起点
初心者ながら書かせて頂きました。どんなに些細なことでもよいのでコメントくださると嬉しいです。日本語の練習にもなりますし…なんでも受け付けますよ!
高校ニ年の春、大量の声援の中、俺は生まれてからずっと続けていたサッカー、いや青春に別れをつげた。16歳という若さで親を亡くし、そして足に大怪我を負ったからだ。
そして思い知った、どんなに頑張っても不幸一つで幸せは、いとも簡単に砕ける事を...。
それから一年、また桜が散る季節に俺はただ何かが抜けた感覚を残しながら、学校に登校している。
ただそんな日常は...
「つまんな」
そんな一言だけで完結する。ただ充実していないわけじゃない。友達もいるし、怪我のお陰で部活などの面倒事に入る必要もない。親は居ないものの、遺産そして、バイトで稼いだお金で充分な生活ができている。
今の日本の経済はとてもと言っても良く学生でも多少、きつい所でバイトすれば払いはいい。卒業した後はこのバイト先で就職すると決めている程だ。
「ちょっとどいてくんない?邪魔」
「...ああ、ごめん」
ただぼーっと眺めていた冷蔵庫の前を妹の為に退ける。
今時では珍しいショートヘアの黒髪に加え、泣きぼくろが印象的な凛々しく清廉な顔立ち。学校でも人気者の正しくクールビューティーな妹。こんな邪険な存在として扱われているが、昔はとても可愛げがあったし俺の夢を応援してくれていた。悲しいことに諦めたと同時に大喧嘩してしまい、一年もの間この状態だ。
悲しいが俺には夢はなく、強いて言えば愛を大学に進級させて、好きな事をやらせる事を目標にしている。喧嘩はしているが、唯一の家族というのもありこの世で一番大事にしている。幸い母さん達の躾がとてもよく、喧嘩した後になっても彼女は学校で優等生をしている。本当にグレなくてよかった...そう振り返っていた時だった。
「ねぇもう...」
「なに?」
「何でもない」
「...」
下を俯く彼女が何を言いたいのかわかっている。
『足の治療をしなくてもいいのか?』と言いたかったのだろう。久しぶりにそんな事を言う素振りを見せた。最後にああ言ったのは二年から三年に進級する時だったか。
でも...正直もう“期待”されたくないんだ、いや多分俺が求めているのはそんな言葉じゃなく、もっと違う、言葉にできないようなものだ。
そんな事を考えながら、部屋に向かう為に階段を登る。登るたびに脚にズキズキと小さな痛みを感じる。
「もう...昔の俺には戻れないんだよ...」
再びそんな事を言いながら力一杯に唇を噛み締めた。自室の扉を開け、今考えていた事を忘れる為にゲームを起動する。
ベットに座り、ふと自分の棚に目を映す。
昔の写真。優勝トロフィーを妹と一緒に持つ写真。一枚だけじゃなく何十枚もだ。
「やっぱり...捨てるか」
毎日そう呟く。しかし今日まで行動に移しきれていない。抜けている何かが満たされるからだろう。
きっと今も昔の栄光に捕まっていたいからだろうか?
それか、過去に戻りたいのだろうか?
