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トワイライト・ゾーン~兄妹喧嘩中です~  作者: 風花
プロローグ
1/10

起点

初心者ながら書かせて頂きました。どんなに些細なことでもよいのでコメントくださると嬉しいです。日本語の練習にもなりますし…なんでも受け付けますよ!

高校ニ年の春、大量の声援の中、俺は生まれてからずっと続けていたサッカー、いや青春に別れをつげた。16歳という若さで親を亡くし、そして足に大怪我を負ったからだ。

 そして思い知った、どんなに頑張っても不幸一つで幸せは、いとも簡単に砕ける事を...。

 それから一年、また桜が散る季節に俺はただ何かが抜けた感覚を残しながら、学校に登校している。

 ただそんな日常は...


「つまんな」


そんな一言だけで完結する。ただ充実していないわけじゃない。友達もいるし、怪我のお陰で部活などの面倒事に入る必要もない。親は居ないものの、遺産そして、バイトで稼いだお金で充分な生活ができている。

 今の日本の経済はとてもと言っても良く学生でも多少、きつい所でバイトすれば払いはいい。卒業した後はこのバイト先で就職すると決めている程だ。


「ちょっとどいてくんない?邪魔」

「...ああ、ごめん」


ただぼーっと眺めていた冷蔵庫の前を妹の為に退ける。

 今時では珍しいショートヘアの黒髪に加え、泣きぼくろが印象的な凛々しく清廉な顔立ち。学校でも人気者の正しくクールビューティーな妹。こんな邪険な存在として扱われているが、昔はとても可愛げがあったし俺の夢を応援してくれていた。悲しいことに諦めたと同時に大喧嘩してしまい、一年もの間この状態だ。

 悲しいが俺には夢はなく、強いて言えば愛を大学に進級させて、好きな事をやらせる事を目標にしている。喧嘩はしているが、唯一の家族というのもありこの世で一番大事にしている。幸い母さん達の躾がとてもよく、喧嘩した後になっても彼女は学校で優等生をしている。本当にグレなくてよかった...そう振り返っていた時だった。


「ねぇもう...」

「なに?」

「何でもない」

「...」


下を俯く彼女が何を言いたいのかわかっている。

 『足の治療をしなくてもいいのか?』と言いたかったのだろう。久しぶりにそんな事を言う素振りを見せた。最後にああ言ったのは二年から三年に進級する時だったか。

 でも...正直もう“期待”されたくないんだ、いや多分俺が求めているのはそんな言葉じゃなく、もっと違う、言葉にできないようなものだ。

 そんな事を考えながら、部屋に向かう為に階段を登る。登るたびに脚にズキズキと小さな痛みを感じる。


「もう...昔の俺には戻れないんだよ...」


再びそんな事を言いながら力一杯に唇を噛み締めた。自室の扉を開け、今考えていた事を忘れる為にゲームを起動する。


ベットに座り、ふと自分の棚に目を映す。

 昔の写真。優勝トロフィーを妹と一緒に持つ写真。一枚だけじゃなく何十枚もだ。


「やっぱり...捨てるか」


毎日そう呟く。しかし今日まで行動に移しきれていない。抜けている何かが満たされるからだろう。

 きっと今も昔の栄光に捕まっていたいからだろうか?

 それか、過去に戻りたいのだろうか?

