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黄泉軍語り 帰還の導 艦長の航海日誌  作者: 八城 曽根康
第九話 決戦。ミサイル艦隊対帰還艦隊。
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第九話 17 茶番劇『金貨一枚、お持ちですか?』

この作品は前作「黄泉軍語り 帰還の導 術使いの弟子(https://ncode.syosetu.com/n2119he/)」の続編です。


 銀山が敵艦『ロングビーチ級』のそばまで行く。ロングビーチ級の動力はすでに停止し、12.7cmの主砲も砲撃戦の中、抜け目なく破壊してある。


 それに対して銀山の方では、主砲と副砲。そして機銃まで敵艦に向けられていて、明らかな敵意を感じ次第、いつでも発砲できる状態になっている。


 一方、地獄の囚人達の戦意は喪失している。ごく一部、憤りがあるのも精神探査で観測ができていた。


 地獄の囚人が警戒しているのは、吾輩の砲でも感知できた。気配がそう感じさせる。


 吾輩(わがはい)達は艦首甲板に大発を着艦させる。地獄の囚人は姿を現さない。


「地獄の囚人は出てこないようだな。」


「もへへ。来ないなら来ないで、こっちの仕事は楽だけどねぇ。」


「そうですね。警戒して出てこなければ、僕も楽が出来ます。」


 軍医殿と浅糟(あさかす)軍曹の会話をよそに、吾輩は敵意を術で探索する。


 その結果、敵意はある。だがごく少数だというのが答えだった。引き続き警戒を怠らないようにしよう。



◇◇◇



「さあさあ、地獄の囚人達。チミ達に、千載一遇(せんざいいちぐう)のチャンス到来だぁ。天国に行きたい奴はいないかにゃ。今なら金貨一枚だよ。」


 絵本の中の王様のような王冠。そんなものを被った軍医殿が、敵艦に向かって呼び掛かける。


 この王冠は俗に言うマジックアイテムだが、純金の本体と装飾された宝石。それらよりも高価な術が付与されている。


 “念話”と“翻訳”と“解読”の術が付与されたそれは、そんじょそこらの財宝よりも高価な代物だ。当然、盗難防止も施してある。


 吾輩はふと敵意を感じ取る。艦橋の割れた窓から、一人の男が銃で狙っている。


 吾輩は一瞬早く、黄金色の回転式拳銃を構える。一瞬遅れて、護衛達も各々の得物を構える。


 吾輩は躊躇なく引き金を引く。五二口径の大口径弾は、不届きな囚人の頭部に命中し、穢れ払いの炎が炸裂する。地獄の囚人は全身が燃え上がり、ほどなく灰の塊になる。


 一発の銃撃の後、再び静けさに覆われる。そしてしばし時間が流れる。


「もへへ。反応無しかにゃ。撤収する?」


 反応が無く静寂が訪れる中、軍医が発した言葉。そこ言葉を紡いだ直後、艦橋の扉が開く。


 そこには黒髪で、背中から生えた黒色の翼。この人物を見た我々に、緊張が走った。


 これこそ堕天使。それすなわち、敵艦隊の提督のお出ましだ。



ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。


楽しんでいただけたのであれば、幸いです。


次回は、出てきた堕天使の対応になりますが・・・。


次回の投稿は一週間お休みをいただき、七月六日なります。


それではまたお会いしましょう。


追記:最近忙しくなってきたため、今後の投稿は不定期になるかもしれません。誠に申し訳ございません。

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