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疾風の刃  作者: 桜
第1章 光の戦士達
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第1章 武術大会決勝編4

「ァァアァアア……」


 シルヴァの眼からは涙が零れおちる。黒夢のシルヴァはシルヴァを貫いた剣を払いシルヴァだったものはそこに転がり落ちていた。


「所詮は本気を出したらこの程度か。さて残るはカード使い。お前だけだ、どうする? 命乞いでもしてみるかァ?」


「ん〜♪ 僕も君と全力でヤってみたいけど、まだ決着はついてないみたいだよ♠︎」


 クジャがそう言い黒夢のシルヴァは後ろを振り向くとそこには血だらけになったシルヴァが立っていた。


「シルヴァ……任せた……わ……よ」


 ティナは最後の光のオーラを託す。


「死ぬんじゃねぇ!! てめぇはまだやらなきゃいけねぇことがあるだろうがよぉ!!! 早く起きやがれ!! お前がいねぇなら魔王なんて倒しにいかねぇぞ、ちくしょうが!!!」


 シルヴァはティナの身体を揺すり訴える。だが、ティナが返事することはなかった。


「別れはすんだかァ? じゃあ死ね」


「……コロス」


「あ?」


 シルヴァの怒りは臨界点を超えていた。黒夢のシルヴァがそう答えた刹那。彼の頬は見事に凹んでいた。


「がっ!!」


 綺麗に顔面にヒットする。


「立てよ、クソヤロウ。今からが本番だぜ?」


 シルヴァのオーラは今まで以上に膨れ上がっていた。


「いいね♢ 戦闘力がかなり上がってる♪ まだ上がるね。でも、こんなもんじゃないよね? 君の本当の力はさ♡」


 クジャはギャラリーでゆったりカードを眺めながらいう。そこにはキングのクローバーが影を覗かせていた。


「良いではないか、シルヴァ! もっとだ、貴殿を欲してここまで来たのだからな」


 ギラルーンは両手を広げ高笑いを繰り広げている。


「くくく。少しはマシになったようだなァ。いくぞ」


 黒夢のシルヴァは瞬間移動のような速さでシルヴァの背後に回り込み剣を振るう。


 が、シルヴァを射止めることはなかった。その剣はシルヴァの右手によって止められていたからだ。


「どうした? そんなものか」


「ぐっ」


「今度はこっちからいくぜ?」


 シルヴァはぐるんと回転すると黒夢のシルヴァに回し蹴りをいれ吹っ飛ばした。


「ぐおォォォォ」


「後ろだ」


 そのままシルヴァは特大のボディブローをお見舞いしていた。


「まだまだこれからだぜ、地獄はよお」


「調子に乗るんじゃねェェェ」


 黒夢のシルヴァが高速の剣を振るう。だが、シルヴァは全てかわし更にみえない速度の剣技を黒夢のシルヴァに叩き込みミンチの様になっていた。


 ぐにゅぐにゅと気持ち悪い音とともに黒夢のシルヴァは再生した。


「もう終わりか?殺すぞ」


 シルヴァの瞳はいつも以上に暗くなっていた。


「終わってたまるかァァァ!! この俺が!! こんなところで!! 死ぬはずがねェェェ!!!」


 そういうと黒夢のシルヴァは遥か上空に上昇し、詠唱を始めた。


 すると、北の城下町全域が彼の漆黒の魔力の塊の傘下となっていた。


「シルヴァ!!! これで終わりだァァ!!! 俺の全オーラでこの国ごとテメェを葬り俺様が本物になるんだァァァ!!!! 創世の(ジェネシス)黒霧(ブラックゲイル)破壊(ディストラクション)!!!!!」


 漆黒の黒い塊を躊躇なく黒夢のシルヴァは放つ。


「これシルヴァが止めれなかったら僕達皆死んじゃうね♪ ま、それも悪くないか☆」


 クジャはある意味死を受け入れ傍観者となっていた。


「もっとだ、もっと力を寄越せ。オーラを最大限に引き出しやがれぇぇぇぇぇ!!!」


 シルヴァは自分のありったけを外に吐き出す。すると、シルヴァの身体に異変が起きていた。


「ぐ、ぐああああああ」


 灼けるような熱さがシルヴァの身体を襲っていた。


 そしてシルヴァの眼は黄金に輝き黒夢のシルヴァと同じように片翼の黒い翼が生えていた。角はみえないが、髪が伸び目は黒みを帯びていた。


「やはり、私の目に狂いはなかった。あの姿は魔族の中でも伝説と言われる……純白(イノセンス)


 ギラルーンはそれだけで絶頂に達していた。


「あはは☆ 化物だね♪」


 クジャもその凄みは身にひしひしと感じていた。


「さて。終わりにするか」


 そういうと普段使わない腰に据えている長刀の方を取り出し、剣技を振るう。


「斬廷、純白(イノセンス)刀剣(スパーダ)


 黒い風と白い風がひしめき合い黒いオーラを簡単に散り散りにしてしまっていた。そして、黒夢のシルヴァも同様に散り散りになっていた。


「俺様の野望がァォァ」


 シルヴァは鞘に刀を収めた。それと同時に黒夢のシルヴァは風となり彼方へ消えてしまっていた。


「終わった……」


 ばたっ。という音とともにシルヴァは闘技場だったところに倒れこんでしまっていた。

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