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黄泉軍語り 帰還の導 艦長の航海日誌  作者: 八城 曽根康
第四話 謎の巨大艦艇
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第四話 10 祟り神の可能性

当小説はフィクションであり、人物、団体、人種は全て架空の物で、実在する物とは一切関係ありません。


この作品は前作「黄泉軍語り 帰還の導 術使いの弟子(https://ncode.syosetu.com/n2119he/)」の続編です。


この作品は「カクヨム(https://kakuyomu.jp/my/works/16816927860866373063 )」に重複投稿しています。


 思考無線の会議の席。軍医は(けが)れと対話した事を報告する。


「そうか。穢れがそのような事を言ったのだな。」


 靖國(やすくに)大佐はそう言うと、目を閉じて考え込む。


「にしても、その穢れ。怨念(おんねん)(ひど)いんじゃねぇか。」


八坂中佐は(あご)に手を当てて考え込む。


「穢れがペプーリア様を標的にしているのですか。」


 諏訪中佐は腕を組んで考えこむ。


 三者三様に考えこむ中、浅間中佐が軍医に問いただす。


「一七代。一つよろしいかな。」


「どしたの。浅間中佐。」


「何故穢れに対して、挑発するような事をしたのかの。そなたの行動は、穢れが明確な主義主張を持っているかのように扱っているのぉ。」


「うん。少なくとも僕にはそう見えたね。明らかにボクを目の敵にしていたよ。」


「なるほどのぉ。」


 浅間中佐は、お茶を(すす)りため息をつく。


「これは(わし)が思うに、(たた)り神の類じゃないかのぉ。」


「祟り神ねぇ。」


 今度は軍医が首を傾げて考え込む。


「そうじゃ。儂らは泊地島(はくちとう)に居た時、泊地(はくち)富士を祭っておった。そこにいる名もなき神をの。」


「その神様が、俺達がいなくなったのを怒ったのか。」


 八坂中佐の問いに、浅間中佐はお茶を啜ってから答える。


「祟り神は、祭られなくなると、祟りを起こす物じゃて。」


「祟り神と言う根拠は、何かあるのか。」


「まあ、無くはないの。」


 浅間中佐はそう言うと、一つの資料を無線思考越しに提示する。その資料は神社の神主の報告書と、一〇年前の神霊値の観測結果だ。


「まずは、神霊値の数値じゃ。一〇年前の数値じゃが、当時泊地島の神の騒ぎがあったじゃろう。」


「そう言えばありましたね。」


「思い出したぜ。」


「あったな。そういえば。」


「ほへ。あったんだ。そんな事。」


 浅間中佐以外の四人が、それぞれ反応する。


「そう。その時はすぐ()りを潜めてから、神はいないという結論にいたったがの。そして次は、泊地島神社の神主の記録じゃ。偶然、儂が居合わせたのじゃが、怪しいから報告書を上げさせたのじゃ。」


 そう言うと浅間中佐は、資料の一文を指し示す。


「ここに結論が書いてあるの。結論から言うと、穢れと神霊を同時に観測したという事じゃ。ほんの一瞬じゃがな。」


 そして別の文を指し示して話を続ける。


「そしてここに注目かの。神霊が確認される前後で、穢れの量が明らかに異なっておる。神霊の観測後は、明らかに穢れが減っておった。」


「神霊が穢れを浄化させたのでしょうか。」


 諏訪中佐の問いに、浅間中佐は首を横に振る。


「わからん。じゃが、当時はそれほど気にも留めんかったがのぉ。」


 浅間中佐の発言に、諏訪中佐は再び考え込む。


「けどよぉ。祟り神なら、少なくともつじつまが合うんじゃねぇか。」


 皆の意識が八坂中佐に向けられる。八坂中佐はおもむろに話を始める。


「理屈はこうだ。最初にペプーリアが狙われていた事実だ。」


「ボクが狙われているねぇ。」


 軍医は首を傾げる。それを一瞥すると、八坂中佐は話を続ける。


「そうだ。お前さん。泊地島に来て早々、会見の場ではっちゃけただろ。戦闘機を召喚して大げさにな。」


「そう言えば、そんな事もあったね。」


 軍医は反対側に首を傾ける。八坂中佐にはその仕草は大げさに思えた。


「それ以外にも、視察とか色々とやって目立っていただろう。万人が認める帰還作戦の旗印だぜ。」


「確かにペプーリア殿は精力的に働いていたな。」


 靖國大佐は泊地島での軍医の働きを思い出す。少し無理をしているのではと思ったくらいだった。


「そして祟り神の性質だ。祭られなければ祟る性質。しかも見方によっては、ペプーリアに信仰を奪われたと、見る事もできるぜ。」


「もへへ。ボクが現人神かにゃ。」


「一七代の扱いは、現人神じゃな。」


 そう言うと、浅間中佐はお茶を啜る。本国出身の八坂中佐にとっては、まさに現人神だった。


「以上の二つの理由だ。祟り神ならつじつまが合う理由だ。祟り神が面白くない理由としては、十分だぜ。」


「そうなると、今後は祟り神の追撃も視野に入れるのですか。」


 諏訪中佐が今後の方針を確認する。障害者を明瞭にする。そうする事で対策がしやすいと考えたからだ。


「推定、祟り神だな。祟り神が穢れを使って追ってくると仮定する。正体が判明しない限りは、先走りは禁物だ。」


 断定するのは禁物と思いつつ、やはり祟り神がしっくりくると、靖國大佐は思った。



 ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。


 楽しんでいただけたのであれば、幸いです。


 次回は、軍医が穢れに言い放った台詞。その理由についての話になります。


 それではまたお会いしましょう。

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