第4章 神殿編1
標高10000メートルの上空。そこにシルヴァ達5人はいた。
正確には上空にそびえ立っている神殿の前の玄関のような場所にだが。
「どうやら天空の龍はただ俺たちを助けてくれた訳じゃなさそうだな」
「えぇ……」
シルヴァは神殿を見据えながら言葉を発する。
「さて♪ 僕らはここら辺で失礼させてもらうよ☆」
「私もだ。ミルス様を探しに行かなければならんのでな」
それにとギラルーンが口を開く。
「この神殿に張り巡らされている光の結界は私達にどうこう出来るレベルではなさそうだからな」
クジャとギラルーン、メルキアは魔族だ。それに、この神聖な光の結界はティナの放つシールドとは桁違いの力だった。
「そんな……。ここまで一緒に戦ってきたのに」
「ティナ♠︎ 僕たちの絆はそんなんじゃ無くならないさ♢」
「クジャの言う通りだ。私達もそれぞれ黒夢の地でやる事がある。そして、前回の魔王が能力を取り込むのに掛かった時間を考慮して猶予は1週間というところだろう」
タイムリミットは1週間。それを超えて魔王が第3魔王の力を取り込み完了すればもはや勝機も限りなく低いということなのだろう。
「それに、あのクソ兄貴も確実にヤりにくるぜ」
「1週間後に魔王城に集合♣︎ だねっ☆」
「その様子だと何か秘策がありそうね、ローズ」
リベンジに燃えるシルヴァと不敵な笑みを浮かべて楽しそうにするクジャだった。
「では、多少なりオーラも回復したのでな。行くとしよう」
「またね☆ シルヴァちゃん、ティナ♡」
「シルヴァさん、ティナさんお元気で!」
シルヴァとティナが手を振り返すと3人は上空の彼方へと消えていった。
そして、神殿の中へと足を運んでいた。