レーヴェ神殿の姫君 2
「うーん。フェリス様に習った魔法で、フェリス宮の厨房からお夜食とってこれるかな? でもレーヴェ神殿で勝手に魔法使っていいのかな……?」
むむむ、とレティシアはくまちゃんを抱っこしたまま、悩む。
いつかの夜にフェリス様と二人で、練習した。
こうやって、こっちに持って来るだけだよ、とフェリス様はサイドボードの上の本を手に取るくらいの調子だったけど……。
(叔父上の魔法は誰とも違うから)
ってルーファス殿下がフェリス様に習いたがってた気持ちわかるなあ……。
マーロウ先生もとても優しい御師匠だけど、マーロウ先生と魔法の練習したときは、んんん! と頑張って集中したんだけど、フェリス様に教えてもらってケーキとか厨房から動かしたときは、ふわってものすごく簡単だった……。たぶんフェリス様が魔力で支えてくれてたんだと想うけど。
「内緒だけどね、くまちゃん、神官さんたちね、フェリス様が通るだけで、その場でひざまずいて拝みそうなんだよ……」
くまちゃんとの話は、ほぼ全面的にくまちゃんとレティシア二人だけの秘密なのだが、この部分は一段とよそに漏れてはならない気がして、レティシアはくまちゃんの耳にこそこそ話す。
「マクダレーナ王太后様、いつもフェリス様に理不尽だけど、あれはちょっと理不尽にもなっちゃうかもね……うちのネイサン叔父様が、サリア神殿歩いても、あんなことぜったいならないよ……」
フェリス様御自身は慣れてらっしゃるから、あまり気にしてないみたいだけど。
レーヴェ様だらけのレーヴェ神殿のなかを、そっくりのフェリス様がレティシアと歩いてるのは、不思議な感じ。
二人を歓迎して鳴り響いた竜王剣じゃなくても、千年の時を経て、レーヴェ様が御帰還……! と勘違いしても、おかしくないくらいに……。
シュヴァリエの薔薇祭で見たフェリス様は、シュヴァリエの人々に愛されてる幸福な若き御領主様ってかんじだったけど、ディアナの総本山レーヴェ神殿は……。
(だんだん僕がレーヴェに似てきて、ちょっと居づらくなっちゃって、最近来てなかったんだけど……)
フェリス様がそう仰ってたときは、居づらく? むしろ歓迎されそうだけど……と聞いてたけど、実際に訪れてみると、物凄く歓迎されすぎちゃうんだなあ、と聞かなくても納得した。
そのレーヴェ神殿の秘蔵っ子のフェリス様の花嫁がちびのレティシアで申し訳ないけど、フェリス様がとってもレティシアを大事にしてくださってるせいか、今のとこ、レティシアも苛められたりはせず、神殿でも手厚く歓迎してもらってる……。
「うちの推し……、モテてたいへん!」
モテすぎてご苦労が多いけど……。
「うーん、ここはやっぱりフェリス宮の厨房から、何とかして、ごはんを……!」
くまちゃんをぎゅっと抱き締めて、レティシアは目を瞑る。
一度、成功したとき、どんな風にしたかな?
フェリス様がレティシアをお膝に乗せててくれて……
「ごはん? おなか空いたの、レティシア? それとも僕のお夜食用?」
優しい声とともに、ベッドでゴロゴロするレティシアの隣に、魔法の上手な婚約者殿が現れた。
お夜食調達法に悩むレティシアでした!
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