花嫁に浮かれるレーヴェ神殿 2
「フェリス様の花嫁様は本当にお可愛らしいなあ。竜王陛下の絵を本当にお好きで……」
「可愛らしい姫君だが、あんなに小さくては、フェリス様が御可哀想なのでは?」
神官達が廊下を歩きながら、そんな話をしていると、む、可愛いレティシアに、無礼な奴め、と、神殿はびしゃりと水をかけてやった。
「わわっ。なんでこんなとこから水が?」
「ばーか。ホセ。竜王陛下の罰が当たったんだよ。レティシア姫は、フェリス様の花嫁、竜王陛下の娘になられるんだぞ。失敬なことを言ったら、健気な乙女に優しい竜王陛下がお怒りになるに決まってるだろ」
健気な乙女とは? とアリシアもレティシアも首を傾げそうな話ではあるが、竜王陛下が困難に負けぬ子の味方なのは確かである。
「竜王陛下は小さき姫君をかげで貶すような男はきっとお嫌いだぞー」
「まっ……わ、わたしは、べ、べつに、レティシア姫をけなそうとおもったわけでは……っ」
「フェリス様が可哀想ってことは、レティシア姫に不満だってことだろ。竜王剣が鳴り響いて歓迎するような姫君を悪く言うなんて、おまえ、勇気あるよ……」
「ち、ちがうぞっ。ち、誓って、ちがいます、我らが父よ、敬愛してやまぬディアナの神よ! か、可愛らしすぎて、フェリス様が、レティシア姫の成長を待ちかねるだろうと申し上げただけです! わたくしは竜王陛下の姫君を貶すような不埒者ではありません!」
水を被った男は、慌てて、祈りの言葉を唱えた。
竜王陛下のお怒りなんて、無論、同僚の軽口だが、それにしたって、竜王陛下に嫌われたくはない。
実際、ホセは、可愛いから大きくなれば美人に、と思う程度で、何もレティシアに不満があるわけではない。
「お優しい竜王陛下はお許し下さるだろうが、いまや、レティシア姫の崇拝者は多いぞ。言葉には気をつけることだ」
ふふっと同僚は意味ありげに笑った。
「魔法省の長マーロウ師、夢見のセフォラ様、我らが大神官様、そして、畏れ多くも、国王陛下も、レティシア姫贔屓だそうだ」
「多くの方々を魅了する、不思議な姫君だなあ……」
「何より、レティシア姫はフェリス様とあのように親し気にお話なのが凄いよ! 僕など、フェリス様が近くにいらっしゃるだけで、緊張してしまうのに……」
「それはそうだな。フェリス様の前に立つだけで、竜王陛下の御前に立つがごとく、身の震える思いがするな……!」
まあ。フェリス様はそんなに怖くないですよ、我が推しは可愛らしい御方なのです、とレティシアが聞いたら、フェリスの為に言いたくなるような会話をレーヴェ神殿の若い神官達はしていた。
愛用のPCが壊れて新しいPCを買わねばとあわあわしてる本日の私です
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