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黄泉軍語り 帰還の導 艦長の航海日誌  作者: 八城 曽根康
第一一話 橙の大気とメタンの海の地 タイタン
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第一一話 9 敵機内で大暴れ。

この作品は前作「黄泉軍語り 帰還の導 術使いの弟子(https://ncode.syosetu.com/n2119he/)」の続編です。

 吾輩(わがはい)は巨大円盤内部に進入した。内部は戦闘機の格納庫のようだ。


 しかし空母などの格納庫とは違って、中は銀色の円盤の稚魚と、グレイと呼ばれる宇宙人風の人型妖怪が、携帯噴進弾(ふんしんだん)や雑多な銃火器で吾輩のロボットに立ち向かう。


 銀色の稚魚の破壊光線。レトロフューチャ―のようにジグザグになって向かってくるのを見て、吾輩は躊躇せず、二連装七六(みり)榴弾砲を敵体内でぶっ放す。


 対艦砲に匹敵する口径の榴弾が、格納庫の内壁に直撃する。薄い内壁に穴を開ける。爆風が破片を運び、近くに居た銀色の稚魚を衝撃波でズタズタにする。宇宙人グレイは爆風で吹き飛ばされ、内壁にぶつかり二次元になる。


 内壁は、榴弾の口径よりはるかに大きい穴が開く。銀色の血が飛び散り、肉壁からも銀色の体液があふれ出る。


 吾輩はロボットの手に短機関銃を装備させると、穴に向かって機銃弾を掃射しながら、肘や腕、ひざや足を使って、穴を強引に広げて隣の部屋に移る。


 そしてちょっとした地獄図を、巨大円盤の体内で描く。その繰り返しだ。


 一見、適当に暴れているように見えるが、巨大円盤機の解剖図を頭の中に叩きこんである。


 巨大円盤の解剖図と言うのも、いささか奇妙な表現だが、軍医殿の的の得た表現に、ぐうの音も出ない。




◇◇◇




 吾輩は残弾を計算しながら敵対内で暴れる。肩装備の二連装七六粍榴弾砲の残弾が四発になるころ、目的地に到達する。巨大円盤の口に当たる部位で、装甲も比較的薄く、広い場所だ。


 幸いここまで一方的な戦闘で、最後に口を吹き飛ばそうと榴弾砲の再装填が完了するのを待つ。短機関銃の残弾が思ったほど残っているのを再確認したころ、突如口が開く。


 円盤の格納庫の発進口。開いたそこから、今まさに外にいた稚魚が、大勢で進入しようとしている。


 榴弾砲の再装填の時間。短機関銃の残弾の再確認。そしてロボットの損傷や念力防壁の耐久力。それらをどんぶり勘定で瞬時に計算して行動に移す。


 ロボットの最大加速度で、開いた発進口に突撃する。両手の短機関銃を乱射しているが、どのくらい当たっているだろうか。些細な事だ。


 そして円盤の外に。予想通り円盤の稚魚の群れ。その真っただ中にいる。


 だが、それも後回しだ。吾輩は後ろに向き直って、発進口に正面を向ける。


 そして榴弾砲の二連斉射を、発進口に撃ち込む。


「もへへ。巨大円盤の解体ショー。見えなかったのが残念だけどにぇ。あの巨大円盤は死に体だね。」


 そう言いながら、軍医殿は無誘導の噴進弾を大量に放つ。吾輩を避けるように稚魚に当てるが、器用な物だ。


 敵円盤部隊は事実上壊滅。援軍が来そうな気配はするのが想像できる。吾輩は自由落下で天の火の上空に落ちるように操縦する。


 半死半生の円盤達は追ってこない。それはそれで、とてもありがたい事だ。


ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。


楽しんでいただけたのであれば、幸いです。


次回は、帰還艦隊本隊が到着します


それではまたお会いしましょう。


追記:今後の投稿は不定期になるかもしれません。今後投稿される場合、土曜日の21時に投稿になります。誠に申し訳ございません

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