第一一話 8 敵巨大円盤迎撃
この作品は前作「黄泉軍語り 帰還の導 術使いの弟子(https://ncode.syosetu.com/n2119he/)」の続編です。
巨大円盤機から、軍医の戦闘機と上級大尉の機動兵器に、対地砲火が降り注ぐ。摩訶不思議な破壊光線だ。
軍医は華麗に戦闘機を操作し、破壊光線を器用に避ける。
上級大尉は機体の理力防壁を厚くしつつ、威力のある破壊光線を避け、別の破壊光線を器用には弾く。
二機は巨大円盤の攻撃を器用に潜り抜ける。そうしていくうちに、対艦誘導弾の有効射程に到達する。通常の一割ほどの射程距離だ。そこまで肉薄していった。
「もへへ。無誘導誘導弾でもあたる距離だにぇ。四本行ってこぉい。」
軍医はよりによって、対艦誘導弾を無誘導で発射する。ワザと散布界を広げ、一発でも当たれば良いという具合にだ。
打ちっ放し能力が使えないため、誘導を母機から行う必要がある。しかし回避がおろそかになり、撃墜されてしまっては元も子もない。
それならいっその事、雷撃のように無誘導で発射する。幸い対艦誘導弾は四発ある。軍医はそう判断した。
軍医と巨大円盤は互いに回避行動をとる。とっさの所で衝突しそうになる。軍医は上昇して宙返りをする。両翼には、いつの間にか爆装がされている。両翼で合わせて一八発だ。
対艦誘導弾が巨大円盤に迫り、誘導弾が炸裂する。二発命中し、巨大円盤に明確な損傷を与える。
そこに軍医が急降下爆撃を加える。巨体に爆弾を全弾命中させる。
満身創痍だった巨大円盤の止めを刺す。威力は十分だ。
◇◇◇
力尽き墜落していく巨大円盤を後目に、上級大尉はさらに高度を上げる。もう一機の巨大円盤の上空に昇り詰める。
上級大尉は残った巨大円盤を見下ろす。
眼下に橙色の大気が広がり、はるか先に地平線が見え、宇宙との境が見える。
大気は微小。気圧もほとんどない。宇宙まで上り詰めその光景は、なかなかな物だと、上級大尉は思った。
巨大円盤から対空砲火が発射される。上級大尉はそれに何とか対処し、距離を詰め、巨大円盤の上に着地する。
巨大円盤に着地すると、上級大尉は修理装置のコテを取り出す。溶接や切断を行う器具だ。
そして足を折りたたみ座り込む。手早くコテを押し当てて、事もあろうか巨大円盤の外壁を剥がす。
「ほへ。この巨大円盤。このくらいの大きさなら、外壁はそれほど厚くないにょ。」
軍医の言う通り、外壁はそれほど厚くない。そして外壁の中は部屋になっている。それもかなり大きめの格納庫だ。
巨大円盤が泣いているように見えたが、上級大尉のロボットは、躊躇なく内部に進入した。
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。
楽しんでいただけたのであれば、幸いです。
次回は敵の体内で大暴れします。
それではまたお会いしましょう。
追記:今後の投稿は不定期になるかもしれません。今後投稿される場合、土曜日の21時に投稿になります。誠に申し訳ございません