いや、過去を思い出すと辛い、苦痛でしかない。本当にわからない。

 何故、満たされるのだろうか。ただ一つわかるのは...楽しかったな。


「あ、ロード終わった」


その日はただゲームをして、次の日を迎えた。

 いつもの時間アラームが起動し起き、洗面所に向かい、その後部屋で支度をする。

 制服に着替え、階段を下り、尻目に見える妹を無視し一直線に家を出る。


早く起きるのにも理由がある。脚の都合上、自転車通学はきついのだ。その為、早く起き、歩きで行く。

 学校までは30分ほどだが、道中でコンビニにより、朝飯と昼飯を同時に買う。この時、どちらもおにぎりにする。

 とっくに飽きている味だが、腹持ちがいいのでこれらを買う。


「何も感じなくなるもんなんだな」


おにぎりを食べながらそう呟く。

 学校に着く頃には、かなりの人たちが学校に到着しているものだ。

 まぁ俺はそんな人混みを避けながら、自分のクラスに向かうのだがな。

 ふと一年のクラスが目に入ったので、少し覗いてみる。ちょうど妹のクラスだったらしく、妹が数人のクラスメイト喋っている光景を見る。

 楽しそうに笑う彼女を少し眺めた後、静かにその場をさり、授業始まるまで自席で静かに暮らす。

 その後はつまらない授業の聞いているふりをし、今日する事をノートにメモしながら考える。

 実は今日はやっているゲームが何の情報も出さずに超大型アプデが行わられる日だ。

 今はテスト期間中だが問題ない。ここ数日は寝ずにこのゲームをやる。


...と思っていたのだが...家に帰ると妹が俺の部屋に居たのだ。


「え?何してんの?」

「別に...聞きたい事がるだけ」

「そう、さっさと言ってくれ、ゲームがしたいんだけど...」

「ちっ。そのゲームの事なんだけど...」


舌打ちしなくても良くない?俺が何したって言うんだ...

 夢を挫折してからずっとこうだ。昔は応援にもきてくれていたのに、俺が何をしたって言うのだ?


「ねぇ聞いてる?」

「ん?いや…」

「はぁ...だから友達に誘われてこれ買ったんだけどやり方が分からないの」


そう言いながらゲームを渡してきた。


「このゲーム...もしかして男?」

「違うに決まってんじゃん。なに?意味わからないんだけど」


VRMMORPG『トワイライト・ゾーン』、西暦2456年に発売されたゲームである。

 圧倒的情報量に加えて、最新型の技術を追加する事により、まるで本当にその世界にいるかのようにプレイできるこのゲームは今や絶大な人気を博している。

 妹である愛はコンソールは持っているものの動画サイトの動画を見るだけで、ゲームには興味はないと思っていたせいか、パッケージを見た途端、驚きの声を不覚にも上げてしまった。


「なに?いきなり」

「いや、少し驚いただけだ。で何がわからないんだ?」

「えっと、それが...何がわからないのかもわからない」


顔を赤らめ恥ずかしそうに彼女がいう。


「なるほどな...アカウントは作った?」

「一応...でもなんかその後色々出てきて...剣とか、槍とか」

「職業な」

「...うん多分それ」

「ならそれは自分の好きにすると良い」

「...わかった」


照れ臭そうに頷き彼女は自分の部屋に行く。

 自分の部屋の扉が閉まるのを見た後、そのままゲームを起動している間にベットを整理しようとしたら...

 ガチャと扉がまた開く。


「ねぇ持ってきたよ」


 楽しそうにVRを持ち部屋に入ってくる妹よ...コードが地面に引きずっているぞ...故障してしまったらどうする気なんだ。

 そんな心配をしている俺を彼女は見た後、不思議そうな顔で...


「もしかして...お楽しみ?」

「ちっがーう!」


ゆっくり扉を閉める愛を止める俺。


「じゃあ...待ち合わせしよ!すぐにろぐいん?するから!」


まさに天使の笑顔を浮かべる彼女に俺は不信感を覚えてしまい、その理由をそのまま彼女に聞いてみたら。


「お前さ...」

「なに?」

「態度変わってね?」

「...」


自分の取っていた態度に気付いたのか、彼女はいつものように表情を閉じ、鋭い眼つきで俺を睨みつけ...


「はぁ?そんな訳ないでしょ?きもい、さっさと入ってくれない?」


あれ?気のせいか?まぁ教室でも笑う所は見たし、これが普通なのか?

 そう考えながらVRを手に持とうとしたら...


「お前床だけではやるな」

「え?なんで別に良くない?」

「ダメだ。体を痛めるぞ」

「えー?でもここ以外どこがあるのよ」

「ここ」

「へ?」


そう驚く彼女の視線には、ベッドに指をさす俺の姿であった。

読んでくださりありがとうございます!コメントでどこがおもしろかったのか、どこを改善すべきか教えていただけると嬉しいです

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