サリアの災いを呼ぶ姫 16
「レティシア」
「フェリス様」
レティシアがぬいぐるみ抱えてベッドの上に正座していると、フェリスがレティシアの部屋の中に現われた。
「レティシアが泣いてる気配が……すまない、部屋に勝手に」
「いえ」
うちの王弟殿下は、こんなちっちゃいレティシアにも礼儀を尽くして下さる。
「精霊さんとお話ししてて……」
「また何かうちの精霊が余計なことを? レティシアの部屋に入室禁止の護符でも貼らないと……」
「いえ! そんな! 私が落ち込んでたので、精霊さんはただ慰めて下さってたのです」
レティシアはふるふると首を振る。
大事なお話も聞かせて貰った。レティシアの知る由もないフェリス様のお話を。
「精霊さんも、レティシアに災いなんてないって言ってたろう?」
「はい。それにお約束もして頂けました」
「お約束?」
「もしもレティシアが、フェリス様や、フェリス様の領地、おうちの方に災いなしたら、迷わず成敗して下さいと」
「成敗……? レ……いや、精霊さんにじゃなくて、レティシア、僕に……」
「フェリス様は私にお優しいので、私が悪いものになったときに、迷いが出てはいけません」
「レ……だって、じゅうぶん、レティシアに甘……いや。レティシアは悪いものになんてならないし、もし、なっても僕がちゃんと浄化するから。心配しなくていい」
「はい」
こくこくとレティシアは頷く。精霊さんにも、フェリス様にも約束して頂いて、これで安心!
大事な推しと推し関連のすべての皆様に御迷惑をかけてはいけない!
「精霊さんが、フェリス様は、自分の幼い頃に似てると思って、私との婚約を受けて下さったと……」
「………!」
それで少し謎が解けたの。
いくら何でもフェリス様、拒めたのでは、小さすぎるレティシアとの婚約、とちょっと思ってたの。
王太后様に弱い(甘い)フェリス様だけど、お義母上様の言いなりというほど素直な方でもないし……。
「もうレティシアに話しかけるの禁止にしたい、あのお喋り」
「フェリス様が優しいおかげで私は幸せですが、寄る辺ない子への同情で、婚姻なんて人生の一大事を決めてはダメです」
めっと御小言。レティシアが御小言言えることではないんだけど……。
「おかげで、僕は、レティシアと逢えて、いまが人生で一番楽しい。婚約の話を決めた当初は、果たしてそれで小さい姫が幸せになれるのか? 僕が小さい姫に好かれるのか? と我ながら疑問だったが、レティシアも僕といて幸せだと聞くと安堵する」
額と額をあわせて、フェリス様が話をしてくれる。
どんな嘘もつけないような近さで。
「幸せです、とても。……異国で、生まれて初めて、言葉の通じる人にあったみたいに」
フェリス様もだいぶ普通とは違うので、フェリス様の傍らではレティシアは何も無理をしなくていい。
子供らしくいようとか、おかしく聞こえるこんな余計な話はしないでおこうとか心配しなくていい。
嘘のない自分でいられる。
イザベラのおかげで二人の距離近づいて、たぶんイザベラ非常に不本意(笑)
王族の婚姻は国家の行事なので、途中で横やりいれると、本人達以外にも
ずっと準備に携わってたきた人はイラっと感半端ない(だからマグダレーナは話に乗らない笑)
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