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十三番目の賢者  作者: 綾里悠
第八章 過去との決別 <第七節>過去との決別
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過去との決別 #87


「いやぁー、アハハハハ、だいぶ負けちゃいましたねー、俺ー。ヤバイなー、流れが変わってきちゃったかなぁー? とうとう運が尽きちゃったかなぁー? アハハハハハハー。」


 ドゥアルテが持ち出した財宝をティオが買い上げてのちの2マッチ目が終わった時点で……

 ティオは1マッチ目で、赤チップ850枚近く勝っていた所を、ズルズルと負けが込み、400枚程まで減らしていた。

 全8戦の内の、前半で2敗、後半4戦は全て負けるという徹底振りだった。


 おかげで、1マッチ目はまるで葬式のように悲壮な空気が漂っていたドゥアルテ陣営が、一気に活気づいていた。


「だ、旦那様、今こそ店から借りているチップを全て返却すべきです! 奥様の宝飾品を売ってしまったのは痛い事ですが、これで借金はなくなります!」

「そ、そうです、旦那様! 今夜はここでやめておきましょう! ツケを払って残った分のチップは現金に替えましょう! 明後日に迫った支払いのために、今は少しでも金が必要なんです!」

「うるせぇ! お前ら、バカか? この状況が分かんねぇのか?」


「いいか、今、俺は、確実に勝つ流れに乗り始めてんだよ! さっきの勝負を見ただろうが。後半調子が上がって、ずっと俺の勝ちだった! ようやく流れが変わってこっちに運が向いたって事なんだよ!」


「俺はやめねぇぞ! やめてたまるかよ! この運に乗って、あのムカつくクソガキを一気に捻り潰してやるぜ!」


 ドゥアルテが、店側からツケで借りているチップを返し、残った分を現金に戻せば、なんとか被害を最小限で済ませられる所まで巻き返したのを見て、番頭達は必死に彼を止めようとしていたが……

 当然のごとく、ドゥアルテは全くやめる気がなかった。

 尻上がりに戦績が良くなり、特に後半はずっと勝っていた事で、このまま続けていけば確実に勝ち続けられるという気分にすっかり浸っていた。

 なんとかわずかでも金を持ち帰ろうとする後ろ向きな番頭達の発言を完全に無視して、一人興奮気味に気を吐いていた。


(……よーし、なんとか帳尻を合わせられたな。これで、ドゥアルテは、次の勝負も勢い込んで乗ってくるだろう。……)


(……次が、いよいよ本当の大詰めだ。……)


(……逃さないように獲物をガッチリ縛りつけた所で……限界まで、最後の血の一滴まで、搾り取る!……)


