表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄泉軍語り 帰還の導 艦長の航海日誌  作者: 八城 曽根康
第一〇話 本国の補給物資
117/134

第一〇話 1 本国補給艦と合流

この作品は前作「黄泉軍語り 帰還の導 術使いの弟子(https://ncode.syosetu.com/n2119he/)」の続編です。

 靖國(やすくに)上級大尉の航海日誌


 六二日。我が第一探査艦隊が、本国から派遣された補給艦と合流した。そして水先案内人という役割だろうか。第一探査艦隊が護衛を兼ねて、帰還艦隊に案内をした。


 さてその中で驚く事が二つあった。


 一つは航路の変更。大幅な航路変更になり、とんでもない場所を経由することになった。軍医殿に問いただしたが、どうも本国は本気のようだ。後はこちらの判断だろう。


 前回の餓鬼(がき)界経由も驚かされたが、驚きの大きさは同じくらいだ。


 そしてもう一つ。補給物資の内容だ。食料と燃料のウラン以外は、不明の補給物資の内容。現物を見たが、度肝を抜かれるとはこの事だろう。


 以前士官と下士官兵士の雑談の中で、八ヶ城様の話もあったが、帰還艦隊に対する投資は、どうやら私財だけではないようだ。



◇◇◇



「もへへ。本国からの秘密の補給物資。ちょっとしたガチャ気分だねぇ。」


「ガチャとは何かは知らんな。玉手箱か何かか。」


「ほへ。玉手箱とは、面白い表現だにぇ。それも良いねぇ。」


 軍医殿の言うガチャという物は良く分からないが、とにかく補給物資の内容に不明点がある。それらの確認を含め、我々第一探査艦隊が先行して、補給艦と接触する流れになった。


 吾輩(わがはい)は艦外知覚装置を使い、補給艦を感知する。


 遥か前方…は不明確だ。正確には北北西60キロの位置に、補給艦が航行している。12ノットでこちらに向かっているようだ。


 補給艦と言うには大きく、まるで戦艦の大きさだ。このような補給艦があると素直に驚く。


 突如、補給艦の姿が揺らぐ。艦外知覚装置で探知されている事に、気がついたのだろうか。探知を妨害する術を行使したようだ。


「観測していたが妨害された。軍医殿。発光信号で、こちらの所属と艦名を伝えてはどうだろうか。」


「もへへ。そりゃいいかもねぇ。無線封鎖もしているようだし、日本語のモールス信号。光で打ってみようかにゃ。」


「了解。船務長。発光器でモールス信号を打電。内容は所属と艦名だ。何度か繰り返して打ってみてくれ。」


 吾輩は部下に指示をして、その結果を待つ。大体一分くらいだろうか。船務長から報告が届く。


「艦長。補給艦から返信。『我、113号補給艦。帰還艦隊との接触を望む。』返答はいかがしますか。」


「返答はこうだ。『了解した。我が艦隊と合流して、我が艦隊の護衛の下、帰還艦隊と接触する。』とだ。」


「了解。」


 船務長の仕事を横に、吾輩は仕事の本番に備え、艦長席に深く座り込み、軽く目を閉じて休息した。

ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。


楽しんでいただけたのであれば、幸いです。


次回は補給艦と合流します。


それではまたお会いしましょう。


追記:今後の投稿は不定期になるかもしれません。その場合、木曜日の21時に投稿になります。誠に申し訳ございません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