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10万部突破【書籍④巻&COMIC②巻発売中】五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました  作者: あや


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神に捧げられた剣について



「レーヴェ。竜王剣をちゃんと管理して下さい」


せっかくレーヴェ神殿に来たので、何冊か見せてもらいたかった書物を運んでもらい、書き物机に一人座したフェリスが、この世ならぬ偉大な気配に向けて、小言を言う。


「そんなことオレに言われてもなあ……」


だらしなく顕現したディアナの美しい守護神は、長い黒髪を掻き揚げる。


「レーヴェに言わなくて誰に言うんです。現世では、あなたか兄上の剣ですが、あの様子ではとても……」


あの様子では、竜王剣本人は、歴代千年のディアナの王たちを、自分の持ち主などとは認識しておるまい。ディアナの子らは、レーヴェの子供たちだから、と等しく慈しんでるだけのようだ。


「レーヴェがレティシアを気に入ってる話も……、竜王剣にしてたのですか?」


「いや? オレは久しくあいつとは逢ってない。あいつも耳がない訳じゃないから、マリウスの話だの、レティシアが攫われた話だの、宝物庫で欝々と聞いては、気を揉んでたんじゃないか?」


「欝々と気を揉むタイプの剣には思えませんでしたね。誰かさんそっくりの明るい御気性で……」


「剣は主に似るからな! たぶんフェリスの剣は、生真面目で、人に譲り過ぎて損するタイプだな!」


「おじいさま……」


おもしろがるレーヴェに、フェリスはふるふる肩を震わす。


「まあまあ怒るな。あれはあれで、心配してるんだと思うぞ。ガレリアの魔導士ごときなら、フェリスに任せておけるが、リリアがレティシアの身を狙うようならオレを呼べ、て言ってるんだと……」


「レーヴェの剣といえど、神を斬れるとは思えませんが……」


不思議そうに、子供の貌でフェリスは、黒髪のレーヴェを見上げる。


「そりゃそうだ。神を斬るような力はないが、あれはもともとが斬る為じゃなくて、守護の為の剣だ。持つと、守りの力が増すんだ」


「斬る為じゃなくて、守る為の……?」


「うん。昔、名の通った刀鍛冶がオレの為の剣を作りたいって言ったけど、オレ、竜だし、べつに剣いらないって言ったんだ。そんでもどうしても捧げたいって言うから、じゃあ、人を殺す剣じゃなくて、守る剣を打て、それが打てたら貰う、て言ったら、打ちあがったのが、あそこに飾ってある竜王剣」


「守るための剣を……」


神代の時代に、神剣を打ったのは、どんな才気に溢れた刀鍛冶だったのだろう?


「そんで、現役当時はオレが使ってたから、オレの竜気も帯びて、千年、ここで御神刀として祀られてるから、人々の祈りも籠って、昔より神力あがってるんじゃないかな? でもなにせ御神刀だから、行事のときくらいしか活躍の場もないし、近世はディアナ王家も人間らしい子が増えたから、なかなか竜王剣を扱えるような子はいなくて……きっと、あいつ、退屈……」


「……僕だって扱えませんよ。そもそも僕の使うべき剣じゃありません」


退屈、と言いかけたレーヴェに、フェリスは細い眉をあげる。


「……オレに似た子がいるなーとはずっと思ってたと思うけど、フェリス、レティシアが来て力増してるから、余計、こいつならと思ったのでは……」


「神剣にレーヴェの娘の心配して頂けるのは嬉しいんですが、………レティシアは僕がちゃんと護ります」


ほう、とフェリスはひとつ溜息をつく。


「それに義母上もレーヴェの娘ですから」


マグダレーナを泣かしたから、と竜王剣は言っていた。竜王剣が義母上を泣かせた理由はわからないが、フェリスとて、好んで義母を泣かせたい訳ではない。毎度、何故か意味不明に怒られてはいるが。


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― 新着の感想 ―
護国の神剣ではありませんか?祈りの蓄積もあって強力だと持ち主のお墨付き。王子様ため息です。ただ、王族を守るのは頼りになります!お犬の王子様お誕生日おめでとうございます(⌒▽⌒)!可愛くお健やか…
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