 もちろん、ドゥアルテが2マッチ目に入ってからポツポツ勝ちだし、後半には全勝していたのは、そうなるようにティオが巧みに打ち回していたためだった。

 だんだんと運が向いて波に乗ってきている、そうドゥアルテが思い込んだのも、まさにティオの思惑通りだった。


 ティオは、仕掛けが上手くはまって内心ホッとしながらも、そんな感情はおくびにも出さず……

 困り果てた顔で、ボリボリとボサボサの黒髪を掻いた。


「……あのぅ、えっとぅ……俺、そろそろ帰りたいなぁー、なんてー。明日も傭兵団は忙しいですしねー。……じゃ、じゃあ、ドゥアルテさん、そういう事で、俺は……」

「待て! ふざけた事ぬかしてんじゃねぇぞ、このガキが! 勝負はまだ始まったばっかりなんだよ! 大人しく座ってろ! さあ、さっさとゲームを続けるぞ!」

「え、ええー!……い、嫌だなぁー。すっごく嫌な予感がするなぁー。帰りたいなぁー。……やっぱり、ここで終わりにしちゃダメですかねぇ?」

「ダメだ!」


 負けが込んで弱気になった振りをしているティオに、予想通り、ドゥアルテは勢い良く食いついてきた。

 ドゥアルテからすれば、まさに食べ頃の相手に見えるのだろうが、実際は、見事に罠にはまり今にも食べられようとしているのはドゥアルテの方だった。


 早くドミノの続きをしたくてウズウズしている向かいの席のドゥアルテを、ティオは、心の中では舌なめずりしながら、表では慎重に誘導しようとしていた。


「あ!……えーっと、それなんですけどー、今、いい事を思いついたんですよねー。」


「もうだいぶ夜も更けてきたので、そろそろ退散したいっていうのは、本音なんですよー。それで、考えたんですけどもー……」


 と、ティオが、当初から描いていた計画通りに最終段階の仕掛けを展開しようとしていた、まさにその時だった。

 思いがけない声が、予想していなかった場所から、聞こえてきた。


「……チェ、チェレンチー!」

「……おい、チェレンチー。ちょっと話せないか?」


 ドゥアルテのそばに立って、しばらく何かヒソヒソ会話していた番頭達が、ティオの後ろのチェレンチーにためらいがちに声を掛けてきたのだった。



「おい! これから勝負再開って時に邪魔すんじゃねぇよ!」

「し、しかし、旦那様、これは大事な話でして……」

「まあ、いいじゃないですか、ドゥアルテさん、少しぐらい。……俺もちょうど喉が渇いたなぁと思ってたんですよ。」


 当然ドゥアルテは番頭達がゲームを遮ってきた事に苛立ったが……

 意外にも、彼らに助け舟を出したのは、ティオだった。


 「すみませーん」と、赤チップ卓周りの雑用を一手に引き受けている、例の従業員の制服を着た小柄な老人を呼び、「これで水を一杯下さい。」と、チップを渡して頼んでいた。


「いえいえ、水でしたら、このテーブルのお客様にはただで提供いたします。」

「え? そうなんですか? じゃあ、これは手間賃という事で受け取ってもらえませんか?……あ、ボロツ副団長も何か飲みますか?」

「マジか!? じゃあ、ビール……」

「水を二杯お願いします。」


 ここぞとばかりに酒を飲もうとするボロツに先んじて、ティオがニッコリ笑って老人に注文を告げていた。


「ティオ、テメェ!」

「酒は勝負が全て終わるまでダメだって、前に言ったじゃないですか。」

「じゃあ、聞くなよ! ぬか喜びさせんなよ!」


 文句を言うボロツを淡々とやり過ごすティオという、いつもの二人のやりとりの前で、チェレンチーは戸惑った表情を見せていた。


「……ティオ君……」

「ああ、チェレンチーさん。そんな訳で、俺とボロツ副団長は、少し休憩していますから、その間に昔の仕事仲間の方達と話をしてきたらどうですか?」


 自分が原因で勝負を中断させている事に後ろめたさを感じているらしいチェレンチーに、ティオは「なんでもないので、気にしなくていい」と言うかのように、ケロリと明るい笑顔を見せた。

 そして、一度、声のトーンを落とすと、チェレンチーとボロツにのみ聞こえる音量で少し早口で語った。


「……おそらく、次が今夜の最後の勝負になります。……」


「……しかし、チェレンチーさん次第では、ここでやめてもいいと、俺は思っています。……」

「……え!?……そ、それはダメだよ! せっかくここまで計画を進めてきたんだよね? 予定の金額には、まだ少し足りていないし……」

「……でも、かなり稼げましたよ。まあ、足りていない分は、やりくりしてなんとかしますよ。元々、『必需品ではないけれど、あったらいい』ぐらいのものを、俺の我儘で揃えようとしている訳ですからね。金の事は、もう気にしないで下さい。……」


「……それよりも……これから先、ドゥアルテとの勝負を続けるにしてもやめるにしても、せっかくですから商会の方達とゆっくり話をした方がいいんと思いますよ。こんな機会は、もうないかもしれません。長年仕事仲間だった人達なら、いろいろと積もる話もあるんでしょう。……」

