レーヴェ神殿の姫君 5
「フェリス様は、きっと素敵な大人におなりです」
撫で撫で、とレティシアは小さな掌で、フェリスの額を撫でた。
そのとき、レティシアはこの人の傍にいるのだろうか?
十年もあったら、フェリス様の運命の乙女が現れて、その姫君に、この座をお返してるかも?
でも、おそばにいても、いなくても、ずっと推しますからね、フェリス様!
私の一番大好きな推しで、この世界でただ一人の、私の恩人ですからね!
「……レティシア、何かおかしなことを考えてない?」
「い、いえ? 何も」
何か妖しい気配に気づいて、額に額を寄せて来たフェリスに、ぷるぷるぷる、とレティシアは首を振った。
幾ら何でも、花嫁衣裳をあわせた日に、そんなこと言ったら、また僕を捨てる気? てフェリス様が拗ねるだろうから……。
「ごはん! ごはん、食べましょ、フェリス様!」
「うん……でも」
少し、不満そうなフェリス様。
「レティシア」
ふわん、とレティシアはフェリスの腕に抱き締められる。
いつものように、額と額をあわせて、フェリスが話す。
「何処にも行かないでね。いまも、未来も。……ずっと僕といてね?」
「……、……」
そんなこと可能だろうか?
この先の十年も、ずっとこの人といられるだろうか?
そうだったら嬉しいけど……。
フェリス様といると、あんまり幸せ過ぎて、こんな幸せがずっと続くと思えない……。
何と言っても、前世は早逝、今世は呪いの王女である。
フェリス様のラッキードラゴン効果で、いま現在は、物凄く幸福度あがってるけど……。
「僕はレティシアを失ったら、きっと災いの竜になるよ」
「……!? なりません! 何を仰ってるんです、そんな不吉な言葉を唇にのせてはダメです!」
慌てて、レティシアはちいさな指でフェリスの唇を塞ぐ。
「嘆きの果てに正気を失って、物凄く世の中に御迷惑をおかけするかもしれない……、うちの血統ってそういう血筋らしいし……」
「竜王陛下は正気を失ってませんし、いまもアリシア妃の為にディアナを御守りですから! 竜王陛下の血統に、そんな呪い機能はついてないです!」
ぶんぶん、レティシアは首を振った。
やはり、心の中でも、ちょっと切ない不穏なことを考えてはいけない。
フェリス様が、御先祖の竜王陛下まで巻き添えにして、拗ねまくってしまう……。
「レティシアも、アリシア妃のように、ずっと僕といてくれる?」
「……はい。……竜王陛下がお許しになれば」
もしも、この夢のような奇跡がずっと続いて、そんな幸福が叶うのならば、この人のそばにいたい。
ちょっとだけ、前よりも、欲張りになったかも……。
「甘えてないで、早く夜食だしてやれよ」(from竜王陛下、笑)
本日、『還魂術』というドラマにはまってます! おもしろいです!
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