第1章 武術大会編1
「第1戦目! シルヴァ・ライズ対ギュラス!」
そうレフェリーが言うと、2人とも合間見える。うおおおおという雄叫びが観客席から伝わってくる。
「お前がシルヴァか。あの方のターゲットに初戦で当たっちまうとはな。楽しみを奪ってしまうのは残念だが、ここで始末させてもらうぜ」
黒い皮膚をした人型の魔物で強いオーラを放っている。
「そうだな。魔族相手でよかったぜ。気兼ねなく斬れる」
そういうとシルヴァは完全にスイッチが入っていた。
「はじめっ!」
レフェリーの合図と同時に戦闘は始まった。
「よっと」
次の瞬間、シルヴァはギュラスの顔面めがけて高速の蹴りを放っていた。
「くく、効かぬな」
無傷のギュラスはそのままシルヴァめがけて頭突きをし、吹き飛ばした。
「っ!?」
シルヴァは鈍器で殴られたような衝撃が走っていた。
「俺様はギュラス・ダム。鉄の力を行使する第4魔王様の四天王の1人だ。そして、今回の大会。四天王が全員集結している。万に1つお前たちに勝ち目はない」
高笑いしながら、シルヴァの方へゆっくりギュラスは歩く。
「いたたた」
シルヴァも何事もなかったかのように起き上がる。
「痩せ我慢を」
そう言うとギュラスはシルヴァに高速の乱撃を放つ。シルヴァも風のオーラを纏い蹴りと拳で対抗する。
「このままじゃやばいわね」
ティナは気づいていたのだ。確かに拮抗しているが、ジリ貧。ギュラスのオーラ量は全く減っていないのに対し、シルヴァのオーラ量はギュラスの拳の一撃一撃の重さによって少しずつ減っていた。
「ぐっ」
その時だった。シルヴァとギュラスの均衡が崩れシルヴァのみぞおちにギュラスの拳が直撃していた。
「ぐあぁ」
シルヴァは悲鳴をあげる。
「あっけないな。所詮は人間。元勇者の一味といってもこの程度か」
ギュラスの勝利は揺るがないもののように思えた。
「それはどうかな?」
そういうとシルヴァの刀には莫大なオーラが篭っていた。
「なるほど。そういうことなのね」
ティナは理解していた。オーラが減っていたのではない。減っていたと錯覚させ、背中にある刀にそのオーラを送っていたことに。
「なんだと……」
そういうとギュラスは退こうとするが、既に遅かった。シルヴァの太刀筋の速さの方が速い。
「終わりだ。ギュラス。風絶剣!」
そう言うとシルヴァはギュラスの胸元を貫いていた。そして、ギュラスは倒れた。
「試合終了! 1回戦シルヴァ・ライズの勝利!!」
大きな歓声とともに幕は閉じた。




