第2章 いざ黒夢の地へ編6
「と、その前に」
「ああ」
肴が切れてるわね。とキッチンにいる魔族にジェスチャーする。
そして、その魔族は分かってましたと言わんばかりに丁度出来たばかりの肴をティナとシルヴァが座る卓に提供していた。
「やるじゃない、あなた。お名前教えてくださる?」
酔ったティナは完全に女王様だ。間違いではないのだが。
「はっ! 私は第4魔王様直属の副料理長を務めさせてもらっております、ビーナと申します」
そう話す魔族の女。いや、雌と言う方が正しいのだろうか。
兎とリスが入り混じったようなルックスをし、小柄な体格の彼女がすらすらと共通語を話し、二足歩行をしている。ラムネ色と白色が入り混じった毛並みは物凄く綺麗だった。
「黒夢の大陸にはこんな可愛い魔族もいるんだな」
シルヴァはその綺麗な毛並みを撫でている。
「俺はシルヴァ。よろしくな」
「ティナよ。このポトフとテリーヌ美味しいわ。今度作り方教えてちょうだい」
そう言いながらシルヴァとティナはポトフとテリーヌ以外の肴にも手をつけお酒を飲み干していた。
「シルヴァ〜。あんたの毛並みも撫でさせなさいよ〜」
ティナはシルヴァの隣にいき、彼の白髪を撫でようとするもティナはぐいっとほっぺたに手を入れられ、遮られてしまっていた。
「くそ、酔いが最強になるといつもこれだ」
「シルヴァ、あんた良くみると可愛いわね。メイクしてあげるわ」
「ぐっ。めんどくせぇ……」
ティナの包囲網からシルヴァは逃げるとデッキの方に飛び出していた。
ティナの方はふらっと倒れた。必然的にシルヴァの勝ちになっていた。
そして、シルヴァが飛びだした先には新たな情景が広がっていた。




