レーヴェ神殿の姫君 11
「あの人、ディアナっ子に愛されまくってるからね」
「ですね! 私もサリアから来た娘ですが、ディアナっ子の気持ちはわかります! 竜王陛下はなんだか……安心させてくれます」
竜王陛下は全知全能感の神様じゃなくて、ディアナの子供向けの絵本とかでも、『んなこたーオレには無理だな。人の子らが、自分でがんばらんと』なんて普通に描いてある。ディアナの人達も、竜王陛下のそういう神様っぽくないところがいいのかも……。
「リリア神様はきっと竜王陛下のディアナの民を奪うことなんて、望んでいらっしゃらないのでは……と思うのですが」
(レーヴェ)
(レーヴェ)
(レーヴェ)
あの、リリア神殿を満たしてた切ない響きの声を思い出すに、リリア神様が、竜王陛下の嫌がることをしそうにはとても思えない……。
「そうだね。ディアナの民に、リリア神を信仰させたいのは、ヴォイド殿や、カルロ大司教、地上の人間たちの勝手な私欲だろうねぇ……」
リリア神様は、竜王陛下に嫌われる事はしたくないんじゃないかなあ、何となくだけど。
「レーヴェに姿の似た僕を、ヴォイド殿はうまく利用したいけど、カルロ大司教は排除したいんだそうだ」
うちの優しい推しを、勝手に利用しようなんて許さないけど、は、排除って、どういう意味よー!!
「どっちにしても大迷惑です!」
フェリスの言葉に、レティシアはぷんぷんとフォークを握りしめる。
いけないわ。
フォークはフェリス様に美味しいものを食べさせる道具であって、ガレリアの王様や大司教の頭に突き刺したいわ! とか思っちゃいけないわ……。
「ヴォイド殿はそのときどきで気まぐれで、カルロ大司教の排除の方針に流れるかも知れないから、殿下、どうぞお気をつけて、と、アドリアナ嬢を攫った魔導士ローザンに言われたよ」
「あの魔導士さんは、まず自分の行いに気をつけてほしいです! そんな話も嘘かもしれません! 信用ならないです!」
だって、レティシアとアドリアナ誘拐犯のうえ、レティシアを勝手に増やした極悪人だもん。
もちろん雇われ魔導士さんだから、基本的に、ガレリアの王様の望みを叶える為にしてるんだろうけど。
「いまは隷属の呪文の支配下にあるから、僕に嘘はつけないよ。……でも、レティシアの怒りはもっともだ。ごめんね、怖い思いをさせて」
ぷるぷる、レティシアが怒りに震えてたら、フェリス様が額を寄せて来てくれる。
そうだった。
こないだフェリス様が、あのガレリアの魔導士が悪いことできないように、『隷属』の呪文をかけたんだった……。
「怖い思いはしておりません! フェリス様を勝手に利用しようとか、勝手には……は……、勝手な悪者どもに怒っております!」
フェリス様を排除、なんて言葉にするのも嫌で、詰まってしまった。
ガレリア王より優し気なフェリス殿のほうがだいぶ怖いです………(from隷属中のローザン)
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