いや、過去を思い出すと辛い、苦痛でしかない。本当にわからない。
何故、満たされるのだろうか。ただ一つわかるのは...楽しかったな。
「あ、ロード終わった」
その日はただゲームをして、次の日を迎えた。
いつもの時間アラームが起動し起き、洗面所に向かい、その後部屋で支度をする。
制服に着替え、階段を下り、尻目に見える妹を無視し一直線に家を出る。
早く起きるのにも理由がある。脚の都合上、自転車通学はきついのだ。その為、早く起き、歩きで行く。
学校までは30分ほどだが、道中でコンビニにより、朝飯と昼飯を同時に買う。この時、どちらもおにぎりにする。
とっくに飽きている味だが、腹持ちがいいのでこれらを買う。
「何も感じなくなるもんなんだな」
おにぎりを食べながらそう呟く。
学校に着く頃には、かなりの人たちが学校に到着しているものだ。
まぁ俺はそんな人混みを避けながら、自分のクラスに向かうのだがな。
ふと一年のクラスが目に入ったので、少し覗いてみる。ちょうど妹のクラスだったらしく、妹が数人のクラスメイト喋っている光景を見る。
楽しそうに笑う彼女を少し眺めた後、静かにその場をさり、授業始まるまで自席で静かに暮らす。
その後はつまらない授業の聞いているふりをし、今日する事をノートにメモしながら考える。
実は今日はやっているゲームが何の情報も出さずに超大型アプデが行わられる日だ。
今はテスト期間中だが問題ない。ここ数日は寝ずにこのゲームをやる。
...と思っていたのだが...家に帰ると妹が俺の部屋に居たのだ。
「え?何してんの?」
「別に...聞きたい事がるだけ」
「そう、さっさと言ってくれ、ゲームがしたいんだけど...」
「ちっ。そのゲームの事なんだけど...」
舌打ちしなくても良くない?俺が何したって言うんだ...
夢を挫折してからずっとこうだ。昔は応援にもきてくれていたのに、俺が何をしたって言うのだ?
「ねぇ聞いてる?」
「ん?いや…」
「はぁ...だから友達に誘われてこれ買ったんだけどやり方が分からないの」
そう言いながらゲームを渡してきた。
「このゲーム...もしかして男?」
「違うに決まってんじゃん。なに?意味わからないんだけど」
VRMMORPG『トワイライト・ゾーン』、西暦2456年に発売されたゲームである。
圧倒的情報量に加えて、最新型の技術を追加する事により、まるで本当にその世界にいるかのようにプレイできるこのゲームは今や絶大な人気を博している。
妹である愛はコンソールは持っているものの動画サイトの動画を見るだけで、ゲームには興味はないと思っていたせいか、パッケージを見た途端、驚きの声を不覚にも上げてしまった。
「なに?いきなり」
「いや、少し驚いただけだ。で何がわからないんだ?」
「えっと、それが...何がわからないのかもわからない」
顔を赤らめ恥ずかしそうに彼女がいう。
「なるほどな...アカウントは作った?」
「一応...でもなんかその後色々出てきて...剣とか、槍とか」
「職業な」
「...うん多分それ」
「ならそれは自分の好きにすると良い」
「...わかった」
照れ臭そうに頷き彼女は自分の部屋に行く。
自分の部屋の扉が閉まるのを見た後、そのままゲームを起動している間にベットを整理しようとしたら...
ガチャと扉がまた開く。
「ねぇ持ってきたよ」
楽しそうにVRを持ち部屋に入ってくる妹よ...コードが地面に引きずっているぞ...故障してしまったらどうする気なんだ。
そんな心配をしている俺を彼女は見た後、不思議そうな顔で...
「もしかして...お楽しみ?」
「ちっがーう!」
ゆっくり扉を閉める愛を止める俺。
「じゃあ...待ち合わせしよ!すぐにろぐいん?するから!」
まさに天使の笑顔を浮かべる彼女に俺は不信感を覚えてしまい、その理由をそのまま彼女に聞いてみたら。
「お前さ...」
「なに?」
「態度変わってね?」
「...」
自分の取っていた態度に気付いたのか、彼女はいつものように表情を閉じ、鋭い眼つきで俺を睨みつけ...
「はぁ?そんな訳ないでしょ?きもい、さっさと入ってくれない?」
あれ?気のせいか?まぁ教室でも笑う所は見たし、これが普通なのか?
そう考えながらVRを手に持とうとしたら...
「お前床だけではやるな」
「え?なんで別に良くない?」
「ダメだ。体を痛めるぞ」
「えー?でもここ以外どこがあるのよ」
「ここ」
「へ?」
そう驚く彼女の視線には、ベッドに指をさす俺の姿であった。
読んでくださりありがとうございます!コメントでどこがおもしろかったのか、どこを改善すべきか教えていただけると嬉しいです