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完
世界は消えた
神がいなくなり、全て自分達で生きる時代が始まったのだ
人々や生物達は暗闇に怯え恐怖し迷うそんな世界に、、
いや、、そうだろうか、、そんな世界になるのだろうか
人間や生物達は始めて自分達の足で進む世界が始まるのだ
恐怖しながらも、一歩ずつ、自分達で前に進む世界が
きっとのんびり月でも眺める世界がやってくるはず
月神世一は、溜息をつきながら夜空を見上げた。今日もまた、何をやっても上手くいかない一日だった。仕事では些細なミスを連発し、帰り道では財布を落としてしまった。そんな彼の目に飛び込んできたのは、都会の喧騒を忘れさせる、ひときわ美しい月だった。
「はー、今日もついてないな……。あー、今日は月が綺麗だ」
世一が呟くと、背後から優しい声が聞こえてきた。
「こんばんは」
振り返ると、そこには見知らぬ女性が立っていた。彼女は、月の光を浴びて、まるで絵画から抜け出してきたかのような美しさだった。
「あ、はい。こんばんは」
世一が答えると、女性は微笑みながら言った。
結「月が綺麗ですね」
終わり