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10万部突破【書籍④巻&COMIC②巻発売中】五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました  作者: あや


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美貌の婿殿とお話しする



「……触れても、大事ないか?」


「は、はい」


 おっかなびっくり。


 慣れない小動物にでも、手を伸ばすように、

 フェリス王弟殿下が、手を伸ばしてくる。


 思うに。

 この人は、レティシアぐらいの年齢の者と接した経験がないのだ。

 

 まあそれは

 フェリス様は

 王室でも孤立してる方だと噂されてるので

 たとえ下のご兄弟がいたとしても、親しく接してはいないのかも。

 

「私はずいぶん年上の夫で、幼いあなたには、とても不本意なことだとは思うが」


 不思議だ。


 この綺麗な変人の王子さまは、

 レティシアの都合や気持ちを聞いてくれる。


 小さなレティシアの気持ちなど、誰にとっても、どうでもいいことなのに。


「あなたは私に属するものとなるのだから、私が約束する。

 これ以後、誰にもあなたを害させない。私が、ここでのあなたの安全を保障する」


 何と、曇りのない、美しい青い瞳。

 空と海から、透き通った青だけを、集めたような瞳。


 両親を失い、厄介払いのように、

 五歳で、嫁に出されたレティシアの身の安全を保障してくれるという、美しい婿殿。


 いい人だ。

 

 私も、この優しい婿殿をお守りしよう。


 少なくとも、聞かされてきた、恐ろしい変人というのは、誹謗中傷に思える。


「レティシア…?」


「姫様、いかがなされましたか…」


 いけない。


 ここに来て、

 初めて優しい言葉をかけてもらって、

 嬉しいのに、感極まりすぎて、涙が出てきた。


 お礼を。

 

 お礼を、言わなくては。


「……、……っ」


「大丈夫か、姫。長旅の疲れがでたのか?」


 美貌の婿殿が、心配そうな顔をしている。


 この人、綺麗な顔過ぎて、無表情に見えるけど、

 ちゃんと細かく表情あるんだ、

 とレティシアは、こんなときに妙なことに感心している。


「あり、……がとう…、ございま…、」


「…絹を…、姫の御顔を拭くものを…、

レティシア、泣いていいから、焦らず、息を吸って」


「……、は……い……」


涙で、よく、婿殿が見えない。


私もお守りしよう。


婿殿は、

無理やり押し付けられた、

こんなちびの花嫁にも、


敬意を持って接してくれる、

お人よしの美形殿だ。


そんないい人は、人生、苦労が多そうだ。


私も、きっと、この美しい、優しい婿殿をお守りしよう。


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