サリアの災いを呼ぶ姫 14
(フェリスはちびちゃんがいいって言ってたろー?)
「それは……そうなのですが」
精霊さんが見える訳じゃないけど、なんとなくベッドの上で正座してしまう。
レティシアはあんまり正座しない。椅子の国で育ってる子だから。
習慣も生まれも育ちも血も、何もかも違う。でも雪の心も残ってる。
雪が生きて何かを成したくて心残りだったからなのか、ただの次元を司どる神様の気紛れなのかわからないけど。転生した理由も目的もわからないけど、ただ懸命に生きてる。だって大好きな両親がくれた命だから。
(信じてあげないとフェリスが哀れだぞ。あいつ、レティシアが初恋だろうから)
「……いえ、それは精霊さんがご存じないだけで、フェリス様にもきっといろんな恋が」
いまいち恋愛方面の妄想力が足りないから、うまく浮かばないけど、きっとフェリス様なら綺麗な方と
いろいろあったんじゃないかしら?
(ないない。あいつ、迫られるのにウンザリして、そういうの毛嫌いしてたから。すんごい画期的なことだと思うぞ、レティシアに興味持ってるのは)
「それは、恋愛枠というより、ちいさいこ守ってあげなきゃ、の保護欲とか、おもしろい枠とか……」
(えー? あの歳の男が、婚約者としてきた姫守ってあげたい、と思ったら、それはもう恋じゃないか?)
「でも、私は」
こんなちっちゃいし。恋愛相手にはだいぶ遠い。
もちろんフェリス様のことは大好きで、レティシアだってフェリス様のことを守ってあげたい。
何のかんの言いながら、フェリス様のとこにいたいって我儘思ってるけど。
(うん、まあな。まだちっちゃいんだから、レティシアは焦らなくていいよ。無理しないで、何もかもゆっくりでいいよ。レティシアが大人になるまでの、十年なんて待つうちに入らないよ。超ー甘いよ。楽勝だよ)
何故だろう……?
十年なんて、超甘い、甘すぎだ、に個人的にやたら力入ってる気が。
「精霊さん」
(んー?)
「いつもお話してくれてありがとうです」
正座をして、御礼を言う。精霊さんは知らないだろうけど、日本の御礼のかたち。
(どうしたの、いきなり、レティシア)
「御礼を言いたくて。さっき、もうここにいられなくなって、精霊さんにも逢えなくなっちゃうかな、と思ってたので。……ここに来てから、フェリス様も、精霊さんも、私の話を奇妙がらずに聞いて下さって、私は……」
(レティシア。泣かないで。オレまたフェリスに締められる)
「凄く嬉しいです。この世の誰にも、お話が出来なくなってしまったように思えて、私の言葉がおかしいのかな、と凄く寂しかったので」
そうだ。寂しかったのだ。
(レティシアはそんなこともわかるの? そんな本ももう読んだの? まあ私よりずっと賢いわね、私の娘は……)
そうやって喜んでくれる母様を失って、なんだか呪いの姫だ、不吉な姫だ、あの子はおかしい、と化け物扱いされて、フェリス様に逢える日まで、とても寂しかったのだ。
二日さぼって失礼しました!
書籍化決まってよかったねお祝いして貰ってきました!
母の旅立ちに泣き崩れたから三年間、毎春、母を守ってあげられなかったことに沈む私を心配してお茶に誘って下さったお友達の英田サキ先生にやっと今年は、皆様と編集Y村様のご尽力のおかげで、書籍化の嬉しいご報告ができましたー!! ありがとうございますー!!
◆◆◆五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました
2023/7/10発売 お近くの書店でご予約頂けると嬉しいです◆◆◆





コミック三巻表紙❤
五歳で、竜コミック連載