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15万部突破【書籍⑤巻&COMIC③巻予約受付中】五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました  作者: あや


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氷の王子とあの小さな王女について 2

(ディアナは素晴らしい国だったよ、ヴォイド。千年の歴史と新しいものが共にあり、民はいまもレーヴェ神をとても愛していた。僕たちのガレリアはまだ新しい国だが、千年ののち、我が国もあのような尊敬される国になりたいね……)


ディアナ王立魔法学院に留学して帰ってきた兄は、ヴォイドにそう言っていた。


ディアナから帰ってきて、程なくして、毒を盛られて亡くなったので、ヴォイドは生まれて初めて、兄弟の死に声をあげて泣いた。


ヴォイドの父の先王には多くの子供がおり、そして王の子供たちは呆れるほど簡単に殺された。


死も陰謀も、生まれたときから、ヴォイドとは隣り合わせだった。


ヴォイドが生き残り、王位に就いたのは、陰険な策略家だったからだ、なぞと言われたが、何のことはない、ヴォイドはどちらかというと、目立たぬ地味な王子だったから、生き残ったのだ。


ヴォイドが賢かったからでもなければ、優れていたからでもない。


賢かったり、華やかだったりする兄弟たちは、邪魔だと思われると、すぐ殺されたのだから。


ただ最後まで立っていたから、ガレリアの王冠を手に入れたようなものだ。


(いつかヴォイドをディアナに連れて行ってあげたいな。父上にお願いしておこうね……)


兄との約束は叶わなかった。誰もそんなことは知らない。


それはヴォイドだけが覚えている約束だ。


そして何年も後に、ディアナから『フローレンス大陸でもっとも美しい王弟殿下』が、ガレリアにやってきた。


フェリスがヴォイドの二番目の兄アシュレイに似ていたというわけではない。


フェリスのほうが兄よりずっと美しかったし、何より、ディアナ王弟は佇まいが、どうにもこの世の者とは著しく違った。


それでも、これが、兄の語った竜の国の末裔かと、物珍しい気持ちで、あの異国の神の貌をした少年を見たことを覚えている。


(フェリス殿には、ディアナの王冠が似合う。ディアナの王冠は、マリウス殿ではなく、真の王であるあなたを待ちわびていよう?)


ヴォイドが歯の浮くような世辞を並べて褒めたのに、フェリス少年の形のいい眉が揺れることすらなかった。


最愛の兄を貶されて不快そうに動いただけだった。


子供の頃から神童と崇められたフェリス少年は、何故か凡人の兄マリウスが好きらしい。


その兄マリウスの為に、ディアナ宮廷でずっと窮屈な思いをしているはずなのに。


(とんでもありません、ヴォイド陛下。ディアナの王冠は我が兄のもとで、幸福な治世に安らいでおります。私は父から授けられた愛しい領地シュヴァリエすら、上手に扱いかねる不調法者です)


シュヴァリエはフェリスの管理のもとで飛躍的な発展を遂げているというのに、謙遜も過ぎれば嫌味であろうと思ったが、ヴォイドの勧める強い酒を辞して、甘い林檎の酒を啜る美しい少年には、一分の付け入る隙もなかった。


気の強い王太后に虐められる、聡明だが気の弱い美少年と報告したガレリアの間諜を罰してやりたいくらいだった。


あれの何処が気が弱いのだ。


(フェリス殿は好きな娘はおらぬのか? この娘の為ならば、何でもしてやりたいような)


(残念ながら、私は恋にはとんと疎く、氷の王弟殿下などとディアナで揶揄われております)


ヴォイドも、年頃のよい娘がおれば、フェリスの妃として嫁がせて、フェリスを操りたかった。


だが五歳でもよかったのなら、ガレリア王家の系譜から、とにかくどんな娘でも、ディアナに釣り書きを送ればよかったのでは? と今更に口惜しい。


もっとも、あのサリアの王女レティシアが、マグダレーナ王太后に選ばれたのは、あの王女がサリアで孤立無援だったからだ。


レティシア王女はフェリスの助けにならない、と判断されたから、あの娘は選ばれたのだ。


「恋するディアナの王族ほど、手に負えないものはない、か……」


「陛下? なんと仰いましたか? どうかどうか、魔導士ローザンに罰を与えて下さいませ!」


下らぬ三文芝居の文句を思い出して、玉座のヴォイドが唇に乗せると、大司教カルロが泡を吹かんばかりになっていた。


いったい、どうしてこの男は、茹でた蟹のように怒っているのだろう?



「フェリスは気は弱くないぞ! オレはよく怒られるぞ! 神様なのに! 蟹って食べるの大変だよなー」

(fromディアナの竜王陛下)


とんども終わって新年も終わりですねー。うう、苺もう少し安くなってほしいです~


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