結果無理にでも努力させられる俺
これは努力嫌いなありきたりな青年カケルがありきたりに転生して無双する話し……のハズだった。
ありそうでなかった奇想天外なファンタジー冒険録!
少年の運命やいかに!?
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「ん、う〜ん…どこだここ?草原?確か俺は家でいつものごとくグータラしながらソシャゲで無双してる最中だったんだけど…」
俺は高校を卒業して営業会社に就職して一年、頑張っても報われない成績に落胆し、努力しても上になんて登れない。そんな毎日に嫌気がさして会社も休みがち。
昔からそうだった。どんな事にもすぐに目がいって最初は頑張ろうとするが、いつも上には上がいてグータラしてるうちにどんどん周りに追い越されていく日々。とにかく努力することが続かずいつも途中で投げ出してしまう。そんな生活が続き、世の中で一番嫌いな言葉は[努力]。
今回もいつものごとく、入社して最初は張り切っていたが結果は同じだ。今や会社をズル休みしてゲーム三昧。のハズだった。
「なんだ??ボス戦で倒したと思った瞬間に全体がかなり眩しく光った記憶はあるけど…
まさかこれは!?夢にまで見た異世界転生!?」
そうと決まればまずはこのセリフ!
「ステータスオープン!!」
ヴォン!
頭の上にステータスプレートが出る。
「うおぉぉ!ホントに出た!夢じゃないよな?気になるステの方は〜?」
HP7500
MP12000
剣術MAX
槍術MAX
武術MAX
魔術MAX(火、水、土、風、光、闇、etc)
運 −MAX
「キター!その他のステータスも相当高い!これぞ夢にまで見た異世界無双!!これで俺もハーレム作ってスローライフを楽しめる〜!
ん?なんだこの運 −MAXって?
運が悪いって事か?でも他は無双状態だから関係ないだろ。」
ズドーーン!その時カケルの後方からとんでもない重低音が響く。
「なんだ?」
振り返るとそこには5メートルはあるであろう恐ろしい形相の熊らしきモンスターが。
「えっ?ウソだろ?最初のモンスターにしては化け物すぎるだろ!?もう死ぬの俺…」
モンスターの頭部にもステータスらしき物が浮き上がっている。
「ジャイアントグリズリー?レベルひゃ、180ぅぅ!?いやいや、これ無理ゲーでしょ?さすがにこのステータスでも絶対勝てないっしょコレ!?
どういうこと?全然頭追いつかないんですけど!!」
そのときジャイアントグリズリーの腕が大きく振りかぶりカケル目掛けて振り下ろされる!
頭にスキルの全てが入ってくる。身体強化、足払い、正拳突き、急所突き
カケルはスキルを順に技を繰り出しモンスターを攻撃。
ジャイアントグリズリーは一撃で倒れる。
「び、びびった〜。でもこれはスゲ〜!ホントに強ぇ!これで何が来ても怖くないぜ〜」
その時、
レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました……
レベルアップ音が続く。
「おっ!色々MAXだけど、レベルアップするんだな。何のステがこれ以上増えるっていうんだい?」
カケルはワクワクしながらステータスプレートを覗く。
HP7408
MP10820
剣術MAX
武術91
槍術MAX
魔術MAX
運 −97
「えっ?なんだこれ?どういうこと?ステータス下がってね?
ええぇ〜?あんなデケェ熊倒したのに?
ん?でもラックが−97になってる?これは上がってるんだよな?まあ、このステータスならさっきの奴でも倒せたんだから大抵のやつは大丈夫だろ!
ってか転生したら大体女神みたいなの来て色々説明あるだろ?なんで来ないんだ?」
このときカケルはまだ自分に何が起きているのか適当に考えていた。これから起こる壮絶な旅など思いもせずに。