優しい眠りを覚ますもの 4
「私がこんな可愛い義理の息子のお母さんだったら、ぜったいフェリス様のこと好きです!」
両手をのばして、レティシアはフェリスの白い頬に触れた。
くまちゃんは柔らかいけど、フェリス様の頬は白磁のよう。
「愛しい僕のレティシア。それはレティシアだからだよ。……ひねくれてるうえに、人間かどうか怪しいような義理の息子より、実の息子のマリウス兄上のほうがもっと可愛いよ」
くすくす、フェリス様が笑ってる。
レティシアがぺたぺたとフェリス様の頬に指でってたら、それはありえないよ、とさっき王太后様のことを言ったときの影が消えたような気がする。
「ひねくれてませんし、人間かどうかあやしくありません! この上もなく、可愛い人の子です! もちろんマリウス陛下もかわ……い、いえ、素晴らしい御方なのですが」
どうしてフェリス様、自分のこと、人間かどうか怪しむのかしら?
普通、そこ、怪しまなくない?
物凄く魔力が高いからかしら?
謎過ぎて、レティシアには想像できない悩みだわ。
あ、でも、まるで人ではないように美しい、てよく言われるって言ってたから、そんなこと言われ慣れてるから、ホントに人間なのか、自分で不安になっちゃうのかも?
褒めるときも、節度を持って褒めて頂きたいわ!
うちの優しい推しが、存在に不安を持つでしょう!
「私がマグダレーナ様なら、きっとフェリス様を甘やかしまくります! いいでしょう、私の息子たち、実の息子はディアナ王で、義理の息子は竜王陛下そっくりの美貌よって! みんな、私が羨ましいでしょう! って」
もしかして、竜王陛下にそっくりとかじゃなくて、フェリス様が普通に美貌で聡明な方だったら、王太后様もいま言ったみたいに可愛がれたのかなあ……。
でもその前に前王様が、日本の女性の感覚でいうと、浮気してるからなあ……。
ディアナは竜王陛下がアリシア妃一途な方だから、フローレンス大陸の他の王室みたいに、王様が何人も后を持つのは珍しいそうだし……。
「そうだね。ありえないけど、そんな風だったら、僕の妃のレティシアも可愛がって貰えてよかったんだけど……」
「がんばります! 可愛がってもらえるように! サリアの叔母様よりはまだ頑張れる気がします!」
だいぶ無理がある話とはいえ、人間、何事も最初からあきらめてはいけない!
サリアの叔母様は何ていうか、サリアの叔父様の王位を脅かすのもだけど、それ以前から、子供なのに大人のような不気味なレティシアをあまりお好きじゃなかった。
それでいくと、王太后様は、フェリス様で慣れてらっしゃるのか、小さいレティシアが大人のような言葉で話そうと、魔法で大人の貴婦人姿になろうと、あんまり驚いていらっしゃらない。
さすが魔法の国ディアナの国母様。
ときどき、レティシアをエスコートして下さるフェリス様の優しい微笑を眺めて、何とも言えない御顔をされてる。
レティシア姫は、王太后様以外で、初めてフェリス様が膝を折られてお仕えされてる姫君ですから、というディアナの女性達の羨ましそうな囁きを思い出す。
いままで、フェリス様に特定の女性がいらっしゃらなかったから、フェリス様が甲斐甲斐しく婚約者のレティシアをエスコートして下さるのが、ディアナの宮廷の人的には、物凄く新鮮みたいなの……。
本日はおぜんざい御馳走になりました。美味しかったです!
お正月の賑わいが大好きなうちの犬王子にそろそろお正月終わりよと告げるの可哀想です……笑。
三月一日に五歳五巻とコミック三巻が発売になります!
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『五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました@COMIC』コミカライズ三巻表紙
『五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました@COMIC』コミカライズ連載