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黄泉軍語り 帰還の導 艦長の航海日誌  作者: 八城 曽根康
第九話 決戦。ミサイル艦隊対帰還艦隊。
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第九話 7 現代戦の誘導弾に対し

この作品は前作「黄泉軍語り 帰還の導 術使いの弟子(https://ncode.syosetu.com/n2119he/)」の続編です。

「第一、第二護衛艦隊。各艦“誤作動”の術を行使して、敵誘導弾を迎撃。」


 靖國(やすくに)大佐は思考無線で瞬時に指示を飛ばす。各艦の術師は、バネがはじき出されるように、データリンクで導き出された各々の標的に、“誤作動”の術を行使する。


 ある誘導弾は、垂直発射装置から撃ち出された直後、制御を失う。そのまま垂直に打ち上げられ、虚空に消える。


 ある誘導弾は円を描きながら飛び、明後日の方向に飛んで行き、爆発する。


 またある誘導弾は、噴進をすることに抗議して、撃ち出された直後、再び垂直発射装置のセル内に退避する。


 そして誰かの幸運か、それとも地獄の囚人への追い打ちか、セル内で誘導弾が爆発し、垂直発射装置内の誘導弾、さらには船体を吹き飛ばし、戦闘艦の艦首を吹き飛ばして戦闘不能にする。


 精神探査で敵の混乱を観測する。その間にも、次々と誘導弾が飛来する。


「各艦。電波妨害開始。射程に入り次第、理力法による迎撃を開始。」


 各艦電波妨害を開始する。飛来する誘導弾のいくつかが目標を見失い、乱軌道を取って飛び去る。


「敵誘導弾、識別判明。対空誘導弾と対艦誘導弾の二種類が、混ざって飛来してきます。数、千発以上。」


「全艦隊。理力砲発射。対艦誘導弾を優先して狙え。対空誘導弾は囮だ。」


 靖國大佐の号令の直後、戦艦の主砲が理力の光線を吐き出す。戦艦の理力砲。目標は五〇キロ以上離れた、直径三〇センチほどの誘導弾を飲み込む。光に飲み込まれた誘導弾は、光の圧力にはじき出され、すぐ下の水面に叩きつけらえる。


 別の誘導弾は翼に光の線が直撃する。光は翼をもぎ取り、翼を失った誘導弾は軌道を乱し飛び去る。


 さらに別の艦対空誘導弾は、光の薙ぎ払いを受けて軽々とはじかれる。


 続けて巡洋艦と駆逐艦の理力砲が加わり、数多の光の線が虚空を彩る。


 駆逐艦が放った鋭い理力砲が、艦対空誘導弾を一撃で撃ち落とす。


 巡洋艦が放った理力砲は絞り込みが足りず、対艦誘導弾をわずかに押すにとどまる。そして直後に、再度命中弾を食らわせ、今度こそ対艦誘導弾を撃墜する。


 各艦、懸命に迎撃を行う。それでもいくつかの誘導弾は、光の線をかいくぐり、こちらへと向かってくる。


 各々狙われている艦が、逆探知を用いて迎撃を行う。ある艦では機銃座が光の針を吐き出し、誘導弾を蜂の巣にする。別の艦では囮兵器を用いて、誘導弾を回避する。


 双胴巡洋艦銀山の防空網を突破した対艦誘導弾は、銀山との間に出現した氷の壁に衝突して、激しく爆散する。


 別の駆逐艦に対艦誘導弾が命中するが、直後に駆逐艦の姿が消え対艦誘導弾が爆発する。しかしよく見ると、対艦誘導弾に命中したのは大型発動艇で、本命の駆逐艦は爆発の後方から、霧の中から現れるように出現する。


 術に心得のある者が見れば判る話だが、“身代わり”の術で誘導弾を回避したのだ。しかし“身代わり”の術は高度な術で、初期生産の摩訶不思議装置をお釈迦にする。しかも“身代わり”の術の準備は大変で、その術師の苦労は相当なものだったろう。



◇◇◇



 そんな攻防の中、二発の対艦誘導弾が攻防をすり抜けて、銀山に一直線に向かってくる。この二発だけが数多の防御をすり抜けて、銀山に向かって一直線に向かってくる。そして不運にも防御が間に合わず、一発目は船体中央に命中。


 だが銀山は現代兵器を耐える。しかし念力防壁は悲鳴を上げる。


 そこにもう一発の対艦誘導弾が、第一主砲に命中して爆炎をあげた。



 ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。


 楽しんでいただけたのであれば、幸いです。


 次回は、誘導弾が命中した銀山の現場になります。


 次回の投稿は、四月六日になります。


 それではまたお会いしましょう。

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