初恋の姫君は、竜の神殿にいる 27
「何の導きかはわからぬけれど、時を渡ったのであれば、レティシアの身に負担がかかっているだろうから、今朝の礼拝への参加はやめて休んで……」
レティシアの金の髪を撫でながら、心配そうに、フェリスが告げる。
「え! いえ! 礼拝! 行きたい! 行きたいです!」
ええっ、とレティシアは琥珀の瞳を見開く。
「いや、今日は……」
「レティシアはフェリス様のお祈りを聞きたいのです!」
熱を込めて語ってから、はっ、竜王陛下に、こらこら新しき娘よ、かんじんのオレは? て呆れられるかしら、と焦る。
「僕のお祈りなんて、いつでも……、何なら毎晩、レティシアの為に祈るし」
「いえ、そーいうことではなくて! レティシアは、竜王陛下の神殿で、皆様の為に、お祈りの書をお読みになるフェリス様のお姿を、そっと愛でたいのです!」
あ、いけない。
推し活の欲望が口から溢れまくってしまった。
「……? そんなの何も珍しくもない姿だけど……、それこそ、いま、レティシアが着てる神官服を着てた頃なんて、よくこの神殿にいたし、上手くもない歌もよく歌わせられて……あ、いや竜王陛下を称えるお歌を歌ってたし」
「私には初めてですし、とっても貴重ですし、とっても眼福です!」
ふわあ。
ぜったい可愛いよね、あの小さい可愛いフェリス様が神殿で讃美歌歌ってたら!
ああ、そこも覗き見たかった!
竜王陛下、どうせ時を渡るなら、ちょうどフェリス様が、皆様と讃美歌歌ってるシーンがよかったですー!(いまさらの我儘)
「眼福……いやぜったいそんなたいそうなものではないけど、じゃ、皆とレティシアの為に、いつもよりうんと真面目に、祈りの書を読もう。……ほんとうに大丈夫? レティシア、身体に何処かおかしなところはない?」
「はいっ! どちらかというと、いつもより、元気です! 小さいフェリス様と大きいフェリス様の魔力に包まれてましたので……」
実際に、二人のフェリスから魔力を少し分けてもらったようで、レティシアの身体には力が満ちていた。
「僕のレティシアに触ろうなんて、思わず粉々に砕こうかと思ったくらい、憎たらしい生意気なちびだったね?」
「……ぜったいにダメです! どちらのフェリス様も、優しさでいっぱいでした!」
何故かフェリスの気が黒くなりかけていて、な、何故に? とレティシアはぺたぺたと小さい手でフェリスの頬に触る。
そうするといつも、フェリスの気が綺麗に澄んでいくので。
「……何もわかっていなくても、きっと、目の前にいるレティシアを手放したくないって思ったんだよ。悪い子だ」
「そんなことないですっ。小さいフェリス様は、初めて会った、知らない子も助けてくれる、小さな優しい勇敢な魔法使い様でした!」
もしまた、竜王陛下の気まぐれで時を渡れることがあれば、美味しいサンドイッチとかもっていきたい! とってもとっても可愛かったけど、やっぱりフェリス様、凄く細かったから、何か食べさせたいかんじだったわ! と、むずかる大人のフェリスの腕の中で、レティシアは未来の魔法の時間の計画をしていた。
「愛しの娘よ、神殿では、こんな不埒なフェリスでなく、凛々しいオレの天井絵でも愛でておいで」(from竜王陛下)
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五歳で、竜コミック連載