初恋の姫は、竜の神殿にいる
「何処へ行くのです、ルーファス?」
「は、母上! し、神殿です、僕はレーヴェ神殿にお祈りに……」
忍び足で歩いていたディアナの王太子は、母に見つかって首をすくめた。
「あらそう? 本日のあなたの予定に神殿はあったかしら?」
ディアナ王妃ポーラは、優雅に首を傾げた。
「あなた方、ルーファスの予定はどうなってるの?」
「は、はい、王妃様、本日のルーファス様の御予定は、午前中、歴史の授業、午後は魔法の授業で……」
王妃の問いに、王太子宮の女官が答える。
「神殿は予定にないみたいよ、ルーファス?」
「ぼ、ぼくは、竜王陛下にお話ししたいことがあるのです!」
「何をです、ルーファス? 父なる竜王陛下は何処にもおわします。あなたの居室からでもご相談できてよ」
「竜王陛下の神殿でないとできないご相談なのです!」
ふるふる、ルーファスはがんばって首を振る。
「婚前の沐浴中のフェリス様とレティシア姫には逢えませんよ? 遊びで神殿に滞在されてるのではありませんからね?」
「う……。で、でも、偶然、逢うかもしれません」
「逢えません」
「お、叔父上は、神殿の手伝いごとなどもされていると……」
我が叔父ながら、婚前の沐浴中まで働いてはダメですよ、と思うのだが、フェリス叔父上が、少し朝の礼拝に姿を現したりして、喜ばれてるらしい……。
「そうですね。フェリス叔父上には逢えるかもしれません。……でも花嫁のレティシア姫は、奥まった部屋にいらっしゃるわよ?」
「う、うう……」
母ポーラにやりこめられて、ルーファスは頭を抱えた。
「ルーファスだって、大事な花嫁様は隠しておきたいでしょ?」
「わかりません、僕は婚約したことはありませんから」
最初は、フェリス叔父上が結婚なんて嫌だ、と思ってた。
いやフェリス叔父上が幸せになるならいいんだけど、何だかおばあさまがまたフェリス叔父上に意地悪して、花嫁はうんと小さいって聞いたし。ルーファスと同い年だって聞いたし。サリアって国もよくわからなかったし。
そんな奴、麗しの叔父上に似合うわけないだろ、と思っていた。
でも、サリアから来たレティシアは、ルーファスのどんな想像とも違ってた。
(ルーファス様)
すごく可愛かったし、優しかったし、ふわふわしてたし、きらきらしてた!
(ルーファス様は私の大事なオシトモなのです!)
ときどき、わからないことを言ってたけど、そんなところも可愛い。
わからないけど、あのちびはルーファスのこと、嫌いじゃないと思う。
「そうね。私の大事なルーファスが結婚するのは、まだずっとずっと先の話よ」
「でも、レティシアは……」
レティシアは同い年なのに、もう叔父上のところに、お嫁に行ってしまう……。
うんと綺麗な大人の姫に、叔父上の魔法で化けたりして、レティシアはルーファスの手の届かないところへ行ってしまう……。
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五歳で、竜~コミック三巻表紙❤
五歳で、竜コミック連載