表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15万部突破【書籍⑤巻&COMIC③巻予約受付中】五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました  作者: あや


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/820

ストロベリーティは甘い、朝食の二人


「レティシア様。今朝のお茶は、ストロベリーティでございます」


「ありがとう。いい匂い!」


給仕の者が、ティーポットからお茶を注いでくれると、

薄く切った苺が浮き上がり、甘い香りがあたりに広がる。


「厨房の者達が喜んでるそうだよ、レティシア」


「はい? 何をですか?」


フェリスの金髪が、大きな窓からの朝の光を受けてキラキラ輝いている。


「レティシアが嬉しそうに食事してくれることを。

 僕は食べさせ甲斐のない主人だからね」


そうかなあ。そんなことないと思うなあ。


「フェリス様も美味しそうにお食事、お召し上がりになります」


「………」


何故か、周囲に控えていたレイやサキが笑うのを堪えているようだ。

何故?


「レティシア様。フェリス様は、すぐ、ああもう今日の食事はいい、と仰る方なのですが、

昨日今日はレティシア様とお食事をしようと、食堂に通ってらっしゃるんです」


「私の為に?」


きょとん、とレティシアは瞳を瞠って、フェリスを見つめる。


「レイ。そんな話は……」


余計なことを、と言いたげに、フェリスが眉を寄せる。

綺麗な人って、こんな表情すら綺麗なんだなあ、と妙なことにレティシアは感心する。


「フェリス様、私の為に無理…されて、ますか?」


フェリス様とお食事、レティシアは楽しいんだけど、無理をさせてるんだったら、ダメかも……。

ああでも、フェリス様とお食事できなくなると、またご馳走だらけの一人ご飯の食卓に……。

それはちょっとしょんぼり……。


「無理はしてない。僕が、レティシアと食事をしたいから、そうしているだけだ」


「………!」


ん? 

なんだかまるで愛の告白みたい?

(いやそんな筈ないけど)


「レティシアも、フェリス様とお食事できること、嬉しいです」


フェリス様はちょっと現実感がないくらい、お美しいので。

朝夕の食卓に、大天使様でも座ってるみたいで、ちょっと後光がささんばかりなんだけど。


でも、他愛ない話をして一緒にお食事できるの、嬉しい。和む。


この家の方々みんな優しくしてくれるけど、いろいろ変わった方なのだけれど、

フェリス様といるときが、不思議と一番癒される気がする。


何なら、昨日みたいに、大笑いされてもいい。

フェリス様もレティシアといて楽しかったら嬉しいから。


「よかった。僕は、あまりおもしろい話もできない男だが……」


「いえ。フェリス様は、おもしろいです。

 次に何をなさるかわからないようなところが」


「ねぇ、レティシア、褒めてる? いや、やんわり貶されてる?」


「褒めてます! あ、フェリス様、私、お願いが」


「何? 何でも叶えるよ」


「私の部屋にも、竜王陛下の絵を飾って頂きたいのです」


「レーヴェの絵!?」


「はい。私、竜王陛下のタペストリーがとても好きなので…、

 私のお部屋にもあるといいなって……」


柔らかいパンと硬いパンと、どちらを食べようかなー、と悩みつつ、お願いする。

シュヴァリエ家の薔薇のジャムも美味しいけど、いちごのジャムも捨てがたい。

今朝は、苺のお茶だから、ジャムも苺にするべき?


「どうしてあの人は動いても喋ってもいないのに、顔だけでたやすく人の心を持ってくんだ…?

 どんな悪い魔法を使ってるんだ? なんて手の早い、たちの悪い竜なんだ…?」


フェリス様が呪うようにぼそぼそ何か言ってる。

???

ダメなのかな? 竜王陛下の絵?

私、まだ信心浅いから、ダメ?


「フェリス様、ダメですか?」


「まあ、レティシア様、ディアナの娘になろうという、美しい御心がけですわ。

 フェリス様、よろしければ、このサキが、竜王陛下のよき肖像画をお探しいたします」


フェリスの返事が遅いので、サキが褒めてくれた。


「レティシア。レーヴェの肖像画なんて自室にまで飾らなくても、そこいらじゅうにあふれてるよ」


なんでフェリス様、ちょっと嫌そうなの???


「ディアナの方は、みんな、お部屋に飾ってらっしゃるとお聞きしたので、

 私も早くディアナの民になりたいなと思って……」


フェリス様ともそっくりだし、と心で思ってる。

うーん。

フェリス様が反対ならやめるけど、いいと思ったのになー。


「フェリス様、お嫌ですか?」


「……そんなことはないよ。レティシアの気に入りそうなレーヴェの絵を用意させるよ。

 竜の本性の姿がいいんじゃないかな、勇ましくて」


「竜の御姿もとても素敵です!

 でも人の御姿も、フェリス様そっくりで、お美しくて素敵です!」


力を込めて褒めたのに、何故かフェリス様が微妙にがっくり来ている。

うう? 何でなのー!


(まあ、人間の若い男の心は複雑なんだわ。とくにうちのフェリスは拗らし捲ってるから。

どうか、末永く、相手してやって)


誰かの楽しそうないい声が、ほの甘い薔薇と苺の香とともにした気がした。


「好き」「趣味似てるかも」「面白いかも」「続き気になる」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします。作者のモチベーションも上がりますので、ぜひよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました』五巻表紙は、大人レティシアとフェリス様です! ご予約などはこちらから

html> 『五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました@COMIC』コミカライズ三巻表紙 ご予約などはこちらから

html>
― 新着の感想 ―
[一言] レーヴェの思考がもう、拗らせまくってるちびっこな孫を生暖かい目で見てるじぃじのそれになってる(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