ガレリアの広場にて
「何をする、子供! これは、大司教カルロ様の馬車ぞ! リリア神様の罰があたるぞ!」
七歳位の少年が、御者に生卵を投げつけてきて、馬車をひく馬が驚いてとまる。
「罰あたりはおまえらだ! おまえらのせいで、うちの父ちゃん、ディアナと仕事できなくて困ってるんだぞ! リリアの僧がディアナで悪いことしたからだ!」
子供の声は、馬車の中にいても聞こえた。
「何事だ」
大司教カルロは閉じていた瞳を開く。
「そうだ、そうだ、坊主の言うとおりだ! リリア僧がディアナで悪さしたせいで、ディアナじゃない国からも商品が入ってこないんだ! こちとら商売あがったりだ!」
「まして、リリア僧は、ディアナのちいさい姫をさらったそうじゃねぇか! それが坊主のやることか!」
「そうだ、そうだ、ガレリアの恥さらしめ!」
「どういうことだ。レティシア王女誘拐は、陛下の雇った魔導士の仕業で、我らの仕業ではないぞ」
群衆の声を聞きながら、カルロは不快気に眉を寄せた。
民はいつも話を聞き齧って、おかしなことを言うものだが、それにしたってひどいだろう。
「げ、猊下、ここは危のうございます。……ひとまず、神殿に戻りましょう」
「リリア僧の責ではないことに、一言の抗弁もせずにか?」
「興奮した群衆は危険です。それに、リリア僧がディアナで行っていた工作が失敗した為、ディアナを筆頭に、各国から輸入規制をかけられた為、ガレリアの民はよく思っていないのです……」
「憎きディアナ王弟が、リリア僧の聖なる行いを阻んだせいで……!」
カルロは怒りに震えた。
悪意のある風説の流布や人さらいは聖なる行いではなく、ただの犯罪ですよ、とフェリスとしては言いたいところだが、カルロはもともとレーヴェが嫌いなので、嫌な事があると、レーヴェに似たフェリスに罪を負わせがちだ。
ようするに、八つ当たりである。
「あやまれ! リリア僧はディアナにあやまれ!」
「オレらの仕事の邪魔をするな! 坊主のくせに、悪いことするな!」
「レーヴェ神の娘をさらって、レーヴェ神を怒らすな! ガレリアの名を地に落とすな!」
何がレーヴェ神の娘だ。あの王女がなんだと言うのだ。ヴォイド陛下もサリアの王女を気にしてらしたが、ただの政略結婚に出された子供だろう。レーヴェ神の寵がそんな異国の王女にあるものか。それどころか、いまのマリウス王にレーヴェ神の寵愛があるかどうかも怪しいから、こちらが流した竜王剣を抜けぬという噂に、あんなにディアナの母后は怒っているのだろうに。
「私が馬車の外に出て、演説を……!」
ガレリアの民は、いつもはこんなおかしくはない。常に、リリア神殿の広場で、大司教カルロの朝の祈りの言葉を敬虔に待っている。
きっとレーヴェ神やあの王弟に騙されているのだ。私がみずから話せば……
「猊下、馬車が揺れますがご辛抱を! 神殿に戻りましょう! 」
カルロの意志に反して、邪魔されながらも、馬車は道を急ぎ、野菜や卵を走り去る馬車へと投げつけられながら、カルロはフェリスへの怒りに震えていた。
「まるで関係ないのにオレとフェリスが怒られそうでやだ」(from温和な竜王陛下)
昨夜24時頃に、フェリスとレティシア1p更新してますので、あれ何故、突然ガレリアに……となった人は
前のページも見て下さい♪もはや明日12/1! 今年が終わってしまう! と怯えてます(笑)
12/1シーモアほか他社で14話更新だと思います~
11/1 、五歳コミカライズ、BOOKLIVE先行配信です♪
椎名先生のとっても美麗な竜王家の二人&可愛いレティシアをとりまく人々をぜひご覧ください~
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『五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました@COMIC』コミカライズ三巻表紙