日ね。今日は御馳走様」


「はい、また明日よろしくお願いします」



 僕は手をブンブンと振りながら、アヤメさんに別れの挨拶をし家に帰る。


 まだドキドキする。アヤメさんの冗談は心臓に悪いな・・・幸せだけど♪


 駄目だアヤメさんの事を考えるとニヤニヤが止まらない。大阪へ来て本当に良かったと改めて思う。


 自宅へ到着し改めて部屋を見ながら、今日が最後だと思うと寂しい気持ちになるな。


 まあ、殆ど何も置いてないから旅行先みたいだったけど。


 家に着いた僕はシャワーを浴びてから直ぐに寝る事にした。


 翌朝、忘れ物が無いか確認しシッカリと鍵を掛けてギルドへ向かう。


 十日程しか住まなかったけど、大阪へ来て初めての家だったから忘れないと思う。


 ギルドへ着いてから忘れないように鍵を返しておいた。


 ギルドのカフェで軽く朝食を取り、ダンジョンへ向かう事にした。


 カフェで朝食を食べていると、大人になったような気分になるのが心地良い♪


 そういえばサバイバルナイフも自分で手入れしているけど、ちゃんと研ぎ直しに出さないといけないな。良い武器屋さんも探しておかないと。


 ダンジョン前で何時ものようにギルドカードを提示すると、職員の方が驚いていた。


 そういえば今日からSランクのギルドカードだったんだ。


 日本で二人しか居ないなら驚かれても仕方ないか。しかし、目立つのは考えものだな~


 今日は昨日行った地下4階からスタートする事にした。


 昨日入手した<追加攻撃>がメチャクチャ便利で、スケルトン相手に相性の悪いナイフでも簡単に倒す事が出来る。


 でも、基本的には光ってる魔物以外はスルーしてドンドン先へ進んで行く。


 そこそこ進んだ所で今日も見つけてしまった・・・


 スキルオーブを持っている魔物だ。少し思う所はあったけど倒しに行くよね。


 そして、問題なく、また<鑑定>のスキルオーブを手に入れてしまった。


 ・・・そろそろ自分が怖くなってきたが、大事に<虚空界>に収納しておく事にした。


 SPオーブもちょこちょこ入手し、地下5階へ下りる階段を発見した。


 当然下りて転送クリスタルに触っておく。


 ここの魔物は狼型の魔物だった。


 狼型の魔物は中々のスピードだったので、以前の僕なら間違いなく怪我をしていただろう。


 しかし、ステータスを上げ<敏捷強化>スキルを習得した今の僕には相手にもならなかった。


 でも、訓練相手には丁度良い魔物かもしれない。


 地道に戦闘訓練をしながら狼型の魔物を倒していく。


 たまに蹴りも使うので、そろそろレンタル装備から自分にあった装備を新調しても良いかもしれない。


 この階でも魔物を倒しながらドンドン進んで行くと居た。


 スキルオーブを持っている魔物だ!


 この魔物はどんなスキルを落とすのか楽しみにしながら討伐すると、無事地面にはスキルオーブが転がっている。


 僕はワクワクしながら早速確認してみると<気配感知>のスキルオーブだった。


 おお~! 正に定番中の定番とも言えるスキルだ!


 喜んで習得する事にした。


 スキルを覚えた瞬間から魔物の位置が分かる様になった。


 魔物の位置から大体の道筋も分かるので<マッピング>が楽になるし、これは良いスキルを手に入れた。


 これで益々ダンジョン生活が快適になりそうだ。


 これは是非、重ね掛けしてみたいスキルなので今度来るときも探してみよう。


 そういえば、同じ階層でスキルオーブを持っている魔物を見た事ないな。


 ひょっとしたら1日1階層に1体のみPOPするのかもしれない。


 そう考えると欲しいスキルがあれば1日1回取りにくれば良いのか・・・


 スライムの時も1日1体だったし、一応覚えておこう。


 <気配感知>のお陰で<マッピング>が捗り、下へ下りる階段も見つけやすくなった。


 地下6階に下りる階段を見つけたので、今日は此処で帰る事にした。


 もちろん、シッカリと転送クリスタルには触っておく。


 チラッと魔物も見たが、地下6階はクマのような魔物だった。


 約束の時間が近づいてきたので、昼食を取る前に新しい家の鍵を受け取りに行く。



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― 新着の感想 ―
予備の武器も買って、収納しておくべきでしょうね。
ちょっと気になったんですが、物語は基本的に一人称視点で進めるもので、主人公視点からいきなり数行だけヒロイン視点とかになると読みずらいです。
Sランク、というかランクの基準ってなんなんだろ? 貢献度(買取価格)? レベルも無さそうだし、強さは装備の質ぐらいだよねぇ、金貯めてSPオーブ買いあさって強くなるのかな? 他の人は…… この世界の金持…
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