「……仕事仲間……そ、そうだね。ありがとう、ティオ君。少し、時間を貰うね。……」


 笑顔で背中を押してくれたティオの気遣いをムダにしたくないと思ったチェレンチーは、コクリとうなずいて、ティオのそばを離れた。

 不満げに騒いでいたドゥアルテは、ティオが「俺が奢るので、少し待ってあげて下さい」と言って、上等なワインを奢った事から、やや大人しくなって、従業員の老人がゴブレットに注いだワインをあおっていた。



「チェレンチー。」

「ええと……お二人共、改めてお久しぶりです。」


 チェレンチーは、番頭達が立っている所まで歩み寄って軽く頭を下げた。


 番頭達は二人共ドゥアルテのそばに居たため、必然的にチェレンチーもドゥアルテに近づく事になった。

 話をするにはもっと距離を取っても良かったのだろうが、番頭達はこの『黄金の穴蔵』には不慣れな様子で、あまり主であるドゥアルテから離れたの場所に移動するのは不安があるようだった。

 特に、赤チップの壇上には、鳥の羽のマントを羽織った異様な風体のオーナーや、用心棒二人に加えて、顔の怖さでは他に並ぶ者のないボロツも腕組みをして睨みをきかせていたので、ただの商人である番頭達には、もの恐ろしくて近寄りたくない気持ちだったのだろう。


 一ヶ月程前のチェレンチーだったのなら、きっと彼らと同じ感覚でいたに違いない。

 しかし、今のチェレンチーは、特にこの状況に怯える気持ちはなかった。

 オーナーの事は、いかにも裏社会の人間という感じで怪しい雰囲気の人物だと思っており、帯刀している用心棒達も確かに脅威ではあったが……

 彼らは、この『黄金の穴蔵』の秩序を維持する事を旨としており、この賭博場のルールを守っている限りにおいては、むやみにこちらに害を及ぼすような事はしてこないのだと、チェレンチーはもうはっきりと理解していた。

 そういう意味で、治安の悪い路地裏で、下手なチンピラに絡まれる方がよっぽど害がある。

 この賭博場を仕切る人々や組織は、街角で一般庶民を脅し小銭を巻き上げる小物の悪党よりも、本来はずっと恐ろしい人間達なのだろうが……

 彼らには明確かつ厳格なルールがあり、そのルールがしっかりと機能している秩序の中で生きていた。

 ムダに彼らのすみかを荒らすような事をしなければ、極めて礼儀正しく理性的だった。

 故に、チェレンチーの心は一通り警戒態勢をとってはいたが、今は彼らを恐れる必要性がないため、番頭達のように怯えてはいなかった。


(……それに、傭兵団で揉まれて、荒っぽいタイプの人達に慣れたっていうのもあるのかなぁ。ボロツ副団長には感謝しなくっちゃ。……)


