花嫁に浮かれるレーヴェ神殿 5
竜のなかの竜、豊穣の竜、万物に与えるもの、生命の守り手、長い長い時を経て、その古き竜の血をあんなに濃く継いで生まれた子が、世界は自分を求めておらず、これまでもこれからさきも、この世の誰も自分を愛することはないのだ、と声もなく泣く姿は、神殿を傷めた。
そんな訳がないのに、どんな呪いをかけたらそうなるのだと……。
レーヴェの子を愛するレーヴェ神殿が傷つくだけでなく、あれほどの力を引き継いだ子が嘆きに沈んでいくのはよくない、……おそらく、この世界にとって、と誰もが声もなく感じていた。
だが、どうすることもできない。
竜の子の孤独を埋めるのは、竜の子自身が心を動かし、愛する相手以外にはないのだから。
あの子の孤独を埋めてくれる存在を、ずっと待っていた。
レーヴェ神殿の主のレーヴェ本人は、いつの時代に何処で何をしていようとも、たとえ己の名も本性も忘れ果てていようとも、孤独とは縁のない存在なので、神殿にとって、レーヴェに似たあの子がずっと孤独なのが、ゆゆしき事態だったのだ。
『フェリス様、竜王陛下、美しいです……! 青い空を自由に羽搏かれるお姿がとても……!』
サリアの王女レティシア。サリアから来た娘。否、真実は、異界から、渡ってきた娘。
長い冬を終わらせて、春を告げる娘。
竜の子の孤独を終わらせるために、あの娘は、運命に呼ばれてきた。
『フェリス様、ごはんです! ごはんはちゃんと食べなくてはダメです!』
食事を食べるということは、己を生かすということだ。
この世界の地の実りを食み、この次元に己を繋ぐ。
そのあたりまえのことが億劫になるのは、この地に己を繋ぐことに、知らずに魅力を感じなくなっているのだ。
『フェリス様は竜王陛下と違って、地上の方なのですから、レティシアとおなじごはんをいっぱい食べて頂かないと!』
あの小さな姫君は、あの大きすぎる魔力を持て余す竜を、知らずに地につなぐ。
どんな魔法も、あの子が、あの竜を呼ぶ、あの甘い声には叶わない。
『フェリス様、レティシアも、竜王陛下のように、空を飛んでみたいです……!』
『おいで、レティシア。レーヴェのようにとはいかなくとも、二人で一緒に空を翔ぼう……』
あの小さな姫君は、あの小さな手で、あの竜の仔を地上に繋ぎ、誰よりも幸福にするだろう。
そして、この地は、竜の仔の幸福な婚姻の恩恵を受けるだろう……。
メリークリスマス! よいクリスマスを~。
うちのほうは雨でしたがホワイトクリスマスな地方もありましたか?
うちの王子犬は、いつものお散歩ストリートをサンタコスで歩いて、「お!クリスマス仕様!可愛い!」
と言われてました♪
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