家族の食卓
パンがふかふかして、美味しいー。
はむはむはむ。
お腹も減ってたし、小動物のように食べてしまう。
昨日から思ってるけど、
フェリス様のところのシェフのお料理、凄く美味しい。
「美味しい、レティシア? 味が違って、口にあわないものはない?」
「美味しいです、フェリス様」
朝食を一緒にと思ったんだ、とフェリスが言い、
二人で向かい合って、食卓を囲んだ。
きっと知らないところで一人で食べるの心配してくれたんだ、
忙しいだろうに、なんて出来た人なんだ…と、
レティシアは密かにフェリスを拝みたくなってくる。
このクラスの王族に、必ず家族と食卓を共に、
という習慣はほぼないと思うので、気を遣ってくれてるのだと思う。
レティシアは、サリアでも一人で食事してたから。
久々に、誰かとごはん、が嬉しい。
たとえ、お相手が、
神話の絵巻から抜け出てきたような王子様でも。
「今日は花嫁修業とのことで、何か教育係がいろいろ来るらしいけど、
レティシアが気に入らなかったら、
僕の許しは得てるから、と、帰らせたらいいからね」
「そ、そんなことしません」
「そもそも、レティシアは僕の花嫁なんだから、
王家の教育係など要らぬ世話だよ」
「い、いえ。何事も、和は大事です」
フェリス様は王家からの干渉が苦手。
メモ。
でも、家庭教師来るなら、勉強する。
ちゃんと。
貴族の娘の嗜みの、刺繡とか死ぬほど苦手だけど。
何事も、努力はする、努力は。
「歴史の授業があれば嬉しいです。
さっき教えて頂いた竜王陛下のお話、興味深かったので」
「午前中が行儀作法で、午後がディアナ史じゃないかな?
王宮の教師の講義は退屈なことが多いけど、
竜王陛下の逸話はとんでもないのが多いから目が覚めるよ」
「楽しみです」
礼儀作法かあ。
ディアナ独特のマナーとか、教えてもらわないと。
レティシアの不作法のせいで、
フェリス様に恥をかかせてはいけない。
ああ、なんだか、やったことないけど、
現代日本で流行ってた「推し活」のよう。
雪には、そこまで「推し」の人がいなかったので、
勝手がわからなかったが、
「推しの為なら頑張れる! 残業代稼いで推しに貢ぐ!!」
と気炎をあげてた派遣社員の綺麗な女の子たちが、
とっても楽しそうで羨ましかった。
いいなあ。
その人の為なら頑張れる! くらい、好きな人がいて、と思ってた。
フェリス様は「推し」にするには、
容姿と言い、人品骨柄といい、申し分ない御方だ。
春乃雪、人生二回目にして、やっと「推し」ができたかも知れない。
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コミック三巻表紙❤
五歳で、竜コミック連載