第5章 魔王城2
一方その頃、ベルーゼとゼルシアは雑兵を駆逐していた。
「ふん。兵を当てれば私が罪悪感にかられるとでも思ったか。私は元より神の末裔。貴様らに未練などないわ」
ゼルシアは啖呵をきる。ベルーゼも同様だった。
「そういうことだ、ガルト。貴殿であっても容赦はせん」
ベルーゼはかつての自分の部下である副隊長のガルトと対峙していた。
「隊長……。強くなりすぎっすよ……。だが、軍のみなへの忠義は尽くす」
そう言うとガルトはベルーゼに向かいニードルを繰り出す。
「その心意気天晴!!」
一瞬でベルーゼは距離を詰め、ガルトを切っていた。神殿での修行はそれだけの実力差を生み出していた。
「ガハッ……!」
「良い部下であった。だが私にはやるべきことがある」
そういうとベルーゼは辺り一面の敵を惨殺した。
「あっぱれなのでーす。天使の力が戻ったようなのでーす」
ヴァイラは手をたたきながらこちらに笑みを向けてくる。
「これではこの程度の兵では少しも削れないのでーす」
「面倒ごとは嫌いなんだけれど、玩具に暴れられるのはもっと嫌いなのよね」
「ヴァイラ……!ベルフィリア……!!」
派手目なシャドウを塗りたくり前髪のギザギザが特徴的なピンク色の髪色をした魔族はしたたかに続ける。
「もう一度駒にしてあげるわ」
「殺す」
「では私の相手は貴殿かの」
「謹んでお請けするのでーす」
隊長同士の対決が幕を開けた。