この世で一番、大事なたからもの 10
「そう。レティシアは、フェリスを何も知らなかったのに、フェリスを見抜いたよ。さすが、竜に乗る娘だ。知らずに竜を暴く」
「……竜に乗る娘……」
レーヴェの言葉に、セフォラは『この婚姻はディアナにとって吉祥。竜に乗る娘がやって来る』と占いました。『竜に乗る娘』の言葉は、私共の胸に留めましたが、と言ったマーロウの言葉を思い出す。
「あの子はおまえを、おまえのままで育てたいんだよな。誰かの呪いや、誰かの想いの檻に囚われぬように」
「呪い、では……」
「呪いのようなものじゃないか? あまりに強く誰かが何かを願うことは……、マグダレーナが何も傷つけられてないのに、フェリスを怖れるみたいに」
「……、……」
ずっと呪いのようだと思ってた。
幼い頃から、義母上の哀しみがフェリスの五体を掴んで離さず、それを振り払う術を知らなかった。
これ以上、義母上の心を追い詰めないように、兄上を脅かさぬようにと、何かと目立たぬように努めてきた。
とはいえ、レーヴェ似のフェリスのこの貌では、どんなに目立たぬようにと思っても、どうしても限界が……。
「レティシアは、きっといろんなものから、おまえを守るよ。マグダレーナからも、ヴォイドのような者からも」
「……レーヴェ」
私がきっとフェリス様を御守りします! と約束してくれるレティシアは可愛くて、凛々しい。
「レティシアが来てから、ずっと……」
フェリスはレーヴェを見上げる。
本人に言うと、調子に乗るから言わないが、常に誰よりも敬愛してやまない御先祖様を。
「僕は……なんていうか、あたたかいです。ずっと……自分の何処かが人より冷たいような気がしていて、なるほど、氷の王弟殿下とはよく言ったものだ、と思っていたのですが……」
自分の一部か、あるいはすべてが、まるで人間ではないように、冷たいと思っていた。
それは母が死んでからそうなったなのか、あるいは初めから、フェリスが人ではなくて化け物だからなのか、どちらかわからなかったけど。
「フェリスは熱い血の男なのにな、実は」
「いえ、そんなことは、ないのですが」
ほかの皆と、同じような熱い赤い血が通っていないような不安が、フェリス自身にさえも、ずっとあった。
(この世のものではないように美しいフェリス様。魔力も計り知れなくて、まるで人ではないような……)
(む? むむむ? いいですか、フェリス様! そこは、怒る処です! 美しいをつけたら、何を言ってもいいというものではありません! そんなことをフェリス様に言う人は失礼です! 私が代わって成敗いたします!)
「レティシアがいつも……僕には思いもつかないようなことでも怒ってくれて……、そのたびに僕は……、己が人になれるような気がします……」
あの子がいると、あたたかい。フェリスの腕の中も、心の中も。ずっと、フェリスに足りなかった何かが、満たされていくような気がする……。
おはようございます! 昨日、途中まで書いてて寝てしまったので明け方に仕上げました!(笑)
三連休いかがでしたか? 私は寒くなって絶好調の王子の散歩に引っ張りまわされ、家では、連休最終日に「光の死んだ夏」をネットフリックスで一気見しましたー! おもしろかったですー!
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椎名先生のとっても美麗な竜王家の二人&可愛いレティシアをとりまく人々をぜひご覧ください~
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