表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15万部突破【書籍⑤巻&COMIC③巻予約受付中】五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました  作者: あや


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

826/834

氷の王子とあの小さな王女について 3


「いとけなきガレリアの民が、わたくしの馬車に物を投げたのです! リリア神殿が悪しきことをしてると誤解して……!」


茹でた蟹が泡を吹かんばかりに訴えている。


「そなたの普段の説教に問題があるのではないか?」


下らぬ、と思いながら、ヴォイドは答えた。


「民は正直なものだ。勘違いで悪い噂が立とうとも、大司教カルロ、そなたに人望があれば、退けられよう?」


「……っ、へ、陛下……っ」


「陛下。ガレリアの民は、ディアナとの諍いを望んでおりません。ディアナと軋轢が生じて、商品の輸出入が難しくなっていることが、此度の騒動の原因かと……」


ブルース伯が遠慮がちに説明する。


「フェリスが物の値段を操作しているのか?」


「いえ。フェリス王弟殿下が指示しているわけではなく……、ディアナの顧客や商人達が怒りを表しているようで……、ガレリアの商品が売れない、ディアナの原料が高騰している、という陳情は数多く受けております」


「レーヴェの娘を攫ったりするからだと、私に果実をぶつけようとした民が呪っておりました。……レーヴェの娘などと! サリアの王女レティシアは、レーヴェ神の血を受けているわけでもないのに!」


「ディアナで人気の高いフェリス殿下もですが、レティシア王女も、人の心を集めるというか……、見たこともないレーヴェの娘の為に、ガレリアの民も義憤を感じているようです。小さな娘を攫うなど、ガレリアの男とは言えぬと」


「ガレリアの男とは言えぬ、か」


ヴォイドは苦笑した。


レティシアを攫わせたのは、ヴォイドなので、ならば立派なガレリアの男と言えぬのは、大司教カルロではなく、ガレリア国王のヴォイドということになる。


(フェリス様は、王位など望んでおられません……!)


迷いのない、美しい琥珀の瞳だった。


ローザンが作ったレティシアは何処か人でないような美しさがあったが、本人のレティシアは可愛らしい、いかにも温かい血を持つ人の娘だった。


サリアの王女は、あの小さな身で、あのディアナの神の貌をした男を従えている。


「それこそ、さらわれた噂のある娘なぞ、ディアナ王弟にはふさわしくない、とディアナの民は怒らぬのか?」


「フェリス殿下とレティシア姫は、現在、レーヴェ神殿で禊中のようで……その折、二人の入場にディアナの竜王剣が喜びに歌った、とのことで、評判は落ちるとごろか、上がるばかりかと……」


「……なんと。こちらの仕掛けた竜王剣の話を逆に使われたか」


ヴォイドは、まさかディアナの竜王剣が本当に鳴ったとは思わず、ディアナ王族とレティシア姫の婚姻の評判を上げる為の仕掛けだろう、と考えた。


「……そ、そうなのでしょうか。婚姻を寿いで、ディアナの神剣が歌うとは、と魔法の塔の界隈では少し騒ぎになっているようですが……」


「しゃらくさいな。……カルロ、魔導士ローザンは罰するも何も、近頃はずっと臥せっておる。夢に恐ろしいディアナ王弟が出てくるんだそうだ。……そんなに不快なら、そなたの朝の広場の説教で、大司教にもリリア神殿にも後ろ暗いところはないと民達が納得するように、説いて聞かせよ。……ブルースは、ディアナには何か詫びの品を贈って、慮外者のしたことでガレリアに悪意はない、と輸入価格の高騰の折衝をさせよ」


竜の神の剣が、あの小さな王女を歓迎して、鳴く?


そんなお伽話があるものか、それにしてもマリウスはディアナの偽王だと、ヴォイドが撒かせた噂がまるで真実のようではないか? 


ディアナでは、千年前の剣が、本当に王を選んだり、歌ったりするのか?


「まことに、ディアナはおかしな国よ」


だが、そのディアナが欲しい。


いにしえの竜に愛された国だか、竜の剣に守られた国だか知らんが。


ディアナには、ガレリアにはない歴史や、名や、豊かさ、長年に渡る他国からの信頼など、多くの資源がある。


「陛下。心得ました。わたくしの教えで、必ずや、迷えるガレリアの民の心を正しき道に戻してみせます! リリア神様はきっと、ガレリアの民が道に迷うことも、ディアナの民が、あのレーヴェ神に似た王弟に誑かされているのも、お悲しみです……!」


ヴォイドがディアナを手に入れれば、もう誰も、ガレリアを新興の国などと笑えまい。


茹でた蟹のような大司教カルロとは、その一点でのみ、気が合っていた。


「私の神殿でレーヴェを貶さないで」(fromリリア神)


1/1にブックライブでコミカライズ先行15話配信されてます!!


三月一日に五歳五巻とコミック三巻が発売になります!

ご予約など頂けると嬉しいです! 活動報告に特典詳細など載せてます♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました』五巻表紙は、大人レティシアとフェリス様です! ご予約などはこちらから

html> 『五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました@COMIC』コミカライズ三巻表紙 ご予約などはこちらから

html> 『五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました@COMIC』コミカライズ連載 1/1先行15話@ブックライブ 2/1最新15話@シーモア

html>
― 新着の感想 ―
自分の欲望を叶える為に神の名を使う、罪深き人たちでしたね(>_<)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