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15万部突破【書籍⑤巻&COMIC③巻予約受付中】五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました  作者: あや


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氷の王子とあの小さな王女について



「カルロが襲撃されたと? 誰にだ? ディアナゆかりの者にか?」


さして興味もなさそうに、ガレリア皇帝ヴォイドは下問した。


「それが……陛下……、ガレリア市民に物を投げられたそうで……」


言いにくそうにブルース伯は奏上した。


「ガレリア市民に? なんぞカルロの説教に不満でもでたのか?」


「それが、そのう……」


「陛下、ガレリアの民の誤解を解き、怒りを鎮めるために、魔導士ローザンめをさらし首にしてください!」


ブルース伯が何と奏上したものか悩んでいると、激昂した大司教が王の広間に現れた。


「ローザンを? 何故じゃ?」


「ガレリアの民は、レーヴェの娘をさらったのは神殿と誤解しております! 魔導士の仕業と証て、あの者に失策の責を負わせてください!」


「ならぬ。ローザンはおもしろい術を使う。レーヴェの娘をまた作れるやも知れぬ」


「あんな小娘に、何故、陛下は執着されるのです!  ディアナ王弟の婚約者といっても、サリアごとき田舎の王女ではありませぬか!」


「田舎の王女、なあ……」


ふふっとカルロの言葉に、ヴォイドは玉座で笑った。


(不肖、薔薇の姫として、私はフェリス様をお守りするのです!)


なんて愚かな、なんて無謀な子供だろう。


しかも守るだと?


リリア神殿を破壊して、涼しい貌をしている男を?


大の大人の名うての魔導士たちが地べたに張り付いて、歯の根もあわぬほど震えて怯える男を、あんな子供が守るだと?


どんな料簡なんだ?


(フェリス様はお人よしなので、人を助けているあいだに、ご自分が危なくなりそうで心配で……)


お人よし。


頭はよさそうに見えたが、あの娘は、少し、言葉を学び直したほうがいい。


何をどうしたら、あの氷のような美貌の男がお人よしに見えるのだ、あの娘には。


女など、いや人など、しょせん、土壇場では強いものに靡くしかない生きものなのに、あの娘ときたら、

良人のフェリスが助けにくる以前から、傲然とヴォイドを拒絶したのだ。


あんなちびの癖に!


あの強さは、あの黄金の輝きは、何処から来るのだ?


それはあの娘自身の強さなのか? 


それともあの神に似た男が与えた強さなのか?


(生憎、僕はヴォイド陛下にも、王権簒奪にも世界征服にも、まったく興味がない。僕は怠け者の引き篭もりの薔薇園の領主だ)


フェリスは、十三、四歳の頃から、大人びて、何にも興味を抱かぬ少年だった。


うまく篭絡させようと、美女を贈ろうと、美しい男を贈ろうと、まったく興味を抱いてなかった。


ただ迷惑そうだった。


ヴォイドの甘言にも、あまたの美男美女にも、財宝にも、何の興味も抱かなかった。


生まれたときから、ディアナの王子なのだから、他愛ないものには興味はないのかも知れないが。


(玉座も、世界も、僕の手には余ります)


違う。


手に余ると思っているのではない。


べつにそんなもの欲しくないのだ、あの男は。


王家に生まれた王子ならば、玉座に欲があってしかるべきだろうに。


あるいは、玉座に欲などなくても、王位を獲らねば、命を脅かされるのが常だろうに。


王女はまだしも、王子の美しさなど何の役にも立たない。


むしろ、必要もないのに、妙に目だてば、殺される。


宮廷とは、そのような場所なのだから。


幼い頃、何の罪もないヴォイドの優しい二番目の兄が、王位を望むものの手で、無残に殺さたように。


優しさも、美しさも、慈愛も、誠実さも、何の役にも立たない。


殺されたくなければ、相手を殺すしかない。


それなのに、あのフェリスやレティシアの清廉さは何だろう?


同じ汚泥に塗れて育とうとも、この世には穢されぬものもあるとでも言うのだろうか?



「推しの解釈違いです! ちびではありません!」(fromレティシア)


成人式を迎えた皆様、おめでとうございます! 素敵な大人になってください!


三月一日に五歳五巻とコミック三巻が発売になります!

ご予約など頂けると嬉しいです! 活動報告に特典詳細など載せてます♪

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