第4章 精霊の間1
「なっ!?」
シルヴァとティナは精霊の間へと足を踏み入れると自分の身体にものすごい圧が生じた。
「無理もない。ここは外の重力の10倍はある。それにまわりをみてごらん」
エルシドがそう言うと、2人は顔を上げる。するとそこには激しい暴風や火山の大きな噴火、隕石が上から降ってきたりととても精霊が掬うような場所ではないところだった。
「何よ……ここ」
「驚いたかい? ここは精霊の間。黒夢の大陸の天変地異の一部を軽減するために作られた場所さ」
「一定以上の天変地異が発生すると何らかの力でワープホールを使ってここに流れるって訳かよ」
「そうだねぇ。簡単に言えばそんなところかな」
そういうとシルヴァとティナの前には全身真っ白な衣に身を包んだエルシドが姿を現していた。
「とりあえず色々聞きたいことはあるだろうけど、手合わせしてからにしようか」
そういうとエルシドは手をかざし2人の体力を全回復させた。
「凄い、オーラまで戻ってるわ」
「あ、あぁ」
「さぁ、どこからでもかかってきなよぉ」
「じゃあ、私から!」
驚くシルヴァをよそにティナが手合わせを挑む。だが、彼女の剣技は一度たりともエルシドを捉えることはなかった。
「はぁはぁ。流石に10倍の重力はきついわね」
「それもそうだけど、後ろを見なよ」
「!?」
ティナが振り返った時にはすでに遅かった。巨大な竜巻に飲み込まれ遥か彼方へ飛ばされてしまっていた。
「ティナ!」
「次は君だね」
「あぁ!!」
シルヴァはそれと同時に風の刃をエルシドに放つ。だが、エルシドのオーラのバリアーによりその攻撃はエルシドの身体をかすめることはなかった。
だが、それはシルヴァ自身も把握していることだった。
「こいつならどうだ!疾風の天翔剣!!」
シルヴァは必殺の剣をわずかな隙を掴み放つ。すごい衝撃が周りの大地を襲っていた。
「やるねぇ。僕に左手を使わせるなんてさ」
「なっ!?」
擦り傷一つついていないエルシドをみてシルヴァは勝機を失っていた。
そして、シルヴァの懐にエルシドは入るとオーラの力のみでシルヴァを吹っ飛ばし瀕死の状態に追いやっていた。
「かはっ……」
「左手を使わせただけでも大したものだ」
そういうとエルシドは再びシルヴァの傷の治療をしていた。
一方そのころティナは火山地帯に竜巻に吹っ飛ばされ流されてきていた。
「暑いわね。いや、熱い……。重力が重たいから落ちてくる隕石を避けるのも至難の技ね」
ティナは隕石と飛び散るマグマを避けながらシルヴァとエルシドのオーラのある方向を目指していた。
「閃光斬!」
隕石を真っ二つに切ると、少しずつこの環境に慣れてきたのか、さっきより軽快な足取りになっていた。
「面白くなってきたじゃない!」
ティナは微量な笑みを浮かべそう呟いた。




