サリアの災いを呼ぶ姫 17
「僕もだ。レティシアがいてくれると、僕の言葉の通じる人が、僕の宮にいてくれる、と安心する」
不意に、レティシアが初恋だと思うぞ、フェリスの、との精霊さんの声が耳に蘇って、
レティシアは林檎のように真っ赤になってしまった。
それは誤解なの! 精霊さんの! 精霊さん、政略結婚したことないって言ってたし。
「レティシア? 頬が赤い。熱が……?」
「ふ、フェリス様。貌が近いです」
「うん。寄せてるから」
「いえ、そうではなくて……」
うわーん! 物凄い綺麗な貌がドアップで攻めて来るよー!
精霊さんが初恋とか言うから、なんか緊張するじゃないー!
「……熱はないようだが」
フェリス様はこんな方だしね……! 大真面目な天然と言うか……。
いやこんなちびちゃん相手に何か意識する訳ないけど……!
「だ、大丈夫です! ちょっと、いっぱいいっぱいに……!」
「何がいっぱいいっぱいに? やっぱり、レ……精霊さんが何か余計なことを……」
うわーん、余計に顔を寄せて来ないで欲しいー!
「そんなことないです! フェリス様のお貌が近すぎて、緊張しただけです!」
「僕の貌に? 何か凶悪な相でも出てる?」
フェリス様はちょっと悩む風。
「え? いえ、きょうあくな相は全然……」
とっても優しそういつものフェリス様だけど。
「そうか。よかった。サリアの占い師をどうしようかと思ってたから、悪い顔になってたかと」
にこっと笑うフェリス様。
「サリアの望みが花嫁交換なら、それを希望してるのは占い師ではないと思うので、占い師を責めても、たぶん可哀想です」
日本で言うと社畜のようなものだからね、サリアの占い師は。
ディアナは竜王陛下と魔法の権威が強いので、魔術師や占い師ももっと立場が強いのかもだけど……。
「レティシアが優しいのは愛しいけど、僕の花嫁への無礼は詫びて貰う。二度と不心得を起こさないように」
「サリアの叔母様はきっとフェリス様を気に入られて、レティシアには惜しいと思われたのだと……」
「何故? レティシアの母上の首飾りを返して貰おうと、僕があまりお奨めじゃない首飾りを贈ったから?」
あんまり褒められた話じゃないと想うが、と肩を竦めている、美しい婚約者様。
「だって……フェリス様、夢に出て来る王子様みたいですもの」
「……? 僕の? レーヴェの貌が? 夢に出て来る王子様……?」
それは些か疑問を感じる、と首を傾げている。フェリス様って、本当に……。
「竜王陛下より、フェリス様のほうが如何にもな王子様っぽいです。竜王陛下はやんちゃ! てかんじ」
「竜王陛下がやんちゃ……さすがレティシア」
何かツボに入ったらしく、フェリス様が大笑いし出す。
「んと、とにかく。いまいちな変人の王弟殿下だと思ってレティシアに押し付けたら、もったいなかったわ、て気を変えられたのかと……」
でも、国内ならレティシア関係、叔母様のよくない我儘で何とかなることも多々あるとして、ディアナは他国だからそんなことしちゃ絶対ダメ……せっかくの縁なのに、おかしな国だと疑惑を抱かれちゃう。
「いまいちな王弟なのも変人なのも本当だけどね。レティシアくらい心のひろい姫でないと、僕の御相手は大変だと思うよ」
フェリス様の自己評価はおかしいんだけど(そこはもう少しくらい竜王陛下風でもいいですよ!)、厄介払いしたつもりの呪われた王女のレティシアの婚約者が、こんなにどう見てもきらきらと煌めいてらしたら、叔母様も惑乱して暴挙に出ちゃうのかなあ……(出ないで欲しいけど!)。
昨日書きかけて、サリアの話にしようか、もうちょっと二人の初恋話にしようか、
て悩んでたら、寝ちゃって失礼しました! いまのとこが高くなっちゃったので、
プロバイダ変更検討中なのですがお奨めのお手頃プロバイダあったら教えてください!
◆◆◆五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました
2023/7/10発売 お近くの書店でご予約頂けると嬉しいです◆◆◆





コミック三巻表紙❤
五歳で、竜コミック連載