花嫁に浮かれるレーヴェ神殿 3
「フェリス殿下は優しい御方だぞ。神殿で講義を聴講されてた頃も、子供たちの初歩的な質問などにもきちんと答えてらして」
そうです! そのとおりです! とレティシアが喜びそうなことを言う神官もいた。
「殿下がお優しいのはわかってるさ、ただ、あまりにお美しすぎて、言葉を失うと言うか……」
「マティウス、道ならぬ恋はやめておけ。殿下は花嫁を迎える御身。それにあまたの美女も、男色で音に聞こえた美男子も、すべて等しく袖にしまくった方だ」
「ば、ばかを言え! そんな恐れ多い懸想ではないわ! ただただ、あまりの神々しさに言葉をおかけできないだけだ!」
からかわれた哀れなマティウスは真っ赤になっていた。彼は伯爵家の三男坊だ。
「ははっ。わかってるよ、みんなそうだ! 竜王陛下そっくりのフェリス殿下の御尊顔にディアナの者ならみんな見惚れてしまうさ」
「レティシア姫は異国のお生まれだから、フェリス殿下には、そこがいいのかも知れないね。かえって、フェリス様を神格化されすぎなくて」
「でもレティシア姫、レーヴェ竜王陛下大好きだぞ。あんなにレーヴェ様の絵にはしゃぐ異国の姫を僕は初めて見た! 可愛いなあ!」
「ああ、僕も見た! レティシア姫が、竜王陛下の天井画を見上げてらして、フェリス様が腕に抱いて飛翔されてた! この世のこととは思えぬ美しい光景だった」
「それ、遠目に見かけた参拝客が拝んでたよ!」
「そりゃ拝むな。僕も拝むよ」
若い神官たちは、沐浴滞在の王弟殿下と婚約者の可愛い姫の話にはしゃぐ。
神官といえども、人なので、号外の出回る高貴な婚約者の二人の話はやはり盛り上がる。
「フェリス殿下の結婚式は、もとより今年一番のディアナの祝祭だが、何とも絵になる御二人だよなあ」
「小さなレティシア姫も可愛いらしいが、お式には、時渡りの魔法で娘姿にもなられるんだろう? さぞお美しいだろうな!」
「僕は、今日、お手伝いをしていて、娘姿のレティシア姫がドレスを試着なさるのを拝見したぞ!」
「なんと! 役得だな! レティシア姫、お美しかったか!?」
「それはもう! レティシア姫は夢のようにお美しかった! それに相対するフェリス様が……」
役得だった神官ミロは、一瞬、言葉に迷う。
「フェリス様が?」
「何と言うか……、可愛いと言ったら、ご無礼だろうが……、美しいレティシア姫に見惚れてらして……、まるで神が恋に落ちたと言うか……」
「何と! アリシア様に恋に落ちるレーヴェ様の壁画のようだな!」
レーヴェ神殿には、アリシアと初めて相まみえるレーヴェの壁画もある。もっともその時のアリシアは泥まみれで花嫁衣装を試着するレティシアとは、ずいぶんな装いの違いがあったが。
「こらこら、めったなことを言ってると、王太后様のお叱りを受けるぞ! それにしても楽しみだな、御二人の結婚式! 我らも神殿を磨きあげねば!」
いつも磨いてもらってるから、いつも輝いてるぞ、と思ってる神殿の中で、神官たちも浮かれて陽気な笑い声を立てた。
パソコンがネットに繋がらなくなっちゃって、本日は久々に、スマホで書きました!
シーモアにて20%還元中♪
小説4巻&コミック2巻&コミカライズ連載中!
表紙など活動報告にあげてます〜





『五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました@COMIC』コミカライズ三巻表紙