 散々文句を言っていたものの、配膳された水を美味そうに腰に手を当ててがぶ飲みしているボロツを、チェレンチーはチラと見遣って苦笑した。


「それで、僕に話というのはなんでしょう?」

「……あ、ああ、それなんだが。その、まあ……元気そうで良かった。見た所顔色も良さそうで。」

「すみません。勝負を止めてしまっているので、なるべく手短にお願いしたいのですが。」

「う、うむ。コホン。そうだったな。実は……」

「チェレンチー、お前、商会に帰ってこないか?」


 老年の大番頭が言い出しにくそうに口ごもっている一方で、中年の番頭は前のめりな勢いで口火を切ってきた。

 「え?」と、チェレンチーは一応は驚きはしたものの、うっすらと予想していたので、あまり動揺はなかった。


 先程ティオは彼らの事を「長年仕事仲間だった人達」と言ったが、チェレンチーには、ほとんどそういう認識はなかった。

 苦楽を共にし、皆で商会を盛り立てようと、一緒に頑張って働いてきた仲間……

 そういったものとは、自分と彼らの関係は似て非なるもののようにチェレンチーは感じていた。

 チェレンチーは、確かにドゥアルテ家の使用人達とは長い者で十五年以上もの付き合いがあったが……

 その中に「親しい人間」「仲間」「友人」そう呼べる者は誰一人として居なかった。



 チェレンチーは、ドゥアルテ家に引き取られた当初から、将来兄を支えてかの家を守っていくに足る能力を持った人間となるため、父親の方針で厳しい教育を受けてきた。

 チェレンチーの中に商人としての才能を見出した父は、チェレンチーが何人もの家庭教師から授業を受ける場に、やがて頻繁に同席するようになり、チェレンチーが間違った答弁をしたり、また、父の気に入らない非積極的な態度を見せると、すぐに手にした木製の定規で彼を叩いてきた。

 時に、その罰は折檻と言っていい程酷い状態になる事もあった。

 したたか定規で打ち据えられたチェレンチーの体には、いくつもの赤い痣が残って何日も消えなかった。


 そんな、商人としての基本的な知識や技術を叩き込まれるかたわら、幼いチェレンチーは父に命じられて、店の下働きも同時にこなしていた。

 「人に教えてもらおうと思うな! 自分で学び取れ!」というのが父の方針であり、チェレンチーはムダ口を叩かないように厳しく言い含められていた。

 そんな状況下で、チェレンチーに親切に仕事のやり方を教えてくれる人間など居る筈もなかった。


 チェレンチーは、毎日ドゥアルテ商会の従業員に混じって黙々と働いた。

 屋敷に引き取られて数年経った頃には、チェレンチーは、もはや、立派な労働力として大人顔負けの作業量をこなしていたが、他の従業員達や現場の監督役との会話は「次はあっちをやってくれ」「それは向こうに持っていってくれ」といった、ごく短い指示や伝達ばかりだった。

 昼食時も、世間話や仕事の愚痴で盛り上がる他の従業員達から離れ、一人黙々と配られた食事を取っていた。

 少し時間の余裕のある時は、走って自分の部屋まで戻り、寝たきりの母親の様子を見ながら食べるようにして、貴重な母との時間を過ごしていた。


 使用人達は、何年経っても、チェレンチーと距離を置いたままだった。

 仕事上必要最低限な会話を交わすのみで、個人的な会話や交流は一切なかった。

 まさに「腫れ物に触るような」という表現がピッタリな状況が続いていた。

 仕事中は同じ職場の従業員として共に働いてはいても、休憩時間になると、スウッとチェレンチーのそばから人が居なくなる。

 誰もチェレンチーに話しかけてこなかったし、もっと言えば、まるでそこに居るのに見えていないかのような扱いだった。

 決して積極的な嫌がらせを受けていた訳ではない。

 チェレンチーが質問すれば、皆質問の内容には事務的に返答してくれた。

 皆に嫌われていた訳ではないのは、チェレンチーも分かっていた。

 それでも、ドゥアルテ商会の当主である父が病に倒れ、その看病と補佐をチェレンチーが一手に引き受けざるを得ない状況となって下働きを止めるまで……

 従業員や使用人達の、チェレンチーへの「おだやかな無視」はずっと続いていた。



 彼らがチェレンチーを「腫れ物扱い」していた原因を、チェレンチーは知っていた。

 腹違いと兄と、父の正妻であるドゥアルテ夫人である。


 兄は、人目もはばからず友人達とチェレンチーを頻繁にいじめていた。

 稚拙な罵詈雑言を浴びせるのはまだいい方で、チェレンチーの持ち物を壊したり、酷い時は、殴る蹴るの暴力を振るう事もあった。

 夫人は、主に冷たい態度と無視、そして時折チェレンチーと彼の母を虫ケラのごとく罵った。

 二人の非道な行いは、まだ成長途中のチェレンチーの肉体と精神をむしばみ、チェレンチーは人としての自尊心や自信を奪われて、常にビクビク怯えながら過ごすようになっていった。


