表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄泉軍語り 帰還の導 艦長の航海日誌  作者: 八城 曽根康
第九話 決戦。ミサイル艦隊対帰還艦隊。
115/134

第九話 20 案件・本国の補給物資

この作品は前作「黄泉軍語り 帰還の導 術使いの弟子(https://ncode.syosetu.com/n2119he/)」の続編です。

「さてと。こちらに向かっている輸送艦、近日中に合流する本国からの補給だ。食料とウランの補給だが、それ以外にも何か積んでくるようだ。詳しい情報は情報漏洩(ろうえい)を懸念して、秘密みされている。」


「差し当たって食料の受け取りとウランの分配。そして合流する輸送艦の編入を手配しておきます。不明の物資は、現物を見てから考えましょう。」


 靖國(やすくに)大佐と諏訪中佐の思考無線会議。兵站担当の諏訪中佐との会議の中で、本国からの補給の話になった。


 先日、本国からの定時連絡で、初めて知らされた追加の補給艦派遣。しかも物資は、食料とウラン以外不明。現場では少ない混乱が生じたのは、言うまでもない。


「しかし、たった一隻の補給艦か。補給量は心もとないのでは。」


「いえ。ハンディサイズと呼ばれるばら積み船に、気休めの武装をした輸送艦です。武装も補給物資の一部です。載貨重量トン数は3万トン。帰還艦隊の食料半年分を積んで、余剰積載量を使って、ウランと何か送ってくるようです。」


 諏訪中佐が言うと、補給艦の資料を送ってきた。全長200メートル。全幅35メートル。戦艦にも届きそうな全長は、確かに補給艦としては大きいのだろう。


 それにしても、本国のある意味過剰な機密保持。補給の時期にしろ、補給物資の内容にしろ、もう少し情報を公開して欲しいと、靖國大佐は腹の中で愚痴を漏らす。


「半年分の食料か。食料の置き場を工夫しないとな。」


 そう言うと、靖國大佐は冷めた珈琲(コーヒー)を一口すする。水筒に入った、冷めた珈琲だ。


「それにしても、追加の補給ですか。航路の変更が考えられますが、連絡はないですか。」


「現時点ではないが、不慮の事態に備えろという、暗示かもしれないな。」


「現に航路変更はありましたね。」


 航路変更により、まさかの餓鬼(がき)界を通行する羽目になった事は、記憶に新しい。それだけでなく、不安定な航路を迂回するために、余裕を持った兵糧。それと、できれば帰還艦隊の燃料であるウランも欲しい所だ。


「航路については、本国側にしか分からない。ここで懸念しても始まらないだろう。」


 靖國大佐はため息をつく。そして次の言葉を紡ぐ直前、帰還艦隊最後尾を警戒していた銀山から、緊急の連絡が入った。


 その連絡は、靖國大佐を少し驚かせた。その内容は、地獄の囚人が乗った艦が、泊地島の穢れによって撃沈されたとの内容だった。



ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。


楽しんでいただけたのであれば、幸いです。


次回は双胴巡洋艦銀山の現場で、何を観測したか。そのような話になります。


それではまたお会いしましょう。


追記:最近忙しくなってきたため、今後の投稿は不定期になるかもしれません。その場合、木曜日の21時に投稿になります。誠に申し訳ございません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