優しい眠りを覚ますもの 5
「こんなに小さいのに……苦労をかけてすまない、レティシア」
「いえ、苦労はかけられてません!」
ふるふる、レティシアは金の髪を振った。
「嫁と姑というのは、どんなおうちでも、それなりにむずかしいものだとお聞きしてます。少しでもお義母様に愛しく思って頂けるように精進いたします!」
王太后様に、レティシアが好かれなくても、全然いいの。
いや、好かれた方がより嬉しいけども。
何かしら、フェリス様のささやかな盾になれれば、それで。
レティシアは王太后様と因縁はないけど、フェリス様は王太后様と何かあるたび、お辛そうなので。
レティシアも、実家にいたとき、血を分けた親族なのだからうまくやっていきたい、サリアの為にも、と考えてて疲れ果てたので。
王太后様とは、世代もひどく違う異国生まれの嫁なのだから、ディアナ育ちの王太后様の望むことがなかなかわからなくても仕方ない、と諦めもつく。
少しでも、フェリス様と王太后様の緩衝材になれればそれでいいの。
その為にこの幼さもいいほうに働くといいんだけど。
「それにお茶会では、マクシミリアン様が意地悪だったせいか、王太后様がお優しく感じました! マクシミリアン様は何故あんなにフェリス様に感じが悪いこと仰るんでしょう? かりそめにも私達の結婚を祝ってくださってもよいのでは……」
ああ、思い出して、腹が立ってきた。心でどう思ってても、そこは祝うとこでしょう? て思うよねっ。
「……フェリスさま?」
フェリス様が胸を押さえて笑いを堪えてる。
「いや……マクシミリアンに怒って時の魔法が解けてしまったレティシアが可愛かったなと………」
「は! すみません、せっかくのフェリス様の魔法を無礼者の為に解呪して台無しにしてしまって……!」
そうだった。フェリス様と竜王陛下を邪神扱いするなんて……! てレティシアが怒ったら、フェリス様の魔法でせっかく綺麗な貴婦人にしてもらってたのに、縮んじゃったんだ。
「ううん? うちのお姫様はいつも勇敢だ、て惚れ直した」
「そこは、いつも短気者の間違いでは……」
フェリス様の優しいキスが額に降りてくる。
ううう、きっとそろそろ起きなくては、なのでは……?
「レティシア様。そろそろ朝の御支度のお手伝いを……坊ちゃま!」
しずしずと寝室に入ってきたサキが、フェリスを見つけて声をあげる。
「なんです、坊ちゃま、お行儀の悪い。姫君の寝所に忍び込むとは」
めっとサキに怒られて、フェリス様が笑ってる。
「あ、あの、サキ、わたし、フェリス様が食べてなかったのが心配で、お夜食隊に行こうと思ってたら、フェリス様が来てくださって……」
フェリス様の為に申し開きをしなくては……!
「まあ、レティシア様。……だとしても、坊ちゃま、御二人でお夜食を召し上がったのちは、節度を持ってですね……」
「うん、心地よくてレティシアのところで寝てしまった僕が悪い」
怒られた、ごめんね、レティシア、と耳元で囁いて、フェリス様が立ち上がる。背の高い立ち姿に、サキが、仕方ありませんね、と諫めている。
フェリス様、立ち姿が美しい、ああレティシアも起きなくては、と見上げていると、フェリスがベッドから降りるレティシアに手を貸してくれた。
今朝は七草がゆ食べました。もう一月七日、早いですねー!
三月一日に五歳五巻とコミック三巻が発売になります!
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『五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました@COMIC』コミカライズ三巻表紙
『五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました@COMIC』コミカライズ連載