 この兄と夫人の行動を、ドゥアルテ家当主である父親は、一切止めなかった。

 当然、父は二人がチェレンチーに何をしているかを知ってはいた。

 しかし、父が気にしていたのは、将来長子である兄がこの家を継いだ時に、チェレンチーが商売を補佐出来る優秀な商人となる事だけであり、チェレンチーの心の保護や健全な成長にはまるで関心がなかった。

 もっと言えば、父にとってチェレンチーは、自分の偉業であるドゥアルテ商会をこの先も守り続けるためのただの道具であった。

 血の繋がった我が子としての愛情は、はじめから欠けらも持っていなかった。

 子供の頃から聡明だったチェレンチーは、それを良く知っていた。

 それでも、父の厳しい教育に必死に食らいついていき、兄のいじめに耐え、夫人の悪口を黙って聞いていたのは、自分に「道具としての価値」がある限り、この家に置いてもらえる事を知っていたからだった。

 母親の病気の治療や充分な寝食を、父によって保証されていたためだった。


(……これは、取引だ。……双方に利のある行為を取引だと言うのなら、間違いなく取引だ。……)


 チェレンチーは、いつしか「商人らしく」そう考えるようになり、父との関係を心の中で割り切っていた。

 チェレンチーには、彼を心の底から愛してくれる母が居たので、父に親としての愛情を求める気持ちはまるでなかったが……

 父との関係を「利害関係」で考えるようになってからは、いっそうチェレンチーの心は冷め、淡々と言われた事を忠実にこなすようになっていった。



 しかし、問題は、そんな父や夫人や兄のチェレンチーへの扱いを、そばで良く目にしていた屋敷の使用人や商会の従業員だった。

 彼らは、仮にも当主の血を引くチェレンチーに対して、本来は「主の子息」として、敬意を持って接するべき所を、それをまるでしなかった。

 チェレンチーが、父が病で倒れるまで、一番地位の低い下働きの使用人同様の扱いを受けていたためだった。

 また、兄や夫人がチェレンチーを目の敵にして酷く嫌っていた。

 この二人の横暴ぶりは、チェレンチーの事がなくとも、普段から使用人達を悩ませており、当主の父も二人の行いをほぼ放任していたため、使用人達は、出来る限り二人の機嫌を損ねる事を避けたいという心理状態だった。


 そのため、兄と夫人に睨まれる事を恐れずに、チェレンチーに手を差し伸べるような者は誰一人として居なかった。

 まだ子供と言っていい歳のチェレンチーが酷い扱いを受けている事に、内心同情していた部分もあったかもしれないが、それが、言葉や行動で示される事は一度もなかった。

 兄と夫人の目を盗んで、時折そっと優しく声を掛ける、といった出来事さえも一切ないままだった。


(……仕事仲間、かぁ。……)


 そんな使用人や従業員達に対して、チェレンチーは……

 父が亡くなってから、統制が全く取れなくなっているであろう商会の内情を想像して、(大変だろうな)と不憫にも少し心配にも思う事はあったが……

 特に強い思い入れはなかった。

 仕事仲間と言うなら、それぞれの役割は違くとも、同じ目標に向かって共に励み、お互いを信頼し合い、友愛の感情で強く繋がっている、そんな今の傭兵団の方が、ずっと「仲間」らしく感じられていた。


 チェレンチーは、態度や返答は丁寧なままだったが、終始、波一つない冷え切った感情を持って、元同僚達の言葉に耳を傾けていた。


読んで下さってありがとうございます。

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☆ひとくちメモ☆

「チェレンチーの幼少期」

母親と貧民街で極貧の生活としていた所、十歳の時にドゥアルテ家に引き取られた。

彼を引き取ったのは、実の父であるドゥアルテ家の当主で辣腕で知られた大商人だった。

病気の母親に充分な治療を受けさせるため、チェレンチーはドゥアルテ家での厳しい境遇に必死に耐え続けた。

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